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【社会起業家インタビュー#5】スモールソーシャルビジネスを乱立させるための基盤づくりに挑戦 ~株式会社SHIRO 南翔伍さん(後半)

こんにちは!ソーシャリアです。

ソーシャリア社会起業家インタビュー第五回後半は、「株式会社SHIRO 南翔伍さん」です。

前半のインタビューでは、幼少期の体験から社会問題に向き合い、学生時代からNPOや団体の立上げ、そしてソーシャルスタートアップでの経験を中心に伺いました。

後半では、「スモールソーシャルビジネスが乱立されるための基盤づくり」に取り組む姿について迫っていきたいと思います。

インタビュー後半の模様は、Youtubeでも配信されておりますので、宜しければ是非ご覧ください。


ソーシャルビジネスプランの「策定」と「起業」には大きな壁が

【水本】先ほども少し出てきましたが、「優しい社会変革者であふれる社会」を目指して三つのサービスを提供するというところで、Re:melosマガジン、ブリッジデーターベース、アカデミーの三つのサービスを現在展開されているというところでございます。

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【水本】このサービスの立ち上げの背景だったり、きっかけも踏まえて伺っていきたいなと考えております。

【水本】まず一つ目。「優しい変革者であふれる 世界を目指すWebメディア」という、noteの方で記載されていた「優しい社会変革者であふれる社会になるまでの歩み」というところで、七つのステップを挙げられていましたが、実はソーシャリアとして活動している部分の考えとすごく近しく、同じようなステップで向かっていきたいなというところがあったので、ここの部分を少しお伺いしたいなと思ってます。

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【水本】ここでちょっとお伺いしたいのは、この5と6の間ですね。どのように埋めていくのかというところで、南さんのお考えだったりだとか、「こういうことを意識して、メディアを運営していこうかな」とか、そのようなお考えがあったら、ここも合わせてお伺いしたいです。

【南さん】5と6の間という話ですと、何か今後5に対するプロダクトを作っていこうとしているのですが、とはいえそのプランがあったとして、実際行動を起こすというのは確かになかなかハードルが高いといいますか、億劫になるようなときも、あるなあとは思うんですけど、日本が多分その社会起業の前に、そもそも起業する人が少ないという話があると思うんですよ。

【南さん】確か、ちょうどアメリカのデータが出ていたと思うのですが、起業の割合が少ないという状況で。少ないことが必ずしも悪いというわけでもないと思うのですが、そういうデータがありました。

【南さん】まず思うのが、何がハードルになるかっていうところを、実際やってみた人なり、そういったものを研究されてる方とかが、きちんと見える化しなければいけないのでは、とは思っています。

【南さん】私で言うと、もちろん「資金面」と、人によっては同じような思い、ビジョンを見てるような人となかなか出会えないという「ネットワーク」みたいな面など、いくつか障害の要素はあると思うのですが、その障害の1個1個の要素を潰せるような国の制度とかも作っていかないといけないと考えていますし、それが国の制度に限らず、プロダクトで作っていく必要があると思っています。

【南さん】まずは「要因の見える化」を5と6の間ではしないと、結構難しいとは思ってはいます。なので、まだ私自身もこの5と6の間に関してはつまずいている状況です。

【南さん】5の場合に関しては、そもそもソーシャルビジネスプランを考えることがお金に変わるっていうところを、これから作っていこうと思って動こうとしています。

社会課題に対するPBL型のプラットフォームを構築したい

【水本】ビジネスプランをお金にしていくっていうのは具体的にどのようなことを考えられたりしているのでしょうか?

【南さん】まだまだ妄想段階ではあるのですが、PBLというプロジェクトベースラーニングのようなものが、大学や高校で取り入れられ出してはいるのですが、Web上の中で、例えば私自身が、「貧困世帯で暮らしてる中学生の学習の課題」に対して、ビジネスなどで解決したいというようなテーマのプロジェクトを立ち上げて、それに賛同した人たちが、3から5名ぐらい集まって、その集まった人たちでビジネスプランを作る。

【南さん】そのプロジェクトのゴールは、「ビジネスプランを生み出す」というのがゴールであり、プロジェクトが乱立するようなプラットホームを作ろうと思っております。そのプランを作った後の出口でいくと、どこまで実現できるかはわからないのですが、プランを実行する場合と、実行しない場合で分けています。

【南さん】実行しない場合でいうと、M&Aみたいにアイディアを売る。中々、出てくるアイディアの完成度は、バラバラだと思うんですよ。ビジネスモデルキャンバスの項目が埋まってるぐらいのビジネスプランもあれば、PLや事業計画を作り切っているようなアイディアが出てくることもある。アイデアの完成度に応じて売れるということをまずやりたいと思います。

【南さん】実行する場合で行けば、そのプランを実行するのに資金を集めてクラウドファンディングをするっていうような話だったり、企業のスポンサーを集めるというような話だったり。アイディアの出口となるようなプラットフォームを作って、つまるところは「プランを作ること」=「お金に変わる」というのを目指そうとしているような感じですね。

