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気候変動・脱炭素・クライメートテック関連記事まとめ

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これまでに気候変動、脱炭素、クライメートテックについて書いた記事をまとめました。月に2本更新しています。 📬気候変動・クライメートテックをテーマにした記事をキュレーションするニュ…
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#脱炭素

気候変動・脱炭素・気候テックとメディアの交差点〜2023年時点の「切り口」&テーマリスト

過去2年ほど日々【気候変動、脱炭素、気候テック x メディア】関連のニュース記事や書籍を読んだりしながら気にはかけているものの、その複雑さに日々圧倒されることも少なくありません。なかなかまだ全体像を掴みあぐねているというのが現状です。今回は1年を振り返りつつも、自分なりにこうしたテーマを考える際にどのような切り口があるか、整理してみたいと思います。 以下は2023年12月時点でどのようなテーマや切り口があるかを箇条書きで書いてみたものになります。いくつか関連の記事のリンクも

100万人が参加、気候変動について学ぶフランス発ワークショップ「クライメート・フレスク(Climate Fresk)」

今年の夏を振り返った際、猛暑・酷暑日、先週のハワイでの山火事、世界中で起きている異常気象とその被害を思い起こさずにはいれません。映像などを見るにつけ、改めてその被害の甚大さを感じます。 気候変動との関連が指摘され、気候変動対策や脱炭素の話題は折に触れて目にするものの、時に難解で広範囲なため、体系的に理解することが難しいと感じる人も多いのではないでしょうか? 昨日のニューヨーク・タイムズの記事において、『パリでのトレンディな夜のお出かけに、気候変動ワークショップはいか

気候変動対策・脱炭素関連のキャリアシフト支援の輪の広がり

気候変動・脱炭素に対する世界の関心が高まる中、気候変動対策に関わる仕事への就職支援の取り組みに欧米では注目が集まっているようです。 オンラインでの気候変動分野について学ぶ機会を提供する「Terra.do」、ポッドキャストによる学び、そして年間100ドルの有料会員同士が参加できるSlackコミュニティを提供している「MCJコレクティブ」(MCJはMy Climate Journeyの略)等がよく知られています。更にもう一つ、無料での登録が可能で、会員数約2万人にまで規模が拡が

サステナビリティに関する情報を得る媒体が偏っている背景とは?

PwC ジャパンが9月に日本、中国、米国、英国の世代の異なる3,000人の消費者を対象に実施した調査結果によると、欧米・中国のサステナビリティ市場は大きく先行していて、日本が遅れていると報じています。その理由として「日本における3つの壁」として分析されていた内容が印象的でした。 特に注目したのは2番目の「サステナビリティに関する情報を得る媒体が偏っている」という点でした。 中英米では様々な媒体からまんべんなくサステナブルな商品や企業の情報を得ていることが示されている一方で

倍速で楽しみたい海外ニュースの世界

倍速視聴だけでなく、自動翻訳(DeepL)、自動要約(Summari)、自動キュレーション(Feedly)で気になる海外ニュースを効率的に楽しむ方法。 今回は日経COMEMOが意見募集をしているテーマ「あなたが倍速で楽しみたいことは?」に回答する形で、最近話題の「倍速視聴・消費」について書いてみたいと思います。 先にお伝えしておくと、自分自身は倍速視聴のための様々なツールを以前から利用しているほうだと思います。特にコロナの感染がスタートした2020年初頭からは、そのペース

50兆円規模の『歴史的』米気候変動対策法(歳出歳入法)が持つ意味

先週火曜日、8月16日に米バイデン大統領が署名をした気候変動対策に関する「Inflation Reduction Act」(歳出歳入法案 / インフレ抑制法)について、報道等で目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか? 補助金や税制優遇措置等含め、気候変動対策に関しての3,690億ドル(約50兆円)規模の大規模な法案として、英語圏では多いに話題になっていました。 ただ、とても気になったのは、この法案についての英語圏と日本語圏での注目度の違いです。BuzzSumoというS

気候変動・脱炭素がもたらすキャリアシフト〜求められるロールモデルと新産業創出の未来予想図

再エネ技師、EV技術者、その他あらゆる業界・職種で今後求められるグリーンなキャリア像と未来予想図 先日、日本経済新聞の『脱炭素、いざリスキリング 欧州で進む「公正な移行」』というタイトルの記事を目にし、いろいろなことを考えさせられました。 脱炭素化が進むことで産業構造転換が余儀なくされている状況で、その過程で大量に失業が起きること、その上で欧州の先端的な事例が紹介されていて、日本でも対応が求められていることが描かれています。特に「公正な移行」(温暖化ガス削減という政策目的

