隔離生活九日目 time to kill

味覚はすっかりもとに戻り、チョコレートの味まで分かるようになった。食べ物の味が分かるのは素晴らしいことだ。
メシが美味いと人生は明るい。

体調は悪くないのだけれど、何故だか一日中睡魔に襲われていて、寝て、起きて、寝て、起きて、を繰り返している。我ながら贅沢な時間の使い方だな、と思う。

「ダークサイドミステリー」のヒカリゴケの回を観る。
閉じ込められた四人の男が飢えの極限状態の中で人肉食に手を染める、という物語で、僕も遥か昔、テレビで映画を観たことがある。はっきり言って内容は忘れてしまったので、今回、新鮮な気持ちで番組を鑑賞することが出来た。
カニバリズムを禁忌とかモラルの彼岸として描く映画や小説は多い。今すぐパッと思い浮かぶのは、映画「白鯨との闘い」とか。
近親相姦と同族食いは人間の根源的なタブーとされているらしく、番組は実際の事件や当時の価値観と照らし合わせながら、「ヒカリゴケ」について丁寧に解説していた。
面白かったけれど、個人的には、「ダークサイドミステリー」には、もっと荒唐無稽な題材を扱ってほしい、と思う。
初期の頃は、吸血鬼や心霊、都市伝説など、荒唐無稽な題材を丁寧に解説して、最後には溜飲が下がる、という構成が多かった。「三億円事件」とか、「ゾディアック事件」とか、面白いし興味深いけれど、たまには、バカみたいなネタがあってもいいんじゃないかなぁ。

ちなみに、チラッと部屋に入ってきた妻は、「仲間の肉を食べて生き延びた」という部分だけ見て、「え、キモチわる」と一蹴して部屋を出て行った。
つくづく妻とはシュミが合わないな、と思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?