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【健脳】ルールは守るもの?従うもの?(連載3/4回)

私たちは「ルールを守る」と「ルールに従う」を同じ意味で使うけど、「守る」と「従う」の意味は真逆だし、そもそもどうして「ルールを守る」というか考えてきました。もう少しで何かが見えそう。一緒に考えましょう。

前回は「ルールを守る」を翻訳すると、フィンランド語と韓国語では日本語同様「ルールを守る」になる、とGoogle先生に教わりました。
今回は、ルールに当たる何が日本にあったのか、想像してみます。

日本の規則はルールではなく約束事だった説

ルール。Rule。日本語では規則とか約束事。
もしかすると、日本人が守っていたのは「規則」ではなく「約束事」だったのかもしれません。そう思った理由をお伝えしますね。

哲学者スピノザの著書「エチカ」はご存知ですか?「エチカ」とは道徳という意味ですが、その語源エートスは居場所を意味していました。

エートスは「いつもの場所」を意味し、転じて習慣・特性などを意味する古代ギリシア語である。

出典:Wikipedia

エートスには「いつもの場所」つまり慣れ親しんだ場所や動物の巣や住居の意味が込められている、とNHKオンデマンド100分de名著で知りました。

その「いつもの場所」で皆んなで決めた「約束事」が転じて「エートス」と呼ぶようになり、「約束事」がマナーとなり、道徳となり、「エチカ」になった、のだと思います。

「いつもの場所」のみんなで決めた約束事は脆弱です。
使う人が「守る」ことで維持できるし、「破る」ことで台無しにもなる。
上が押し付ける「規則」ではなく、みんなの「約束事」だから「守る」。
そう思い至って、やっと「ルールを守る」という表現が腑に落ちました。

だけど実際はどうでしょう?「規則を守る」=「規則に従う」の感覚が強いし、規則は脆弱だから”守ってあげなきゃ”という感覚もありません。

そこで次回は、なぜ私たちの脳は規則に従うのか考えたいと思います。

それではまたね。

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