アルバム「MEMORIES」の全曲解説
「MEMORIES」の概要
2か月ほど前に各種サブスクやBnadcampにて配信を開始した、私（taketake）の音楽アルバムです。
これまで、海外の音楽レーベルや、コンピレーションアルバムに楽曲提供してリリースしたり、SoundCloudに曲を投稿したことはあったのですが、自身でまとまったアルバムを作ったことが無かったので作ってみました。
細々と作曲を初めて10年くらい経ちますが、制作頻度が低い＆スピードも遅いため、ボツ曲も含めると完成に至った（私の中で）曲は30曲足らず・・・。その中から、11曲をチョイスしたのがこのアルバムです。
ゲーム機（ゲームボーイ：LSDj）、ギター、DAW等を使ったチップチューン×バンドサウンドな感じのアルバムに仕上がっているかと思います。
需要は無いと思いますが、せっかくなので記録も兼ねて全曲解説していきます。
■各種サブスクリンク
■Bandcampリンク
01.Pico1st
＜使用機材＞
・ゲームボーイ（LSDj）
・iPad（iKaossilator）
アルバムの１曲目を飾るのは、「Pico1st（ピコファースト）」です。
その名の通り、私がチップチューン（ゲーム機を使って制作された楽曲）の存在を知って、初めて制作した曲です。
チップチューンの存在を明確に知ったのは、ChipUnionFestivalいうライブにて、ゲーム機での実機ライブを観た時でした。
そのライブでは、特にKUNIOさんというチップチューンアーティストが、ゲームボーイ実機を使って、自由自在に色々な音を出していたのが印象的でした。ライブ後、チップチューンに関して色々と調べた結果、「LSDj（Little Sound Dj）」というソフトと、ゲームボーイ実機で作曲ができるということを知りました。
その後は、必要な機材を揃えてLSDjの操作方法に四苦八苦しながら、この曲を作った記憶があります。
最初はLSDjだけで完結させるつもりだったのですが、技術が全然足りず音が寂しいので、iPadのiKaossilatorも組み合わせて曲に仕立て上げた記憶があります。
せっかくなので動画も撮ってみるかと思い、Youtubeにアップ＆Twitterにも投稿したところ、Twitter上で色々な方から反応をもらえたり、海外のWebカルチャーニュースサイト（？）に取り上げてもらえたり好感触で、その後のモチベーションに繋がった記憶があります。
拙い部分が多々ありますが（今もだけど）、初期衝動的に楽しみながら作れた曲だと思います。
02.Snapshot
＜使用機材＞
・ゲームボーイ（LSDj）
LSDjを使い始めて数年経って制作した曲です。
LSDjには音声ファイルを取り込んで利用する機能（？）があるのですが、その機能を利用して作られたアーメンブレイクkitというものがあり、それを活用して作りました。「チップブレイク（チップチューン＋ブレイクビーツ（コア？）」というジャンルがあり、それを意識しました。
ゲームボーイは4トラックしか同時に音を鳴らせないのですが、アーメンブレイクを乱れ打ちしたい場合は、普段ベースを鳴らしている1トラックを消費する必要があります。
なので、普段メロディを打つために使用しているトラックでベースを打ち込むなど、工夫して作った記憶があります。
全体的に勢いがあり暴走気味な感じで、個人的にお気に入りの曲です。
03.HappySaturday
＜使用機材＞
・ゲームボーイ（LSDj）
この曲を作るまで、ゲームボーイでの作曲時、他の楽器には触れずにゲームボーイのみをいじって完結させていたのですが、どうもコード感とかを出せずにいました。
そのため、打開策としてギターで弾いたコードやメロディーを、ゲームボーイに手動で打ち込み直すというアプローチを取った曲です。
ギターではコードを手癖で弾いていましたが、ゲームボーイでは16進数（英数字）のパラメーターに置き換えて打ち込む必要があるので、コード構成音のインターバルとかを意識できるようになった気がします。
あと、ゲームボーイだけで作ってると無意識の内に避けてしまっていたメロディ（ブルーノートとかかな？）を、ギターで弾くとしっくりくるので、そのあたりのテイストも取り入れられてると思います。
