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【社会起業家インタビュー#6】「企業・起業」を支援する事で、地域経済の向上に寄与する ~株式会社ローカルベンチャールーム 富田安則さん(前半)

こんにちは!ソーシャリアです。

少し前回のインタビューから時間が空いてしまいましたが、ソーシャリア社会起業家インタビュー第6回は、「株式会社ローカルベンチャールーム 富田安則さん」にインタビューをさせていただきました。

熊本地震を契機に、「『企業・起業』を支援する事で、地域経済の向上に寄与する」べく、地元熊本に戻りローカルベンチャールームを設立した富田さん。

今回のインタビューも是非、ご期待ください!

インタビュー前半の模様は、Youtubeでも公開されておりますので、是非ご覧ください。

会社紹介

【水本】それでは、本日のゲストのご紹介をさせていただければと思います。本日のゲストは、「株式会社ローカルベンチャールーム」代表取締役の冨田安則さんです。

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【水本】今までのご経歴といたしましては、熊本日日新聞社に入社をされて、その後リクルートでキャリアを積まれ、最初はコピーライターの仕事をされていながら、その後経営全般に携わる仕事までリクルートの中でされております。

【水本】また表彰といたしましてはこちらに記載をさせて頂いておりますように、多くの賞を受賞されている方でございます。
そんな富田さんのローカルベンチャールームの「解決したい社会課題と企業理念」についてご紹介させていただきます。

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【水本】「解決したい社会課題」といたしましては、「起業家の孤立をなくすことで地方都市での起用を量産していく」。また企業理念といたしましては、「『会社の起業』と、『個人の起業』を支援することで地域経済の向上に寄与する」ということで、「外部から支援する顧問コンサルティング事業」と、「内部から支援するグループ経営事業」の二つの事業を展開されております。

【水本】そんな富田さんに本日、インタビューさせて頂きたい内容としては、大きく3点でございます。

【水本】まずは、「どの様に思いを育んだのか?」ということで、主に「起業前」の部分について、今までの歩みを振り返りながらインタビューさせていただければと思います。

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何をするかは決めずに、東京を離れて、九州に戻ることを決意

【水本】一番最初にお伺いしたいのは、記事から少し抜粋をさせていただいたのですが、「無の環境でキャリアを捨てて思考と志向をデトックス」というところで、2016年に起きた熊本地震をきっかけに自身のキャリアを考えられて、九州に帰る決断をされた、とのことですが、もしよろしければ当時のことでしたり、その時のエピソードを共有いただきたいなと思ったのですがいかがですか?

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【富田さん】はい、ありがとうございます。改めまして富田と申します。
私の方からこのあたりの経緯を少しお話させていただこうと思います。

【富田さん】まず、この2016年の4月の時というのは、私の仕事とプライベートの環境でいうと、会社の中でその時「執行役員になっていた」という状況と、「家族と離れて単身赴任をしていた」というのがあります。

【富田さん】14日というのがですね、確か木曜日だったかと記憶していますが、木曜日の夜9時ぐらいに、自宅に帰っている途中に家族から電話があって、「地震が大変だ」と、家族全員、マンションに当時住んでいたので、出てきて、近くの公園にいるという電話がありました。

【富田さん】心配ではありましたが、311を東京で経験していたというのもあり、ひとまず「何かあったらまた電話が欲しい」と話し、その日は終えました。

【富田さん】ちょうどその週の週末に、私が熊本に帰るタイミングだったので金曜日の夜に熊本に戻りまして、その日の夜中に本震が来たという状況でした。

【富田さん】そんな中で避難所に行ったり、そこで少しずつ落ち着いていったときに、当然東京に戻れない状況になったので、会社の方からはしばらく戻らなくてもいいよと、言っていただいたのですが、逆に4月末ぐらいになったときに当時の上司である社長から「不安だったら、家族全員東京連れておいで」と言っていただきました。

【富田さん】しばらくそうやって東京の方に疎開しといたらいいじゃないかという風に言って頂いて、なんか本当にありがたい言葉だったのですが、逆にそこで、「離れたくない」という自分の気持ちに気づいたんですよね。

【富田さん】そこからずっと考えていくうちに、「東京で住む」とか、「家族と離れて暮らす」ということに対して、今までなんとも思っていなかったのですが、その瞬間から「それは良くないことだな」っていうふうに感じるようになりました。

【富田さん】会社の方は、事情を理解してくれたので、実は2016年の5月から2年間にわたって、経営しながら全部リモートでやっていました。

【富田さん】おそらくコロナが始まる前なので、すごく珍しいけど、グローバル企業であったので、考えてみると外国のボードメンバーもいたりしますし、時差とかもあるし、リモートの会議って、当たり前にやっていたので、それをチャレンジするきっかけにもなるし、メンバーのためにもなるだろうということで、2年間リモートにさせてもらっていました。

【富田さん】ただ、今と違って、そのときは自分だけがリモートなので、経営するにしても、業務を遂行するにしても、1人だけ離れているという形なので、結構やりづらいというか、うまく機能させられないというのもありましたし、九州に戻って家族と住んでるけれど、朝9時から夜9時まで一歩も部屋を出ないという状況なので、一緒に住んでいるのかよくわからないという状況でした。

【富田さん】そのような状況になっていたので、いろいろゆっくりと考えて、「家族と一緒に暮らそう」というのと、それを九州でやろうというのが先に来たというのがありました。

【富田さん】この時は起業する気もなく、その先のキャリアをどうするかも一切考えておらず、とりあえず「今の環境から離れて九州に戻って家族との時間を過ごそう」というそれだけの理由で、退職したというのが経緯です。

地震を通じて、地方の人間的、精神的に優れている部分を改めて実感した

【吉岡さん】先ほどの地震の話で、私も九州出身で、大分県なのですが、九州の人って、台風とかはよく来るんですけど、大きな地震を経験してる人ってほとんどいないんじゃないのかなと思っていて、東京で地震が起きたときに比べて、熊本の際は、急に来た本震に対して、皆さんがちゃんと対応できたのかなっていうのが、素朴な疑問なんですが、そのときのパニック具合というか、当時どんな感じだったのでしょうか?

