3月2日#チャーリー・パーカー #マリア・カラス #フランク・ザッパ #マイルス・デイヴィス #ジョン・コルトレーン #プレストン・スタージェス チャーリー・パーカーのサヴォイ、ダイヤル、スタジオ録音のCD一枚を聞く。菊池成孔のラジオ、『粋な夜電波』のタイトル曲が、別テイクも含めて、数回流れてくる。 マリア・カラスがグルックの『トーリードのイフィジェニー』のイフィジェニーを演じたものを聞く。最初グリーグが作曲したものだとばかり思っていたら、よく見たらグルックだった。最近、
1.愚かさの世界――谷崎潤一郎『刺青』 明治四十三年十一月号の「新思潮」に掲載された。短編小説。翌明治四十四年の十二月には、「麒麟」「少年」「幇間」「秘密」「象」「信西」と合わせて、『刺青』という表題で、籾山書店から刊行される。 「其れはまだ人々が『愚』と云ふ貴い徳を持つて居て、世の中が今のやうに激しく軋み合はない時分であつた。殿様や若旦那の長閑な顔が曇らぬやうに、御殿女中や花魁の笑ひの種が尽きぬやうにと、饒舌を売るお茶坊主だの幇間だのと云ふ職業が、立派に存在して行けた
1.いまだ、あるいはすでにない欲望ーーテリー・ジョーンズ『ミラクル・ニール!」(2016年) 三つの願いという民話がある。色々とヴァリエーションはあるが、そのひとつはこうである。夫婦して真面目に働き、生活には不自由しないだけの収入をあげている肉屋があった。あるとき、貴族が乗ったきらびやかな馬車が通るのを見かけ、一度でもあんな馬車に乗ってみたいもんだ、仙女でもいれば願いを叶えてもらうのに、と願った。すると輝くばかりの仙女があらわれ、なんでも口にした三つの願いを叶えてあげようと