あと、当時はワブルベースが流行っていたため、一瞬だけワブルベースっぽい音を入れるということもやってみました。
この曲は、チップチューンイベントのオープンマイクで披露した時に、色々な方から好反応をいただいたり、知り合いのチップチューナーの方にリミックスいただいたり、自分の中で結構特別な位置付けの曲な気がしています。
04.Freedom
＜使用機材＞
・ギター
・DAW（Cakewalk by BandLab）
・Magical8bitPlug2：ピコピコ音に使用
・BIAS FX 2.0：ギターのアンプシミュレーターとして使用
しのりゅーさんというチップチューンアーティストさんが企画されていた、「カッコイイチップチューンVSカワイイチップチューン対決コンピレーション2 -Cool side-」というコンピレーションアルバムに提供させていただいた曲です。
ギターを使ったチップチューンを作りたいなー、と思い制作した曲です。（この曲以前にも、ゲームボーイ×ギターで曲を作ったのですが、制作データが消失した・・・）
当初は、ギター＋ゲームボーイで制作を進めていたのですが、しっくりくる制作環境（同期をさせたり、音色を馴染ませたり）を、上手く確立できなかったため、ギター＋DAW（プラグインシンセ）での制作に初挑戦してみました。自分的に良い感じのチップロックに仕上がっていてお気に入りの曲です。（ギター弾くの楽しかった）
また、結果的に、これまで敬遠していたDAWの操作方法や、プラグインシンセの使い方、MIDIの打ち込み技法、アンプシミュレーターの使い方などを薄らと学べました。（まだまだ全然何も分からない）
05.SundayNightSyndrome
＜使用機材＞
・ゲームボーイ（LSDj）
LSDjを使い始めた年に作った曲です。
この時も、チップブレイク的な曲が作りたいと思ってた記憶があるのですが、まだアーメンブレイクkitの存在を知らず、kit無しで四苦八苦しながら作っていたようです。なんとも言えない浮遊感や粘り気があって、良い意味で（？）気味悪く無視ができなかったので収録してみました。日曜夜の陰鬱な気持ちは表現できているかも。
06.Meow
＜使用機材＞
・ギター
・DAW（Cakewalk by BandLab）
・プラグイン：忘れた・・・
制作時期やプラグインなど失念してしまったのですが、しっとりとしたメロウな感じの曲を作ったことが無いなと思って制作した記憶があります。
テンポが遅い曲を作るの難しい。勢いで押していきたい。
07.StreetDMG
＜使用機材＞
・ゲームボーイ（LSDj）
これもLSDjを使い始めた年に作った曲です。
他の楽器に触れず、ゲームボーイだけで完結させて作った曲なので、機械的な感じかつ、だいぶ粗削りな感じです。勢いがあってうるさくて良いですね。
08.GingerAle
＜使用機材＞
・ギター
・DAW（Cakewalk by BandLab）
・SERUM：ピコピコ音に使用
・BIAS FX 2.0：ギターのアンプシミュレーターとして使用
Estlさん、とぼけがおさん、というアーティストさんからお声がけいただき「lambchips」というコンピレーションアルバムに提供させていただいた曲です。
一番最近作った曲です。
「04.Freedom」でやったチップロックをもっと洗練したいと思い、SERUMを導入してみたものの、自分にはなかなか扱いが難しかった・・・
「こういう音出したい」と思った時に、なるべく近い音を出せるように、シンセの仕組みを、もう少し理解したいなと思いました。
あと、ギターの音作りに関しても、もっと勉強したいなと思いました（ほぼ、自宅生音ギタリストなので・・・）
この曲で、私の存在を知ってくれた方もいらっしゃるようで、ありがたい限りです。
09.HospitalTechno
＜使用機材＞
・ギター
・DAW（Cakewalk by BandLab）
・プラグイン：忘れた・・・
全然テクノではないと思うのですが、このアルバムの中では一番テクノっぽい気がするので、この曲名にしました。
