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二人と香り

「好きな人同士は好きな香りが似てきたり、そもそも好きな香りが似てる人同士はやっぱり恋愛対象として気が合うとか何かしら関係性あると思いますか?」

先日、調香体験に来てくださった方から、後日こんな質問を頂き、もちろん論文とかもたくさんあると思うのだけど、個人的な感覚で考え、思いつきでつらつらと(エビデンスはないです)。

大学生の頃、隣の研究室の先生が、カップルは一緒に過ごしていると腸内細菌叢が似てくるので(生々しくなるので詳細は省きます笑)、自然と食の好みが似てくる、という話をしてくれた。おしゃべり程度の会話だったので、実際のところは不明だけど、個人的にはすごく説得力のある話だったので良く覚えている。それに、実際に振り返ってみると、あの人と付き合っていた頃は良く一緒に食べに行っていたアレ、今のパートナーとは全然食べに行かないな、みたいなものも少なくない。もちろん、パートナー以外にも周辺環境の変化とか加齢とか、色んなファクターが起因しているとは思うけれど。

質問の前半については、同じようなことが起こる可能性は高い気がする。
しかし、これは香りに限った話ではないけれど、どうしてもその香りに付随する記憶や思い出で、その香りを好きになったり嫌いになったりするので、ある香りの中で、二人で素敵な時間を過ごしたら、お互いにその香りを好きになる可能性も高いと思う。そんな小さな積み重ねで、段々と好きな香りも似てくるのかもしれない。(SODEの香りの中で、誰かと誰かが、素敵な時間を過ごしてくれたら嬉しいなあ、、、)

後半については、個人的には関係があるんじゃないかなぁ、と。
前述した記憶や思い出のように、香りに対する価値観というのは、これまで過ごしてきた環境の中でどんな香りに触れてきたのか、その中でどんな経験をしたのかが大きい気がしているので。自然の中で育ってくればナチュラルな香りに親しみを感じたり、身近に香水が漂っている環境にいれば創造された香りに芸術性を感じたり。というところで考えると、好きな香りが似ている二人は、価値観も近い可能性が高く、気が合うのでは?と思うのです。私は恋愛マスターではないので、そもそも「価値観が合う=気が合う」が違っていたらごめんなさい、、、。(好きな香りと、今の恋愛関係への満足度の相関関係についての論文がありそう)


-余談、体臭のこと-

いつか好きだった人の、気の抜けてる香りって、今でも思い出せたりしませんか。

長年の体臭が染み付いていると思しきパジャマを借りた時の香りとか、肌身離さず何回も読んでいたんだろうなという小説から漂う香りとか。
その香りって、香水とかに対する「いい香り」とは違うけれど、何だかすごく愛しい香りで、不快だと思ったことはない気がします。
自分の体臭は自分ではわからないことが多く、つまりそれを不快だと思うことはほとんどないと思うので、その点で言うと、自分も相手も少なくともお互いの体臭については一定レベルをクリアしているんじゃないかな。

恋は盲目、というだけのことかもしれないのだけど。

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