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アップル復活の影の立役者iMacと信楽焼の壺

前回は、iPhone 4Sと越中瀬戸焼でした。

400年以上続く窯元の釋永由紀夫氏に
角を丸くした平皿を注文。その角の丸み
が、世界中で爆発的に売れたiPhoneの
筐体のデザインになったということでした。

次に、潰れかけていたアップルの復活の
影の立役者iMac。これまでにない丸みを
帯びた筐体が、16世紀、室町時代に
はじまった信楽焼、その中でも「蹲
(うずくまる)」と呼ばれる檜垣文
(ひがきもん)、口頚部は焼き歪みに
よって少し傾き、肩は張って径の大きい
底部の小壺から閃きを得ていた。

この肩の張った丸みをジョブズは、
ロマンティックを称して、まるで
「恋人や妻の方をなでているような
温かみがある」と言った。
これまでコンピュータ、パソコンと言えば
真四角、立方体の筐体しかなかった
ところに、信楽焼の丸みを模した筐体
が特徴的なデザインのiMacになった。

このロマンティックなデザインのiMacは
世界中の老若男女の心を掴み、
爆発的に売れ続け、アップル、
スティーブ・ジョブズの復活の礎になった。

ジョブズが日本文化に関心を持った
きっかけ、とても早く、14歳、ハイス
クール時代までさかのぼる。
同級生(後にアップルの最初の社員)
のビル・フェルナンデスの自宅の
リビングに飾ってあった3枚の版画
(川瀬巴水の新版画)が、ジョブズと
日本文化の最初の接点。

ジョブズは、その版画を欲しいと
迫ったが、残念ながら断られ、
その後、アップルで成功を収めた後、
焼物と共に、川瀬巴水の新版画も
コレクションしていた。
ジョブズ亡き後の自室には、巴水の
版画が飾られたいた。

2回に渡り、アップルのデザインと
日本文化の係わりについて紹介
しましたが、IT業界一筋40年!
パソコン業界団体でApple担当をして
いた菅野も知らないことばかりでした。

【1】菅野弘達の気になるトピックス
書いたとおり、コレクターアイテムの
Macintoshをネットショップで購入、
お恥ずかしながら、ネット通販詐欺
に引っ掛かってしまった程、アップル、
Macintosh大好き人間。
アップル、Macintoshと日本の係わり
については、永遠に書き続けらる
テーマですが、また機会を設けて、
続きのお話ができればと思っています。

スティーブ・ジョブスと日本文化に
ついてのドキュメンタリー番組

「日本に憧れ 日本に学ぶ
~スティーブ・ジョブズ ものづくりの原点~」

は、NHKオンデマンドで有料で視聴できます。

https://www.video.unext.jp/lp/nod

(2023.7.8 Vol.15)

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