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公徳心(12)道徳性発達段階5-規律的な良心

道徳判断基準シリーズ、もうちょっとで終わります。

段階 5 規律的な良心(成人早期)
法を人間尊重という視点から客観的に見ることができる。人間尊重が道徳判断の基準となる。人々のために社会システム(社会制度や社会組織)は存在するのであり、その逆ではないということを理解する。法律が人々の権利を保障するという意味において法を重んじる。前の段階4では、自分の地域社会や国が継続するために果たすべき自分の義務を意識するようになるが、段階5では人間であるとはどういうことかを意識するようになる。自分の道徳判断が自分の属している社会組織を継続していくのに役立つかではなく、人々の尊厳や権利を尊重できているかが重要とされる。
段階4も段階5も規則や法を重んじ、家族や地域社会や国家の継続に尽くそうとする行動では差異が見られない。しかし、段階5では自分の属している組織が間違っている場合でも道徳判断を客観的に行える判断力が獲得される。正当な理由があれば、規則は変えていくべきものと考えられるようになる。

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段階4と異なり、段階5では規則に従う本人が規則を自分のものと考えている。

規則の責任を自分ごとと考え、社会に本当に適したものか批判的な見方ができる。規則が完全無欠ではなく欠陥があってもおかしくないと理解し、不適切ならば改訂すべきと考えられるレベル。

規則を主体的に捉えているため、異なる行動を取る他者に対して強行的な行動で対立するのではなく、理知的な対話による解決に努めることができる。

「ルール?オイシイの?」という段階0。
「偉い人が決めたんだから従わないと!」という段階1。
「従ったほうが得だから従おう」という段階2。
「従って褒めてもらおう」という段階3。
「社会人の義務として、そう行動しよう」という段階4.
「社会のルールだけど改良すべきかも?」という段階5。

段階5になって初めて社会の課題を自分事として考えられるようになる。「一人は万人のために、万人は一人のために」を理解して、何事にも主体的に取り組むようになる。理想を目指して自己改革を楽しみ、実のある企画を次々と発想する。そして活力がほとばしり、同僚に尊敬されるようになる。

ここまでくれば自立した社会人と見ることも可能。

次号は道徳判断基準の最終段階です。


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