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アフターコロナの新時代オフィス清掃 Whiz×人で清掃業務を内製化

2017年に六本木へとオフィスを移転したDMM.com。チームラボがデザインした遊び心溢れる最新鋭のオフィスでは、コロナ禍の2020年6月からWhizを3台導入して社員自らが清掃を行っている。清掃業務を内製化した背景にはどのような考えがあったのだろうか。その経緯を総務部の方々へ伺った。

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会社概要
合同会社DMM.com
国内最大級の規模を誇る総合エンターテインメントサービス『DMM.com』を運営。デジタルコンテンツ配信事業を始めとして、オンラインゲーム事業や通信販売事業など、40以上の幅広いサービスを展開している。

お話を伺った方々

合同会社DMM.com
総務部
・部長 高橋 応和
・リーダー 宇都 修二
・コントローラー 浅野 亜樹
・コントローラー 田中 優正

コロナ禍での清掃に疑問

——2020年、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、世の中に大きな変化がありました。御社ではどういった変化がありましたでしょうか。

高橋氏
当社でも、在宅でのリモートワークを推進しました。実際に始めると、オフィスに来なくても仕事ができることが明白になりましたね。個人的にも通勤というのは大変だったので、リモートワークがこのまま定着する予感がしていました。

——オフィスに社員がいない状況となったのですね。

高橋氏
はい、出社率が2%未満でした。そうなると、人がいない中で照明や空調、清掃の維持管理は従来どおりでよいのか?という疑問が出てきました

——たしかに社員がいないのではゴミが出ることも少なくなりますね。

高橋氏
清掃は必要ではありますが頻度は減らしても良いのではないかと考えるようになり、頻度や運営について深い検討をするに至りました。

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フリースペースにもほとんど人がいない状況が続く

スイッチ押して自動で清掃してくれるなら、自分たちでもできるのでは

——Whizはいつご存知になりましたか。

高橋氏
ソフトバンクロボティクスは設立時から存じ上げていましたので、Whizも販売当初から知っていました。ずっと動向をウォッチしていたので、ロボット掃除機の精度が上がってきて清掃業者の方が使い始めたことも知っていましたし、スイッチ押すだけで掃除してくれるなら自分たちでもできるのでは、と考えていました。

——早い段階からロボット掃除機を利用する構想があったのですね。

高橋氏
実はコロナ禍の1年ほど前に、今回と同じくロボット掃除機を利用する構想を提案したことがありました。当時は実現しなかったのですが、このコロナの影響で今回は実現へと至りました。

誰がやるかではなく、何の成果が必要か、そのために何の機械を使うかということが重要だと考えています。

——他社のロボット掃除機とも比較検討をされたのでしょうか。

高橋氏
はい、Whizや海外メーカーを含めた3種類を対象に検討しました。Whizを選んだのは月額の費用とオフィスに適している仕様だったことが決め手でしたね。

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机と机の間を進むことができる、オフィスに最適のサイズ

業務の隙間時間を活用してフレキシブルに清掃

——清掃業務を内製化することは、自分たちの働き方の変化も含めて大変だったかと思います。現在はどのように運営されているのでしょうか。

浅野氏
朝の9~10時の間にWhizを稼働させています。30~45分間自律走行しもらい、準備やメンテナンスを含めて清掃は合計1時間です。清掃時間中は、人も並行して清掃していて、回避困難な障害物はWhizの走行ルートから避ける工夫をしています。また、複雑で細かい作業が必要な箇所は人の手で掃除機がけを行ったり、机の拭き上げなどをしたりして、Whizと清掃範囲を分担して一緒に作業することで効率化しています。

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清掃のオペレーションを話してくださった浅野氏

——朝の1時間だけですと、やり残した部分も出てくるかと思います。どのように対応されていますか?

田中氏
やり残したことはリスト化して、業務時間中の隙間時間で対応しています。あとは、ガラスの拭き上げなど毎日やる必要のない清掃も、同様にリストで管理しています。

——3台のWhizはどのように使われているのでしょうか。

浅野氏
各フロアで1台ずつのイメージです。それぞれに名前をつけていて、シフト表を作成して、毎日別のところで稼働させています。

——ちなみに、どんなお名前でしょう?

浅野氏
レモンサワー、ちゃちゃまる、山崎康晃です!(笑)

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浅野氏も愛着を持ってティーチングを行う

従来の考え方では実現しないコスト削減と、社員の美化意識の向上という成果を獲得

——清掃業務を内製化したことで、どのような成果があったのでしょうか。

高橋氏
コスト面では、年間で5分の2に抑制できる見込みです。

また清掃を内製化したことで、社員の美意識に変化を感じ始めています。これまでは委託していたこともあり、清掃業務をどこか他人事のように感じていたように思います。しかし「自分たちのこと」という感覚になったのか、私たちに声をかけてくれたり、ゴミ袋の入替えを行ってくれる頻度があがったり、廊下でゴミが落ちていることを見かけなくなったような印象を受けています。

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総務部長の高橋氏。その高い情報感度で、
積極的にコロナ禍に対応したことを話してくださった

——清掃品質の面ではいかがでしょうか?

浅野氏
従来は紙屑や消しカスが床に散見されることがありました。Whiz導入後は業務の隙間時間での清掃を行っていることもあり、そういった取り残しがなくなりました。

全体として、期待どおりの活躍をしてくれています。

見据えているのは、近い未来に必ずやってくるロボットと人の「協働」

——コロナ禍の変化にいち早く対応されたんですね。

宇都氏
導入までは1ヵ月程度でしたね。DMMは昔から、いつにおいても誰よりも最先端の技術やテクノロジーに強い興味を持ち続け、すぐに触れて感じる。そして利用する。それを実行してきている企業です。管理系の総務部であっても、同様の気持ちを持って新しいテクノロジーに挑戦している次第です。

そしてWhiz導入で私達が見据えているのは、コスト削減などの短期的な成果だけでなく、必ず近い未来にやってくるロボットと人との「協働」です。つまり、得意とする担当分野でそれぞれが力を発揮する長期的な成果を創出することです。

Whizは人の代わりではなく、ともに生きていくパートナーとして業務分担を考えています。

ロボットは人とともに生きていく。そこを見据えて今回Whizと共に働いているというところです。

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「誰もが見たくなる未来。」のとおり、
Whizとともに新しいオフィスの在り方に挑戦している

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新型コロナウイルスの感染拡大によって、働き方そのものに何十年かに一度の変化が訪れている。リモートワークが推進され、オフィスに行かなくなるという動きが目立つようになった。

そんなニューノーマル時代の働き方に対応した取り組みは、もう始まっている。

著者プロフィール

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岡田 亮
ソフトバンクロボティクス プロジェクト推進本部

AI清掃ロボット「Whiz」事業開発部所属。2020年2月にソフトバンクロボティクスに参画し、現職に。前職は旅行ガイドブックの編集者として図書制作や営業企画に従事。その経歴を活かして、現在は導入事例の取材や記事制作を担当している。