偏見だらけの大学ネットガイド 〜大学一年・弊学の場合〜

 さて、そろそろ弊学(ツイッターから見た人は自分の大学がどこかわかるだろう)では入試も一部は終了し、ツイッターでは #春から〜 のタグをつけて同級生と仲良くなることに勤しむ新入生の姿が見受けられるようになる時期になってきた。基本的にこのタグをつける人は「陽キャラ」がメインなのだが、その中には、おそらくなんとかぼっちは回避したいと、このタグをつけ友達獲得を図る自分のような陰キャラな学生もいることだろう。きっと。そこで、今回は新入生向けに、弊学の大学(特に一年生)界隈の一年を観測した様子について、偏見をたっぷりと含めながら話していきたいと思う。

春からタグをつけることの意味

 春からタグをつけることによって、他の新入生に発見されやすくなり、入学前にある程度ネット上で交流関係を持っておくことができる。「大学界隈」への参入である。実際、入学後に認知されやすさは格段に上がり、しばらくは陰キャラでもある程度人間関係を保てるだろう。特に前期は大学の授業数が少なく、また皆がみんな連絡先を持っているわけではないと言う都合上、集まりの約束や人間関係の推移がツイッター上で行われやすく、TLをきちんと追いかけていれば情報や交友には困らない状態が続く。だが、後期に入るとそれぞれの人間性や現実での社交性が露呈し、サークルや授業のつながりなどである程度グループができてくる。ゆえにツイッターの使用理由もなくなり、そもそもTLから人が減ってくる。春からタグをつけることで効果が出るのは最初だけであり、結局大学での最終的な立ち位置を決めるのは現実での行動次第なのだ。自分もハンドルネームで春からタグをつけて、その特異さ(大学垢は大体の人が本名や渾名で登録している)が話題になってしまって調子に乗っていたが、「プリントを貸してもらえるくらいの友達」はある程度できても「遊びや旅行に誘える友達」は結局指折り数えるくらいになってしまった。(完全に自業自得だが)逆に言えば、「プリントを貸してもらえるくらいの友達」には恵まれるので完全ぼっちのように全く情報が入って来ない状態は避けられると言うことか。事実、この情報共有によって何度か助けられている。

自分の大学垢運用・大学生活の失敗についてはまた別にnoteに纏めることにする。

大学界隈の一年

①界隈形成期(2月〜4月)

 ・春からタグをつけて新入生同士でつながる。

 ・様々な新入生に積極的に声をかけたり入学・履修関連の情報を共有したりして入学前からいい意味で目立つ人が何人かいる。

 ・他学部他学科の人間とも積極的に絡む。だが他学部他学科の人とはサークルや一部の講義でもない限り基本関わる機会はないので現実で会えて数回である。

 ・ハンドルネームで参加したり、特異な発言をしたりすると「謎の存在」として結構話題になる。

 ・新入生を助ける先輩方が一定数おり、先輩方も取り込んでその年の一年生の界隈が形成されていくことになる。一方で、イタズラで新入生に擬態する先輩方も毎年いるらしい。

 ・誰かの手によって大学の同学年単位や学科単位などでグループラインが作られるが、入学後はほとんどまともに機能しない。大学ではそれぞれ履修する授業が人によって異なるので、大勢に聞いても仕方のないことが多いからだ。それとも、自分が陰キャラすぎて省かれてるだけで、本当は毎日楽しく会話しているグループラインがあるんですか?(疑心暗鬼)

 ・入学式・オリエンテーションでは「エンカ」と呼ばれる行為が必ず発生する。DMやリプライなどで「いついつ会いませんか?」と約束を取り付け大学内外で出会う行為だ。特に初日のオリエンテーションや入学式後では、正門前や入学式会場入口などに同学科の人間が多数集まる「集団エンカ」が行われ、アカウントを合わせて自己紹介をすることになる。

 ・初日のオリエンテーションではクラスが振り分けられ、皆何組だったか、誰が同じクラスなのかを気にするが、クラス単位で何かが行われることは少なくとも弊学科ではないので意味がないものである。

 ・一方で、(特に弊学科では)高校時代から大学レベルの勉強に取り組んできたような熱意ありありのアカウントがいくつか見受けられる。彼らがこのような入学式前後の会合に参加することは少なく、後々に個別に出会ったり関わったりすることが多い。暫くして、真面目な学生も真面目な学生で(ドロドロした)独自の人間関係を築いていくことになる。

②ツイッタラー界隈期(5月〜7月)

 ・エンカが最盛期になる。大学内で会うものから、どこかに出かけるものまで多岐にわたる。「オフ会」のようなものを主催して色んな人への参加をツイッターで呼びかけることを定期的にする人が何人かおり、主催者は情報交差点になりがちである。

 ・#いいねした人への印象を語る や #今ならなんでも質問に答えます  のような他人と関われるタグが流行する。便乗してみんなやり出す。

 ・ツイート更新頻度、特異さや先述したエンカ・オフ会などの行動によって界隈の中での知名度が固まり、「弊学ツイッタラー有名人ランキング」のようなものが作られる。まるでちょっとしたネット上での界隈が大学で再現されるのだ。自分はここで「勘違い」して調子に乗った。

 ・ツイッターで人間関係模様を知る。先輩方の人間関係にヒヤヒヤしたり、この時期に早くも彼氏彼女を作った人たちの動向などを気にしたりする。何故か大学垢の人間は空リプが大好きなので、え、この意味深な投稿は何?と思ったら他のフォロワーとの会話であるといったことはザラである。人に見せたいとしてもリプライで良いのでは?と思うがこれも文化だ。

