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X(Twitter)の全面有料化について、SNSのプロが解説!

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以下、本文です。

みなさん、ご機嫌いかがですか? ガイアックスの重枝です。

ガイアックス ソーシャルメディアマーケティング事業部部長 重枝重枝

3連休明けの火曜日、朝起きたらX(旧Twitter)が全面有料化するというニュースがXのトレンドトップになっており、まさに炎上と言っていい事態になっていました。

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2309/19/news077.html

マスクさんは、休み明け一発かましてくれるなぁと苦笑しながら情報を精査していくと、どうやら下記のような次第です。

  1. イスラエルのネタニヤフ首相との対談ライブ配信でポロっと語った

  2. 毎日生成される大量のbotアカウントを防ぐ唯一の方法だという論理

  3. 全ユーザーに課金するという言明ではないが、そういう解釈も成り立つような言い方だった。

ということみたいですね。

政治的に対立や差別がX上で煽動されるが、その対策をどうするかというネタニヤフ首相の問いかけに対し、そういった発言をするbotは安く自動生成できてしまうために取り締まり切れない。なので、有料化することで、コストがかかる仕組みを作れば、経済合理性がなくなるため、その問題は解決しますね、という文脈の話です。

この話自体はそんなに新しい話でもなく、そもそもTwitter Blue(現X Premium)が始まった理由のうちの大きなひとつもスパムアカウント対策でした。

しかし、蓋を開けてみると、スパムが減ったという話は特になく、むしろスパムが増えたという感想がX上ではよく見られています。中には認証バッジ付きのスパムアカウントもあり、X Premiumの収益化以降は、広告収益配分狙いでバズ投稿や人気アカウントに絡みに行くスパムアカウントも散見されています。

なので、全面有料化がbot対策に有効かはおおいに疑問なのですが、今回の話は飽くまで政治的対立や差別を煽るアカウントの話なので、マスク氏の論理では、数が問題で、認証バッジの信頼性などはまた別の話なのでしょう(そもそも、botなどは口実でただただキャッシュポイントを作りたいだけかも知れません)。

とは言え、本当に全面有料化したら、多くのユーザーが離脱するのは間違いありません。Xにとって広告収益は重要ですし、何より大量のユーザーが離脱すれば、ユーザーを惹きつけるコンテンツが集まらなくなり、さらなるユーザーの離脱を招くという負のスパイラルに陥ります。

そうなると、あり得る展開は、

①まず閲覧制限や投稿制限をゆるめた(あるいは全面解除した)現在のX Premiumの廉価版の新有料プランを作る。もしくはX Premiumの価格を下げる。
②無料ユーザーの閲覧制限及び投稿制限を強化し、有料プランへの移行を促す。

というような形でしょう。

①のような改定が行われなくても、無料の新設アカウントはやはり投稿制限を課すなどの措置も考えられます。

上記のような措置をとった場合、やはりユーザーからの不満は出るでしょうが、少しずつ制限を強めていけば、あるいは有料プランの値下げなどを行えば、不満を言いながらもユーザーは徐々に移行していくでしょうし、大半を占めるライトユーザーは、制限があっても気にならないでしょうから、何の問題もありません。

とは言え、マスク氏がさじ加減を間違えれば、このゆでガエル作戦も破綻します。あっちっちとなったユーザーはゆで上がる前にThreadsなどに逃げ出すでしょう。

さて、我々は今後もXに投資し続けるべきでしょうか?

現時点では、「投資し続けるべきだ」という暫定的な結論になるでしょう。

上述のとおり、マスク氏がゆでガエル作戦をとるのであれば、Xのコミュニティが縮小するとは考えられません。もちろん、あまりの反発をみて、そもそも有料化を断念する可能性もあります(今回、口がすべった感じも若干あるので)。

しかし、マスク氏がゆでガエル作戦でかじ取りを誤る、もしくは何かもっとさらに深淵な考えに基づき有料化に踏み込む可能性もゼロではありません。となると、投資するプラットフォームを分散化して、リスクヘッジをはかるということも検討すべきでしょう。

元より、現状はポリティカルリスクが上がっており、XだけでなくTikTokなどもどうなるか分からないところがあります。リスクを分散させるという発想は、そもそも持っておくべきではないでしょうか。それが当たり前になってこそ、各プラットフォーマーの暴走に対してもけん制が効くようになるでしょう。

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