無職139日目　ナイル殺人事件

ケネス・ブラナー監督＆主演の映画「ナイル殺人事件」を観た。

マジでめちゃくちゃ面白かった。前作「オリエント急行殺人事件」も良かったけれど、今作の方が圧倒的に好き。

大富豪の娘の新婚旅行中に船内クルーズで起こる連続殺人事件。容疑者はひと癖ある乗客全員。果たしてポアロは事件を解決することが出来るのか、というストーリー。
原作はアガサ・クリスティの言わずと知れたミステリの古典。過去に映画化もされている。
俺が原作を読んだのは小学生の頃なので、もう28年前。はっきり言って犯人以外の細かい内容は全く覚えていなかったので、今回の映画はかなり楽しめた。
原作がミステリの名作だけあって脚本がしっかりしているのでツッコミどころは無し。伏線が綺麗に回収されていくし、登場人物が多いのにそれぞれの性格や関係性が整理されて分かりやすい。事件が起きてからのポアロはシリアスでカッコイイし、大掛かりなトリックが無くてもちょっとした動作や手がかりから推理をすすめていくポアロの探偵っぷりが気持ち良いので満足度が高い。
ポアロの悲しい過去を描きながら、人は愛のためになぜ悲しみを背負ってしまうのか、というテーマが胸に残る。愛が悲しみを連れてくるなら、人間にとっての幸せとは一体なんなのか。なかなか切り口の鋭いミステリだった。

唯一不満だったのは、ポアロの吹替が草刈正雄ではなかったこと。「オリエント急行殺人事件」でポアロの吹替を演じた草刈正雄があまりにもハマっていたので、フィックスになるのだと思っていた。今回の吹替が悪いわけではないけれど、ちょっと残念だった。

まぁ、とにかく、オススメ。