    ・ツイキャスをやる人が結構いる。身内前提でグループ通話ライクに使う人から、中には毎日やって配信者みたいになる人までいる。勿論後期には誰もやらなくなるけどね。

 ・いいねを稼ぎやすいネタは大学あるある、オフ会の誘い。

 ・質問箱最盛期。質問箱については後述。

 ・試験期間には、同級生と試験情報を共有したり、先輩方から試験のアドバイスが貰えたりする。

 ・この頃から、自撮りアイコンのキラキラしてそうな人たちが次々に消えていく。

③夏休み

 ・前期を経て現実での人間関係も固まり親しい友人もでき、ツイッターを経由せずに遊びや旅行の誘いが行われるようになる。大学であった系のネタもなくなるので、皆のツイート頻度が減っていき、次第に大学界隈は廃れる。しっかり友達を作りグループに属せていたのか、ただ単にツイッター上で鳴らしていたためにエンカが多かったのか、明暗がはっきり分かれる。

 ・オタクを自称していた人たちのアカウントの更新が止まり始める。鍵垢率がどんどん高くなる。単に人間関係が充実してツイッターをやる理由がなくなったり、あるいは質問箱の誹謗中傷などに疲れてしまったりと、理由は様々であるが・・・。

   ・女子学生に多いといえば偏見が過ぎるが、病みツイートや怒りのツイートの投稿が目立つアカウントが増える。あとは(これは男子学生が多いかも)政治的発言が増えたり、自分の性遍歴について語ってみたり。

④後期(9月〜)

 ・廃れる。もはやツイッター上では誰々がどこに行ったかくらいしかわからない。

 ・前期では面白いと話題だったアカウントの最後の投稿が数週間前であることがザラ

 ・真面目な学生のアカウントは最後まで残り続けることが多い。比較的オタク気質な人たちが集まるからだ。春からタグにも参入せず大学界隈にも不干渉を決め込み、気があう人としか関わってこなかった本当にネット垢のようなアカウントが当たり前のように生き残り、TLを占め始める。彼らは自分のように下手に大学界隈に混じってしまった陰キャラと違い分を弁えているので、ヘイトを買いづらいのだ。彼らは次の春からタグもからかう程度にしか関わらない。

・自分のように大学界隈には関わったが現実での交友に満足に入れなかったような人も、だんだん投稿をネット民ライクなものに変えながらしぶとく残り続ける。最早ツイッターにしか現実に僅かでも繋がる居場所がないので。

 ・いいねを稼ぎやすい投稿は食べ物や景色の写真。これではまるでインスタだが、それでもかつての普段の投稿についていたいいね数には及ばない。

 ・そんな時、陰キャラ渾身の投稿でやっとついたいいね数を陽キャラ鍵垢が久々にした些細なツイートが抜かしていく。もはやツイッターでのいいね数も大学での人間関係や信用に準拠するのだ、虚しくなりますよ。

 ・そして、次の新入生が入り、①へ・・・ ここまで来れば分かっただろう。新入生が使うタグをつけサークルの勧誘でもないのに積極的に新入生に絡む先輩方の正体が。真面目な学生か、あるいは自分のような・・・。

質問箱について

 今年も流行るのかわからないが、去年のこの界隈では「質問箱」という匿名で自分への質問が届き、ツイートでそれに回答できるというサービスを猫も杓子もやっていた。確かに、質問に答える形式で簡単に自己紹介できたり、楽にツイート更新数を増やせるという便利な側面もある。だが、あのサービスは、運営が高い頻度で質問を自動配信しており、どうでもいい質問の大半は誰かの質問ではなく運営によるものである。(一応設定で配信を止められるが)では、運営以外の一般人が投げてくれる質問はどのようなものが多いか。質問箱を皆が始める頃には、「仲良くしてください!」「今度会いたいです!」のような質問が多く入る。だが正直匿名なので誰かわからない。結局は何の意味のないものだ。

 あとは誹謗中傷やからかいである。単なるいたずら心やちょっとした悪意である場合も多いのだが、人間必ずどこかでヘイトを買っているものである。自分のような陰キャラが下手に色々な人に関われば尚更だ。また、つい物申す系のツイートをしたり、学歴や政治など人の神経を刺激するようなことを言ったりしてしまった日には質問箱にいくつかお怒りが来る。そのような質問に疲れ質問箱やツイッター自体をやめた人を何人か観測している。匿名であることを利用して悪意ある書き込みを投げかける人を「文句があるなら直接言え!卑怯者!」などと罵っていた人もいた。気持ちは十分わかるが、自分はそうは思わない。わざわざ怒りや不満を一年も関わっていないような人に直接伝えたい人なんて少ないし、匿名であっても人の意見である。悪いと思ったら直すべきだ、気づけることは有難い。だが、それにいちいち回答していてもアカウントやTLの雰囲気が悪くなるし、そう受け止められるメンタルを持っている人ばかりではないだろう。事実、自分も面倒臭くなってやめた。自分に対する批判はいい機会だからドシドシ欲しい!という人以外は、質問箱ははっきり言って「やり損」である。そもそもやらないか、やるのだとしてもまともな質問が来る前期だけやって早々にやめることをお勧めしたい。

このような偏見まみれの駄文を読んで下さり、ありがとうございました。陰キャラの歪んだ視点からの観測に過ぎないので、あくまで心の片隅にでも置いておいてくだされば幸いです。

あ、あと新入生!これで期末のレポート約一本分の文字数だぞ!(ここまでで4526文字)


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