【レビュー】8番のブライス PSM第3戦 レアル・ソシエダ - オサスナ
2度目のジャパンツアーも無事に終わり。全5試合のプレシーズンマッチは早くも3戦目を迎える。
オサスナは昨シーズン11位。毎年10位前後をキープしており、とても安定感のある中堅のクラブ。先日のアラベス戦に続き、新戦力を試す場としてはレベル的に申し分ない。
また、移籍市場も中盤に差し掛かり動向が活発になってきた。
(今回は移籍に関してちょっとだけ口出してみようかと思います)
コンディション
ユーロ、コパ組(レミーロ、スビメンディ、メリーノ、オヤルサバル、アランブル)は引き続きお休み
オリンピック組(パチェコ、トゥリエンテス、セルヒオ・ゴメス)もやっぱりお休み
怪我によりバレネチェア(左内転筋)とザハリャン(右足首)がお休み
ザハリャンは開幕にも間に合わないっぽいとのこと。昨シーズンもコンディションが整わないことが多かっただけに心配。
スターティングメンバー
前半
PSM初戦アラベスとの試合ではパブロ・マリンだったところにオラサガスティが。
後半〜終盤
試合結果
1ー2
得点:ゴティ
練習試合のため、その他スタッツはなし。
ブライスは何番なのか?
10番のブライス
サッカーではポジションを番号で表すことがある。「ソシエダは9番いないのがなぁ」と言われればセンターフォワードの不在を意味する。
4-3-3の中盤、インテリオールは8番と10番に当たる。
この2人は試合前のフォーメーション図などでは同列に並べられているが、実際にはそうではない。
攻撃と前線でのプレスを担うブライスが10番。攻守どちらの局面でも積極的に関わってくるメリーノが8番というような役割の違いがある。
それゆえに10番のブライスはメリーノよりも前にいるのが普通だ。
だが最近のブライスはおかしい。
8番のブライス
この試合、前半8分のシーン。
右サイドバックの位置にいる。
続いて前半10分。
今度は左サイド。
この後も両サイドで下がって受けるシーンが多く見られた。逆にオラサガスティは常に前めのポジションを取っている。
そういえばPSM1戦目、アラベスとの試合でもブライスはサイドの低い位置で受けていた。相手ディフェンスラインの裏を取るような動きを度々見せていた相方のインテリオール、パブロ・マリンの姿も印象に残っている。
ここ数試合、ブライスの役割は明らかに10番ではない。
メリーノの移籍に備えていた?
過去のnoteをあさってみたら、ちゃんと書いてあった。
この時はトラオレの方を注視していたが、改めて見ればブライスが今回のオサスナ戦と同じ動きをしていることが分かる。気付かなかった。
そういえばメリーノがずっと契約更新しないでいたのだから、コーチ陣はメリーノが抜けた場合を常に想定していたはずだ。
その対応策の1つが、ブライスの8番化ということで間違いないだろう。
メリーノという8番
事はそんな簡単な話ではない
今後はブライスがメリーノの役割をします、といって出来るものではない。まず、メリーノの能力が突出していた。
バレンシア戦のレビューでも書いたが、メリーノは替えが効かない。
特に高さとキープ力は、ソシエダの大きな武器となっていた。
ちなみにここでのキープ力とは、久保やバレネチェアのようにボールを収めてドリブルできることではない。背後から来る相手ディフェンダーのプレスにもボールを奪われず、味方に上がる時間を作れることを指す。
一般にプレス耐性と言われる能力で、8番には必須とも言える。
ブライスにはキックの上手さや前を向いてのプレーに強みがあるわけで、高さとプレス耐性を求めるのはたぶん違うと思う。
移籍の話
足りない戦力を補うための移籍市場
さて、ここからは移籍の話になる。
この記事を書いている最中に、ちょうど新加入の選手が発表された。
クロアチアのスチッチ。(実はメリーノの正式発表はまだ)
ルカ・スチッチ (Luka Sucic)
2002/09/08 (21) 左利き CMF 185cm
昨シーズンはザルツブルクで32試合に出場。5ゴール9アシスト。
まず、8番タイプを獲得してくれたことに心から安堵した。
噂に上がっていたカルロス・ソレール(PSG)も、ハメス・ロドリゲス(無所属)もアルダ・ギュレル(マドリー)も揃って10番タイプだからだ。
なのでハビ・ゲラ(バレンシア)でも良かった。クバルシの兄貴みたいな顔も好きだし。
とにもかくにも、純粋な8番を獲得できたことは大きい。
高さをどうするか
高さは9番で補ってしまうのが手っ取り早い。
23-24シーズン中さんざん言われた9番問題は依然として残ったままなので、同時に解決してしまうという手はある。
目下、交渉が進んでいるというマジョラル(ヘタフェ)は決定力に優れたストライカーではあるものの、高さと強さを活かしたポストプレーを得意とする選手ではない印象なので、どうなるか。
引き続き楽しみだ。
こんな選手いかがでしょうか
以下、蛇足。
昨シーズン、苦しんで苦しんでなんとか6位でEL出場を掴んだソシエダ。ではなぜこんなに苦しんだのか。その答えのひとつには当然9番問題がある。つまりは得点力不足。そしてもうひとつ、勝ちきれないことが原因だったように思える。
ソシエダの戦術は高いプレー強度と運動量を強いられる。それゆえに終盤でガス欠を起こし、展開がオープンになり格下にもやられる。あと数分耐えれれば勝ち点3だったのに、という試合を勝ちきれていれば、もしかしたらCLも狙えたんじゃないかと思えてならない。
なので、クローザーを補強してはどうだろうか。
分かりやすく言えば22-23シーズンのイジャラメンディ的プレイヤー。終盤に攻守のバランスと展開をコントロールし、試合を締めれる選手。
実は今、移籍市場にそんな選手が1人いる。しかも移籍金なしの超格安。
名はセルジ・ロベルト。
言わずと知れたバルセロナのレジェンド。下部組織出身のワンクラブマンで元主将。公式戦通算343試合に出場した。だが、去年は大幅な減俸を受け入れた上で1年の契約延長。そして先月、その契約が切れた。セルジ・ロベルト本人は再契約を目指して他のオファーを断っているそうだが、バルサはバルサで他の移籍を優先している様子。
バルサ出身の選手はバルサと当たらないよう、ラ・リーガ以外のリーグへ移籍する傾向があるが、近年のバルサフロントの振る舞いを見ていると、そんな義理立てすることはないんじゃないかと思えてならない。
バルセロナにこだわらず、ぜひソシエダにいかがでしょうか。まだまだできますって。
噂で良いのでそんな話が聞きたいもんです。
〈了〉
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