見出し画像

無職33日目 X エックス

アマプラで映画「X エックス」を観た。

想像とはちょっと違ったけれど、かなり面白かった。

ポルノ映画で一攫千金を夢見る若者たちが殺人鬼の老夫婦に遭遇する、というシンプルなストーリーなので、もっと血みどろのスラッシャー映画かと思ったら、全く違った。
観客をじりじりと嫌な気持ちにさせるねちっこい映画だった。

殺人鬼の老夫婦が単なる頭のイカレたじいさんばあさんではなく、ばあさんの方はセックスと若さに執着していて、それのせいで若者たちを皆殺しにしようとする。じいさんはじいさんで心臓に持病を抱えているせいでばあさんを満足させることはできない。その負い目からばあさんの殺人を手伝っている。
そういうのを恐ろしく気持ちの悪い描写で見せてくる。
この手のホラー映画といえば、露出度の高い女の子たちと相場が決まっているけれど、この映画の場合、女の子たちがおっぱいを出したりセックスしたりするたびに、ばあさんのセックスに対する執着を煽ることになるので、殺意が膨れあがっていく。マジで良くできた作劇だと思う。おっぱいが観客へのサービスだけではなく、物語を進める重要な要素にもなっている、というわけ。

「サイコ」や「悪魔のいけにえ」のオマージュもあって、作り手が過去のホラー映画をリスペクトしていることもよく分かる。俺が気づかないだけで他にもオマージュがありそう。

終わり方も最高で、スパッとエンドロールが流れるのが良い。作中はとにかく気持ち悪い描写のオンパレードなので、最後くらいカラッといこうぜ、という感じで清々しい。

内容が内容だけに誰にでもオススメできる映画ではないけれど、俺は面白かった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?