隔離二日目 ダイヤモンドダストが降った夜

昨夜は全く眠れなかった。
体温は四十度を超え、手足は痺れ、幻覚、幻聴、痙攣が起き、朦朧とする意識の中で見上げた夜空には死兆星が瞬き、そういえばこんな風に暑い夏は村の男たちが皮を剥がれて殺されるんだよな、悪魔は人間の頭蓋骨でトロフィーを作るんだ、とうわ言のように呟いた。
というのは、当然、嘘で、体力が少し回復してきたので、ゴルゴ13を読んでいたら、いつの間にか深夜二時になっていただけだ。やはりゴルゴ13は面白い。

さて、カロナールのおかげですっかり平熱に戻り、咳は軽く出るけれど、全くつらくはない。とはいえ、悪化したら困るので、部屋で大人しくしている。保健所からは連絡無し。体温を報告するLINEも届かない。まぁ、きっとパンクしているのだろう。明日になっても連絡がなかったら一本電話してみよう。

午前中はNetflixで台湾のホラー映画「呪詛」を観た。怖すぎる、と話題になっていたので、前情報無しに観たのだけれど、激しく後悔。というのも、息子が産まれて以来、子どもが酷い目に遭う映画が苦手になってしまったのだ。この「呪詛」もそれ系の映画だったので、観ている間、ずっと陰鬱な気持ちだった。
ただ、真面目に少しだけ感想を書くと、土着信仰の得体の知れない不気味さをしっかり映像として可視化しているのが良かったと思う。また、呪いが本当にあるとして、俺も、自分の子どもを助けるためなら、「呪詛」の母親と同じ行動を取るだろうな、と思う。自分や他人を犠牲にしても、自分の子どもを救おうとするに違いない。しかし、そもそも、自分や他人を犠牲にしないと子どもが助からないような状況そのものが受け入れ難いし、そういう映画も極力観たくない。

午後イチで両親が食品とポータブルCDプレイヤーを届けてくれる。非常にありがたい。
特にポータブルCDプレイヤーは、パソコンが死んだせいでサブスク解禁されていないアーティストの曲を聴けなくて困っていたので、まさに天の助け。感謝しかない。
さっそく、ROSSOの名盤「ダイヤモンドダストが降った夜」やBLANKEY JET CITYの超名盤「国境線上の蟻」を聴く。最高過ぎる。

奥山貴宏「31歳ガン漂流」のオーディオブックを聴きながら昼寝。薬を飲むと、すべからく眠くなる。起きたら18時過ぎ。これを聴きながら昼寝することが隔離生活中の日課になりそう。

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