【富田さん】これは九州に戻ろうと思った1つのきっかけにもなったのですが、311のとき東京で何が起きてたかというと、みんな電車が止まってしまい、コンビニに数日間何もない状態があったんですよね。

【富田さん】要は公共交通機関は止まり、スーパー・コンビニから物が消え、みたいな形で我先にと言うか、みんなが自分の生活を確保するという状況だったんですよ。

【富田さん】九州も当然みんなパニックになっていました。コンビニにも、少しづつ物が入ってくるときは、例えばおにぎりが50個だけ来るとか、そんな感じなんです。その両方のシーンで当たり前に行われていたのが、行列の中で、子供と高齢者をみんな前にやるんですよ。

【富田さん】コンビニで5時間並んだにもかかわらず、後ろにいる子供とか高齢者はみんな前にやって、結局自分は買えないというのが、誰も何も言わず当たり前にされていたので、そういう意味でいうと、パニック度合いは一緒ですが、言動とか、人に対するあり方が、熊本と東京でこんなに違うんだっていうのは結構感じました。

【富田さん】別に東京の考えが間違ってるとは思っていなくて、ローカルの地方都市の遅れとか、色々経済的に不足していることもあるのですが、逆に言うと、そういう人間的な部分とか、精神的な部分で優れている部分とか、本当に「住みやすさ」「居心地」を提供しているカルチャーみたいなものはすごいなと思って。

【富田さん】そういうのがあるので、多分うちの家族も地元がいいと思ったんだろうなとか、改めてそういった所で自分が育ってきたんだなというような感謝の念が出てきました。

退職後、充電期間を経て「ボーダレスアカデミー」へ

【水本】2016年に熊本地震が起きてから実際に起業する2019年までの、3年間色々考える中で、もしかしたらたまたま出会ったのかもしれないんですけど、このアカデミーと出会ったきっかけというのは、どういった感じだったのでしょうか。

【富田さん】まず、2016年の地震があり、そこから2年間はリクルートにいたので、リモートではありますが、フルで会社の仕事にコミットしてたので、実際には2018年の4月に前職を辞めています。

【富田さん】最初の半年間は、本当に何もしていないです。家を建てたばっかりだったので家のことやったりとか、家族と遊んだりとか、もうそれだけです。

【富田さん】半年ぐらい経つと、やることがなくなるんですよね。
それで、何かないかなと思って最初に行ったのは実はプログラミングスクールです。

【富田さん】プログラミングスクールに行って、「こういう世界があるんだ」と「面白いなあ」と思ったりとか、学習意欲が再び湧いてきたっていうのがスタートです。そんな中で、この九州で何か学べることや面白そうなことはないかなと思っていて、検索でボーダレスアカデミーに出会いました。

【富田さん】ちょうど、ボーダレスの1期生の募集があって、当時はリアルの説明会もやっていました。社長の田口さんの説明会に参加して、ボーダレスグループってこんな会社があるんだっていうことを、そこで初めて知りましたし、どういうスキームで会社の運営をされてるっていうところの概要を聞いて、それは「あまり聞いたことないから面白そうだなあ」と思って行ってみようと思ったのが、実はスタートです。

【富田さん】当時から「地方のために何かしよう」という思いがありました。自分のキャリアからすると、「経済活動に対する貢献」が一番キャリアとして生かしやすいかなと思いましたし、何より自分がローカルで起業するのであれば、ちゃんと儲かる世界にしていきたいというのもありました。ビジネスモデルは最初全然違うものだったんですよ。

【富田さん】どちらかというと「事業承継」をテーマに考えていました。
ビジネスモデル自体は、二転三転しながら変わっていった部分はありますが、「ローカルの経済に対してどうやって貢献できるか」というところは、軸としてあったので、その思いを田口さん含めて、皆さんに伴走していただいて、修了することが出来たという意味では、自分にとって非常に良い場だったと思っています。

終わりに

今回のインタビューも如何だったでしょうか?

「何をするかは決めずに、東京を離れて、九州に戻ることを決意」

東京でのキャリアをリセットし、地方で新たな挑戦をする姿が印象的でした。環境、文化、人の温かさ等、地方には魅力的な部分は本当に多いです。

そんな地方の良さを生かしながら、どの様な魅力的なキャリアの場が生み出されるのか想像するだけでワクワクしたインタビューでした。

後半は、いよいよ起業後の話について伺います。地方で起業する起業家同士が支える仕組み」である、「ローカルベンチャーアカデミー」について深堀します。

次回も是非、ご期待ください!

<運営メンバープロフィール>
【水本】社会起業家養成所ボーダレスアカデミーにて社会の為、周りの為に奮闘する社会起業家とそれを目指す人達に魅せられ、本取り組みを開始。
また休日は3児の父として子育てに奮闘中。


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