休職98日目 ミタさんとロンバケ
往年の名作ドラマをちゃんと観てみようキャンペーン、ゆっくり継続中。
・家政婦のミタ
松嶋菜々子の代表作と言えば、俺たちの世代だと「やまとなでしこ」だけれど、大事な代表作を忘れていた。ということで、観た。
母親を亡くして憔悴した家族が雇った家政婦は笑顔もなく、淡々と仕事をこなし、どんな命令も遂行する女性だった。彼女を中心にして徐々に再生していく家族。また、家政婦の彼女も過去と決別して自分の人生を取り戻す、というストーリー。
登場人物は時と場所を選ばずに怒鳴り合いしてばかりだし、自分の感情を言葉にしまくるし、展開は90年代のアクション映画かよって感じでガサツだし、なぜこのドラマが高視聴率だったのか、と疑問に思いながら観た。松嶋菜々子が出演していなかったら途中で観るのをやめていたと思う。
しかし、終盤に向かうに従って松嶋菜々子演じる三田さんの過去が明らかになっていき、目が離せなくなった。無表情で声のトーンも一定だけれど、気持ちを少しずつ目で訴えるようになっていく松嶋菜々子の芝居に圧倒された。ドラマ全編通して少しずつ少しずつ感情を表に出していくので、各週ではなく、一気に観て良かった。
俺が松嶋菜々子を好きという贔屓目を抜きにしても、マジで松嶋菜々子が演じていなかったら成立しないドラマだと思う。
最後の最後に松嶋菜々子が笑顔を見せるシーンは大号泣だった。ありがとう、松嶋菜々子!
・ロングバケーション
放送当時、うちの母親が毎週観ていたので、何となく話は知っているけれど、ちゃんと観たことがなかったので、観た。
結婚式当日に婚約者に逃げられた花嫁が、ひょんなことから音楽教室でくすぶっているピアニストの青年の部屋に転がり込むことになり、そこから巻き起こる騒動と波乱の展開を描く。
山口智子が売れないまま三十路を越えたモデル役なのだけれど、ガサツで空気が読めなくて生き遅れた女性を上手く演じていた。ちょっと見ていて痛々しいところが妙にリアルというか、何というか。山口智子のミニスカやバニーガールなどを拝めるのは嬉しい。
俺は涙腺が決壊することなく観ていたのだけれど、後半、とあるシーンで大号泣してしまった。
山口智子演じる南に求婚しているイケメンカメラマンが、キムタク演じる瀬名くんに、「本気じゃないなら彼女を諦めてくれ。俺なら彼女に新しい部屋も仕事も用意できる。お前はガキで彼女に何にもしてやれないだろ」的なことを言う。いつもの瀬名くんなら、苦笑いでごまかしてしまうのだけれど、今回は違った。しっかりイケメンカメラマンの顔を見据えて、「本気です」と言い放つのだ。そして、「それを証明します」と言い、優勝は絶対に無理と言われているピアノコンクールへの出場を決める。
マジで泣いた。大人になりきれず、内面に弱さを抱えた青年が自分の生きる道を切り開き、一人前の男になる、というのは、胸が熱くなって当然だろう。
思えば、北川悦吏子のドラマにはそういうテーマが多かったような気がする。「ビューティフル・ライフ」しかり、「オレンジ・デイズ」しかり。
で、見事に瀬名くんはコンクールに優勝し、南と二人でボストンへ。現地で結婚式を挙げて、ハッピーエンド。ここまで振り切ったハッピーエンドだと、観ている側も気持ち良い。
とにかく、かなり楽しめた。
共演の竹野内豊、稲森いずみ、りょう、広末涼子、松たか子もフレッシュで良い感じだった。
体調のこともあって一気にたくさん観られないので、ゆっくり継続していくつもり。次は何を観ようかしら。
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