2020年の出来事、エビ中にハマって

 今年2020年の春先、新型コロナウィルスの影響もあり、自粛期間中に在宅を余儀なくされて暇を持て余していた矢先、古くからの友人から勧められたある一つのアイドルグループにハマった。数年に渡り色々なアイドルをチェックしてはああでもないこうでもないと評論家ぶって楽しんでいる悪趣味を持っておきながら、当時殆ど知見がなかった事を今では後悔している。
 元を辿れば、中高生の時にハマったハロプロ等のいわゆる地上から、数カ所の地下アイドルの現場を転々としているところに、自粛期間で一気に現場が絶たれた為、段々とアイドル現場自体のモチベーションが薄れている最中に舞い込んだ話が「私立恵比寿中学」(以下、エビ中)の話題だった。これが沼への第一歩であることは露知らず、色々な通信教育教材(YouTubeや音楽配信サービス等の事)を友人に勧められるがままに漁った。大手事務所に所属していることもあってか、在宅コンテンツが充実していることも相まってすぐに掘り下げて行くことができたのも今につながる大きな要因の一つかもしれない。
 多彩な楽曲提供陣やメンバーの個性から繰り出される素晴らしいライブパフォーマンスをぜひライブで体感したいと思い、仲間内で勧められてから数日の内に現場に足を運ぼうと決心し、早々にFCへ加入、何事も善は急げとはよくいったものだ。とはいえ、エビ中のライブは当時春ツアーが既に中止が決まっていたので、自ずと次回以降ライブが予定されるまでは全くの未定、お預け状態であった。しかし、これはエビ中を好きになって行くプロセス上、悪い方向には転がらなかった。何しろ前段で述べた通り、在宅コンテンツが豊富な上、クオリティも高い為数々のライブ映像や舞台の配信等を漁り続け、より未知のライブへの思いが強くなっていった。

初登校の話

 世の動きが少しずつ変わり、なんとかイベント開催まで漕ぎ着けられるようになってきた頃、SNSで後に私の初登校となるライブが発表された。
「ちゅうおん」だ。

 ちゅうおんは野外開催で着席、バンドによる生演奏、ペンライトの使用やコールの禁止といった一般的なアイドルのライブとは別形態のライブだった。今思えばエビ中初心者の私からすると、着席でじっくり鑑賞するとなれると、参戦するにあたり幾分か気負いなく参戦できる良い形だったのかもしれない。当然、初めてエビ中の現場に足を運び、長い夏の間、散々楽しみにしていたエビ中を拝むことができたこと、長い間目に触れることがなかった素晴らしいパフォーマンスなど、とても書ききれない理由の数々から、初日昼公演一曲目から到底涙なしでは見ることができなかった。余談ではあるが、このライブで私が最も心を動かされた曲目は「頑張ってる途中」次点で「バタフライエフェクト」だ。
 ちゅうおんは初日土曜日の昼、二日目日曜の昼夜の参戦だった。初めてのエビ中現場参戦にしては飛ばしすぎではないのか、という考えも頭をよぎったが、全くそのようなことは感じられず、むしろ逆に「もっと見たい」「感動した」とありきたりではあるが、現場へ足を運ぶ者にとっては最高の結果となった。

生誕と衝撃

 程なくして、同じく新型コロナウイルスの影響により例年行われていたはずの各メンバーの生誕祭が発表された。

 仕事のない土日に照準を合わせ、小林・安本・中山・星名の4公演の申し込みをした。結果は安本以外が当選、事無きを得て登校した。かつてない世界情勢のなかでのライブ参戦や地上アイドルの生誕祭ライブ自体も初めてであり、エビ中に興味を持ち初めてから、新たな経験がとても多かった。

生誕が終わりしばらくして、安本の病気公表、衝撃が走った。

「かわいそう」や「早く良くなってほしい」「なぜ彼女が」といった言葉がTwitter上で飛び交う。私は当時、特に話題に触れることはしなかった。正確にはできなかった。「自分なんかが」という気持ちが先行したことで、マイナスの感情になることを自然と避けていた。しかし、改めて自分なりに考えた結果、私たちができることはこれまで通りの応援を続けることではないだろうか。自己満足と言われればそれまでだ。本人たちが一番やりきれない思いがあるのではないか。様々な意見や感情を加味しても、帰れる場所を守り続けることが彼女らに対してできる最大限のアプローチであると考えている。

大学芸会の話

大学芸会は、年末あたりで行われる通常のツアーとは異なった趣向のライブだった。いわゆる本域のライブはこれが初だったため、これもまた過去にないほどの期待で溢れた。生バンドによる演奏と、ゲストの参戦。前述の件の通りで、5人でのライブとなりエビ中の考えうるベストではないにしろ、今年を締めくくる素晴らしいパフォーマンスで我々を魅了してくれた。また、悲しいことや辛いことがあっても前に進み続けるという意気込みが十分に感じられたライブでもあった。
 そして、最終日には来年のライブ開催が決定。
私立恵比寿中学 Best at the moment series「6Voices」
 このタイトルから想像するに、明るい未来を願い、6人でのステージを叶える、といったことを連想させた。どのような意図があるのかは始まって見ないとわからないが、まだまだエビ中は止まることなく進んでいく意思が見えたのでとても嬉しかった。

さいごに 

 2020年、エビ中に興味を持つことができてよかった。昔の友人とも行動を共にする機会をもらえた。新たな仲間と出会うこともできた。エビ中のおかげで人生が彩り豊かになった、生きる歓びをもらった。彼女たちの存在が私の生活において大きな支えとなっている。この先、私はエビ中を応援することをやめないだろう。2021年、エビ中にとっていい年であり、さらなる活躍が見られることを願っている。



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