あと、何気にこの曲は自分が唯一、他の方と共作した曲です。
インターネットで知り合った音楽好きな友人が、ベースで弾いたフレーズを共有してくれたので、それに肉付けして作った曲です。
これまで、一つの素材を使って、それを基軸に作曲するというアプローチを取ったことが無かったので、新鮮味があって楽しかったです。
10.Monogusa
＜使用機材＞
・ゲームボーイ（LSDj）
仕事などで疲弊して、作曲から遠のいた期間が数年あったのですが、ブランク期間を経て、久々に作った曲です。
LSDjの使い方を忘れてるかなー、と思いつつ作ったのですが、意外と記憶に残っているらしく割とサクサク、楽しく作れました。
高速アルペジオでコード感を出したり、メロディにリバーブ感出したり、1トラック内に色んな音を詰め込んだり、色々と試行錯誤した記憶があります。曲の構成とか、もっとこだわった方が良かったかなとは思いますが、シンプルにLSDjで完結してて好きです。
11.TERMINAL
＜使用機材＞
・ゲームボーイ（LSDj）
過去にSoundCloudへアップした曲の中で、一番再生数が伸びた曲です。
※絶対、チップチューンアーティストのscytheさんが「CHIPMASTERPIECE」っていうプレイリストの最初に入れてくれたからなんだよな・・・（ありがとうございます）
この曲は結構思い入れがあって、当時自分は仕事が出張続き＆多忙を極めていて、月のほとんどが出張先のホテル暮らしだったんですよね。
仕事で疲れて外に出る気も起きないし、他に娯楽も無いため、仕事が終わったら淡々とゲームボーイをいじっていました。（出張先にも気軽に持っていけるゲームボーイ便利すぎる）
けっこうストレスがヤバかった時期なのですが、慣れない出張先で普段触り慣れているゲームボーイをすることで、平常心を保てていた気がします。
この曲は作り始めて、しばらく温存してたのですが、ちょうど仕事が落ち着いた頃に開催された、当時日本における最大規模のチップチューンイベント「Square Sounds Tokyo」で国内外の色々な人のライブを見て、刺激を受けて一気に完成させた記憶があります。
総括
こういう活動をしていると、良いこと・悪いことどっちも沢山あった気がしますが、やはりやってて楽しいですし、今後もマイペースに続けていこうかと思います。
あと、アルバムのジャケットを生成AIで作ったのですが、せっかくなので誰かにお願いすれば良かったなと思いました・・・。（過去に、アルバム作るときはお願いします、的な話をした方もいたので・・・）
もっと良い曲を作ってからだな、という気持ちがあったのですが、今思えば言い訳でしかないので次こそは。
番外編：アルバム未収録の音源
たまに、自分がめちゃくちゃ好きな曲を発見した時に、ゲームボーイでリミックスをしてしまうことがあります。原曲が全部良い曲なので、リミックスと合わせて是非聴いてみてください。
01.シナプス（By 猫を堕ろす）
原曲は、↑アルバムのトラック2、私のリミックス音源を、猫を堕ろすさんのご厚意でトラック10に収録いただきました。
シナプスは、最初聴いた時から本当に衝撃で、仕事で出張する時の新幹線の往復移動中も、ずっと聞いていた記憶があります。猫を堕ろす、本当に全部名盤なんだよな・・・
02.少女B（By ヒダリ）
↑が原曲です。この曲は全て自分のツボにハマっていて、最高に大好きです。今後もずっと聴き続けると思います。
自分のリミックスは↓です。
03.emo衛門（By きのホ。）
原曲は↑のトラック1です。
リミックスはこちら↓です。
「きのホ。」の「emo衛門」（ライブで聴いて最高だった） pic.twitter.com/etZR2UpSHN
— taketake (@SocialNoiseKun) January 13, 2024
「きのホ。」さんは、私が最近好きになったアイドルグループです。
きのホ。さんに関しては、過去記事↓で熱い想いを語っているので、是非読んでみてください。
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