猛暑の夏に考えるクライメートテック:2021年上半期の投資額は600億ドル(約9兆円)以上、ユニコーンは世界78社に 

コンサルティング大手のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)が6月下旬に『2021年版気候テックの現状〜脱炭素ブレイクスルーの拡大に向けて』と題したレポートを公開しました。 連日の猛暑により日本国内、そして世界中で電力逼迫や地球温暖化が身近な話題として取り上げられる中、解決策の一つとして世界的にも注目されているクライメートテック(気候テック:climate tech)に関するレポートはとてもタイムリーかつ重要なものと感じます。 気候テック投資の規模と成長スピード

気候変動問題のオンラインスクール「Terra.do」を受講して学んだ5つのこと

最近は「気候変動」、或いは「脱炭素」という言葉を日々のニュースや会話で目にしたり、耳にする機会が増えたと感じる人も多いのではないでしょうか。少なくとも私にとっては昨年の夏以降、とても大きなテーマとして意識して調べたり、書いたり、話したりする機会が増えたキーワードとなっています。 そんな気候変動問題に特化した「Terra.do(テラ・ドゥ)」という、ブートキャンプ型のオンラインスクールに今年の1月から合計12週間の講座に参加し、先日無事終了することができました。とても学ぶこと

楽しみながら学ぶ気候変動〜Financial Timesが作成した「クライメート・ゲーム(Climate Game)」

脱炭素、気候変動、カーボンニュートラル等のキーワードと接する機会が最近多いと感じながらも、なかなか具体的にイメージしにくいと感じている人は多いのではないでしょうか。 今回ご紹介したいのは英フィナンシャル・タイムズが先週4月22日のアースデーを記念してリリースした、楽しみながら気候変動を学ぶための無料オンラインゲーム、その名も「クライメート・ゲーム(Climate Game)」です。 2050年までにネット・ゼロを達成するために「未来の世代のための大臣」に扮し、全知全能の力を

テック企業等が約1,100億円を投じて「炭素除去市場」創出を目指す「呼び水」ファンドがとても斬新

先日公表された国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新の報告書には、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べて1.5度以内に抑えるためには、3年以内の2025年までに排出量を減少に転じさせる必要がある、と厳しい指摘がされていました。 排出量の削減が目標達成に必要なペースより遅れている状況を踏まえ、「地球温暖化を抑えるためには大気中から二酸化炭素(CO2)を除去する方法が「不可避的に」必要である」と、初めて明確に記されたことにも注目が集まっています。 そんな中、4

求められる温暖化ガス排出量の計測・可視化の動き

3月を振り返った際、ロシアによるウクライナ侵攻、エネルギー・食料価格の値上げ、東北地方の地震で火力発電所が止まったことによる電力需給の逼迫など、安全保障、エネルギー、気候変動・脱炭素等のリスクについて考えさせられる機会が多い1ヶ月でした。本当にこの21世紀に信じられない出来事の連続ですが、状況が改善することを心から願ってます。 そんな中、関連していくつか気になった出来事、ニュースがあったので備忘録的に記録しておきたいと思い、今回は書いてみます。 ==最近気になっているいく

米ビジネス誌『FastCompany』が選ぶ「最も革新的な企業」の上位7位全てが気候テックスタートアップであることの意味

米ビジネス誌『FastCompany』が2008年から毎年選出している「Most Innovative Companies 2022」の選出企業が3月上旬に発表されました。驚いたことは上位7位の全ての企業が気候テックスタートアップ、クライメートテックとも呼ばれる気候変動問題に取り組む企業であることです。以下は選出された上位企業の一覧です。 Stripe〜大気中の二酸化炭素除去市場の創出 Solugen〜遺伝子組み換え生物を使ったカーボンニュートラルな化学物質の製造 Tw

気候変動分野の取り組みを強化するメディア業界

米大手新聞社ワシントン・ポストが「気候変動」や「ウエルネス(心と体の健康)」分野での報道を強化し、それぞれ20人程度の編集部員を新規に雇用する、という記事が目に止まりました。 記事の見出しを見て感じたのは、今まであまり注力されてこなかった「気候変動」分野において、ここ数年来、スポットライトがあたりつつあるという潮目の変化です。 国内でも日本経済新聞などでは「気候変動エディター」という専門の記者が存在し、紙面全体で「脱炭素」を取り上げる記事が増えていることは感じるものの、全