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コトリンゴさん九州公演で感じたこと

台風24号の影響により9/30に予定されていたMUSIC CITY TENJINのメインステージの公演が中止になり、10/1の熊本グランラセーレ レガロ、10/2の佐賀浪漫座の2公演となってしまった九州ツアーでしたが、たった2日でもコトリンゴさんの宝石のような音楽に取り組むことができるかけがえのない時間でした。

コトリンゴさんの音楽はちょっとしたニュアンスの違いや音量の選択ミスでも世界観が壊れてしまう繊細さがあり、特にサックスやトランペットのような大音量を得意とする楽器にとってどのように表現するべきかが課題でした。日頃取り組んでいるポピュラーミュージックやジャズのアプローチをそのまま用いたのではマッチしない。CDでは弦楽器が多用されるといってもクラシックスタイルだけだとそれはそれで違う。

この世界観を壊すことなく管楽器が入って良かったと客観的に思えるにはどうすべきか。既存の認識とは全く違ったアプローチが必要でした。

考えた末に導き出したのはジャズのサウンドのままポピュラーミュージックではほとんど使わないピアニシモを主体としたサウンド作りでした。場面によって色々な種類のピアニシモを使い分ければ世界観に紛れ込みながらコトリンゴさんの歌声のような繊細さで音楽表現を担うことができるのではないか。

この仮説は今回の九州でかなり答えに近いところまでいき嬉しいことに好評価もいただきましたが実感としてはまだまだその先がある、もっと寄り添えるしもっともっと素晴らしい世界観が存在する、そんな印象でした。

ジャンルを跨ぐ表現手法をハイブリッドに絡み合わせ巧みに使い分けることでもっと親密で寄り添ったものになる。

いつかの次回公演に向けて日々試行錯誤。

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