ビジネススキルと”やさしい”気持ちを持った「やさしい社会変革者」を増やしたい

【水本】南さんが考えられてる「優しい社会変革者」って具体的に「こんな人だよ」というのがあれば、ぜひお伺いしたいです。

【南さん】「こんな人」という、具体的な例えとなるような人がぱっとは出てこないんですが…。社会変革者っていうと僕の中では、坂本龍馬とか、明治維新のサムライ達が出てくるんです。

【南さん】あれぐらいの熱意があって、国も変えてやろうみたいな人たちに、当時の貧困世帯に生まれた中学生が会ったときに、本音を言わないだろうなと思うんですよ。

【南さん】気持ちに対して目を向けられるような温かい気持ちを持ってる人が、ここで言う「優しい」に含まれているのですが、とはいえ、優しい気持ちだけでは何も社会問題解決できないというのを僕も痛感しました。

【南さん】思いだけではなんともできないなというのを痛感することが多かったので、優しい気持ちだけじゃなくて、きちんと社会を変革できるくらいの、「ビジネススキル」なり、何かしらのスキルというものも必要だと思ってるので、そのスキルと優しい気持ちを持ってる人を、「優しい社会変革者」と僕の中では思っています。

Re:melosブリッジDBで、ソーシャルセクターの協働事例をオープンにしたい

【水本】特に興味を持ったのが、一番最初に南さんにお声掛けさせていただいたのが、このブリッジDBです。

【水本】これを作ろうと思ったきっかけや、立ち上げの思いなどを教えてください。

【南さん】今までビジネスをやってきて思うことが、「あの時、こういう組織と連携できていればここまで苦労することはなかったんじゃないか」とか、「より困ってる人に対してサービスを届けられて、少しでも力にはなれたんじゃないか」と思うことが結構ありました。

【南さん】結論、その「1社」で。「一つの会社で」、「一つのNPO」「一つのNGO」だけで問題を解決しきるっていうのはかなり困難だなと思ってます。

【南さん】もっと情報がオープンにされない限り、この社会問題領域でも新たなモデルが生まれるっていうのが、難しいんじゃないかと思ってるので、まずはそこの協働事例を、色んな分野とか、パターンとかいくつかあると思うのですが、そういったパターンに応じて、過去に行われているような協働事例を探すことができて、そこで自分たちに合った協働って何がいいんだろうっていう、ブレインストーミングができるような使い方をしてもらいたいなと思って、作り始めました。

【南さん】協働先を探すときに、色々とヒアリングしていると、「信用できるかどうかが分からない」というような話を聞きます。

【南さん】例えば、企業がNPO探してるときの話ですが、「信用できるかどうかわからない」と言われるので、「じゃあ何があったら信用できるんですか?」って聞くと、「過去の協働事例の有無」が信用できると思われる要素の一つではあるというのが、若干見えてきたので、まずは色んな組織を探せるようにしようかなと思って作っています。

スモールソーシャルビジネスが乱立されるための基盤作りに挑戦したい

【南さん】最後3点目。南さんの今後の展望と、社会課題の解決に一歩踏み出せない人に、ぜひ一言お願いします。

【南さん】今後の展望でいきますと、社会問題に限らず問題解決の手順として、まず「問題発見」→「要因分析」→「ソリューション」→「実行ステップ」という段階があると思います。これらの各ステップに応じたプロダクトを作っていく予定です。

【南さん】この各ステップに応じたプロダクトを作っていって、スモールソーシャルビジネスが日本各地に乱立され、利益が生まれる形で問題が解決される、という成功事例を日本の中でどんどん増やしていくための基盤を作っていきます。

【南さん】その基盤が出来上がったとき、いろんな成功事例が生まれていると思うので、その成功事例を基に海外に対して、例えば今の日本が経験しているような問題を、これから味わう国とかも出てくると思うので、その国に対して、そこで生まれたような成功事例をもとにサポートしていく。今後、この領域において、世界の中で日本がソーシャルビジネスの成功モデルになれるようにしていくっていうところが、今後の野望です。

おわりに

今回のインタビューも如何だったでしょうか?

学生時代から現在まで一貫して、「社会問題をビジネスで解決する」ことに向き合ってきた、南さんですが、長年、現場で対象者に向き合ってきたからこそ出来るプロダクト開発があると、強く思いました。

今後の南さんの活躍に期待するととともに、今後もソーシャリアも一緒に何か出来ることがあれば、お力になれればと思いました。

<運営メンバープロフィール>
【水本】社会起業家養成所ボーダレスアカデミーにて社会の為、周りの為に奮闘する社会起業家とそれを目指す人達に魅せられ、本取り組みを開始。
また休日は3児の父として子育てに奮闘中。

【平良】新卒後は製薬会社のMRとして勤務。その後、医療系広告代理店の企画、製薬会社のMSLを経験。現在は一児の父として育児休業中。MBA専門のコミュニティー「MBA交流クラブ」の代表。

【吉岡】社内・社外問わず色んな人と繋がりを持ち、面白い活動やネットワーク作りを探求中。ペット関連サービスで起業した獣医師の事業立ち上げ支援や、社内のパラレルキャリアコミュニティーの企画メンバーとして活動中。

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