マガジンのカバー画像

お茶にしましょう

12
文人会の若宗匠・如翺(ジョコウ)先生とその弟子・寿(ジュ)との往復書簡。 茶とは? 花とは? 日本的教養とは? 江戸時代以来の「文人茶」を継承しつつ、令和時代の「新しい茶会」を実…
運営しているクリエイター

2024年4月の記事一覧

4|桜-sakura-の大川と、「ひま」な人たち

如翺から寿さんへ ◇ 大川沿いの桜並木で  京都から南西へおよそ60キロ。  小さな旅を続けてきた淀川の流れは、大阪市都島区毛馬のあたりで新淀川と旧淀川とに分岐して、旧淀川(現大川)は真南へと向きを変えます。遥か大阪城を正面に望みながらも、流れはお城の手前でぐいと曲がって今度は西に。ほぼ直角に流れが折れるその角には、帝国ホテル大阪があったり、一般的な桜の時期に少し遅れて満開になる、造幣局の桜並木があったりして、今も人々が往来します。  私もこの辺りを散歩しながら、外国人

3│ラテとソフトクリーム

寿から如翺先生へ ◇    スタバで「お茶」 「お茶にしましょう」  先生がスタバのドリップコーヒーで「お茶して」いらっしゃる姿を思い浮かべた私は、つい最近、私も同じように言って娘とスタバに入った時のことを思い出していました。   「抹茶ラテ、ふたつ」  娘がカウンターでそう言うと、お店の方に、 「抹茶ティーラテ、ふたつですね」 と言い直されたそうなのです。  テーブルに戻ってそう報告する娘に、私は思わず反論していました。 「抹茶ラテ、でしょ。抹茶ティーラテじゃ、まるで