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【自作品解説】姨捨星+漫画ビジネスについての所見

寝付けないので久々にnote更新します。

タイトル通り、自作品の解説を自分でするという記事です。
前にもこういう形で振り返りました。
https://note.com/sogenakogena/n/ndbb3d36bc99d
備忘録的な意味も含めて、こういった自作品解説は恒例にしていこうかなーと思っています。
今回の記事では、自作品の解説と、後半は初めて雑誌に掲載されたことから考えた漫画/単行本ビジネスについての現時点での所見を書いてます。(あまりに赤裸々に書きすぎたので一部有料記事にして隠してます。気になる方は購入是非。)


【自作品解説】 姨捨星(おばすてほし)

姨捨星というのは6/10発売のコミックビーム7月号に掲載された読み切りです。
今まで電子版に掲載されたことは何度かあったのですが、紙の雑誌に掲載されるのは初めてのことでした。初掲載がコミックビームなのも嬉しかったです。
しかもコミックビームはその月の読切の作品名/作者名が表紙に載るので、なんと表紙に名前も載せていただきました。いやーありがたい!


※まあ、自己満足の記事かつ、そもそも読んでいただいた方向けの記事なので今更かと思いますが、以下、ネタバレ要素を含みます。


本作は簡単に言うと「認知症のおばあちゃんとその家族」の話です。
認知症のおばあちゃんの存在によって悩まされていた家族が、認知症のおばあちゃんが宇宙人に拐われる=姨捨山ならぬ”姨捨星に連れて行かれる” ことで家族の問題が解決する、という話なのですが、この身も蓋もなさを主人公(子供)から見た視点で描いています。

この物語では、おばあちゃんは父方の祖母で、実際の世話は主人公の母親=つまり嫁がやっている という設定なんですが、この物語を実際に義母の世話をさせられている「お母さん」視点で描いたら全然違うものになると思うんですよ。

あくまで大して迷惑を被ってない(という言い方もどうかと思いますが)家庭上での責任を負っていない「子供」の視点で見れば「おばあちゃん可哀想」みたいな気持ちが生まれると思うんですが、現実的な問題と向き合わなければいけない「両親」からすれば「姨捨星」は残酷だけど救済措置的な側面もあり。

私自身もう大人なのでこの物語の主人公(子供)ほどはおばあちゃんに寄り添った・同情した考えは持てないのですが、やはり漫画というのはフィクションであり、フィクションである以上は物語に希望や人間の善性(まあ綺麗事とも言いますが笑)を持たせたいなと思い、あくまで「子供」の主観で進む物語にしました。

↑とてもありがたいことにこちらで感想を書いていただいたのですが、感想を書いていただいただけでなく、まさに描きたかった部分に言及されていたので嬉しかったです。
別に読み方に正解があるわけではありませんが、まあ漫画って伝えたくて描くもの=コミュニケーションツールなので、きちんと意思疎通ができてると「ちゃんと伝わったんだ!」と嬉しくなります。

↑こちらの感想もすごく嬉しかったです。(勝手にツイート埋め込んじゃいましたが、問題があれば消しますので…嬉しくてつい…)
こちらの感想では、主人公が学校でいじめられている中で自尊心を保つ方法として祖母を見下している、という部分に着目・考察していただいていて、なるほどなあと思いました。

この他にも手にとってくださった方、そしてそれをツイートしてくださった方がおり、いやはや本当にありがたいです。

webでの作品公開の場合、無料で読める・指先一つで読める というように読む上でのハードルが限りなく低く、かつ簡単にシェアできるためたくさんの方に読んでもらえるのですが、雑誌の場合は「元々のその雑誌の購読者の目につく」あるいは「わざわざtwitterなどで事前情報を得て買ってもらう」、このどちらかの場合に読んでもらえます。
そういった高いハードルを乗り越えて読んでくださったんだなと思うと感謝もひとしおです。(もちろん、web公開の漫画を読んでいただいた場合も同様にありがたいですが。)

漫画ビジネスについての所見

それこそ、まだスマホやインターネットがない雑誌全盛期の時代は、雑誌を定期的に購読している人が多く、雑誌自体が力が持っていたため「雑誌に掲載されること」「何万RTもされること」と同義だったのだと思いますが、雑誌自体が力を持たなくなってしまった今、Twitterで積極的に発信し自分から読者を掴む必要があるのだなーと痛感しました。

コミックビームで言うと、大して詳しくないのですが、和山やま先生の「ファミレス行こ!」が掲載された号は創刊以来史上初の重版…?がかかったといいますし(いや品切れだったかな…?)、現在は「雑誌」というより「作家個人」の力が強くなっているんだなーと思いました。

別に雑誌をdisるつもりはなくて、これは単純に時代の移り変わりであり、パワーバランスの話だと思っています。ただ紛れもない事実ではあるので、こういう現状を踏まえた上で私個人の戦い方を考えないといけないなーと思いました。

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