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【練習雑記】ブロードウェイミュージカル「WHERE'S CHARLEY?」大千穐楽

4/22(月)に東京は日本青年館ホールで幕を開けたミュージカル「WHERE'S CHARLEY?チャーリーはどこだ!」が、5/19(日)大阪の森ノ宮ピロティホールの大千穐楽で幕を下ろした。

REED担当ということで今回はフルート・クラリネット・テナーサックス・バリトンサックスを演奏した。
全体のおよそ8割がフルート。
譜面が届いた当初、専門のフルーティストが演奏するような難易度で頭を抱えた。

速いパッセージや高い音といったキャッチーな難しさに加えて、ピアニシモでのコントロール、音程、跳躍といった高度な基礎力が試される内容。フルートで散々お仕事させてもらっているが、ジャズポピュラーの演奏表現はさておきクラシック的な繊細な演奏技術は専門家に到底及ばない。

しかし毎日緊張状態で難しいフルートを演奏する滅多にないチャンスをいただき、どうせなら最大限の挑戦をしたいので日々のトレーニングメニューを作成した。ほぼ今まで取り組み続けてきた内容だが、そこに自分に不足していたと感じるものを追加して完成させたものがこれ↓

フルート日課練習

●基礎(40分)
・ロングトーン※
・Taffanel & Gaubert No.1
・ソノリテ
・アタック
●テクニック(20分)
・スケール
・インターバル
・パターン
●練習曲(30分)
・エチュード
・クラシック小品※
●Jazz(時間があれば∞)
・トランスクライブ
・2-5-1

約2時間のメニュー
※印は今回から採用した練習。
ロングトーンの練習はソノリテに含まれると思っていたが、知人と演奏中の不安定さについての会話で「ロングトーンやってますか?」と指摘を受けハッとして追加したもの。
これが効果覿面。アンブシュア・アパチュアが日々適正な位置に近付いていく感覚が味わえた。

クラシックの小品は師匠斎藤光晴さん編のフルート名曲集(全音楽譜出版社)からバッハのシチリアーノに取り組んでいる。
昨年のニューヨークで学んだことの一つに「いかに吹くべきかを歴史的名人に学べ」というのがあり、それに倣って今回はランパルとニコレの演奏を細かいニュアンスまで詳細にコピーするということにトライしている。
言わばジャズのトランスクライブと同様の内容。

これは世界最高の演奏を模倣するといういわゆる一つの圧倒的な”正解”を自分の中に入れる作業で、もちろんそのニュアンスをあたかも自分の表現のように自由に操るには何年もかかる作業だが、彼らの要素を含んだものを演奏できることは自分にとってあまりに革新的&大きな喜びで、まるで信心のような感覚である。

そんなことに取り組んできた約3ヶ月。

練習してステージで試し、録音をチェックして翌日の練習に生かすという毎日で演奏技術は大きく向上したと感じている。客席から変化がわかるようなことではないと思うが、、、でもそれでいい。

日々精進。


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