SNSアカウントは、企業にとってどれくらい価値があるのか?
こんにちは!
株式会社オン・ザ・プラネットのマーケティング担当です。
近年、多くの企業がSNSアカウントを開設し、宣伝の為に活用するケースが激増しています。
その理由は勿論、SNSアカウントを伸ばすことに企業として数えきれない程の利点があるからに他なりませんが、
主なメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
<企業がSNSアカウントを運用するメリット>
・誰でも手軽に始められる。
・SNS内で認知を広げることで、新規顧客の創造に繋がる。
・ECサイトやHP、実店舗などに集客する為の入り口として活用できる。
・自社独自の世界観をつくることで、企業のブランディングができる。
・定期的に商品やサービスの訴求を行っていくことで、ファンの定着を図ることができる。
などなど。
これだけのメリットがあれば、ここ数年にかけて沢山の企業がSNS界にどんどん参入しているのも頷けるのではないでしょうか。
しかし、残念ながらこれらの恩恵を受けられている企業は、全体の1割にも満たないのが現状です。
弊社は永らく、SNSの運用を検討されている企業様や、運用がうまくいかないとお悩みの担当者様とお話を重ねてきましたが、
・SNSの運用を始めるに当たって、どれくらいリソースを割けば良いかわからない
・SNSアカウントを運用しているが、フォロワーがなかなか伸びない
・企業としての価値(売上)に転換できていない
などのお悩みを数多くいただいています。
では、SNSの運用が上手くいっている企業と上手くいっていない企業の境界線は何なのでしょうか?
そこには様々な要因が考えられますが、1番明らかな境界線は
「SNS運用にリソースを割く覚悟があるかどうか」
これに尽きると断言できます。
勿論、リソースを割いたからといって、確実に上手くいくわけではありません。
その投資をどのような配分で回すかという、手段の問題は別にありますが、少なくとも企業としてSNSアカウントの価値を正しく見出し、そこに適切なリソースを投入できない企業は、軒並み失敗をしています。
しかしそうは言っても、将来的にどれくらいの価値が見込めるかわからないものに対して、企業がお金を使えないのも当然の話です。
そこで今回、
・SNSアカウントを伸ばした際の、費用対効果がイマイチ見えない
・アカウント運用にどれくらい費用をかければいいか分からない
・アカウント運用にどれくらい人的リソースを割けばいいか分からない
このようなお悩みをお持ちの企業様に対して、SNS運用・SNS分析のプロである弊社が、その知見を余すことなくお伝えしていきます!
*本記事のSNSアカウントとは、Twitter、Instagram、Facebookを想定しています。
1.SNSアカウントを運用するべき企業と、そうでない企業
まずこの記事を見ていただくにあたって、前提としてどんな企業であればSNSアカウントを運用するべきで、逆にどんな企業が運用するべきでない(お金をかけるべきではない)のでしょうか?
それはズバリ、
「商品やサービスの認知拡大」が売上に直結するかどうか
を基準に考えるべきだと弊社は考えます。
逆に、認知を獲得できたところであまり売上に繋がらない企業はメリットが少ないと言えますが、大抵の場合は不特定多数の「買い手」が存在するビジネス構造になっていますので、一部の特殊な企業を除いてはこの基準に該当します。
但し、ニッチなターゲットをもつ商材を販売する企業の場合は注意が必要です。(例えば、BtoB商材を扱う企業もここに該当します。)
勿論、そういった企業の場合も認知の獲得は間違いなく売上に直結しますので、上手にアカウントを運用して成功している例も沢山ありますが、
ニッチなターゲットに向けてピンポイントで発信する必要がある場合は、正攻法では失敗例も多く存在しますので、専門のコンサル会社などに相談することをお勧めします。
話は逸れましたが、結論、大体の企業が「認知の拡大」と「売上の増加」に相関関係がある場合がほとんどですので、一部の特殊な例を除き、SNSアカウントを運用する事に大きなメリットがあると言えます。
現在の企業のSNS参入率を見てもそれを物語っており、実際そこにメリットを感じている企業は少なくないはずです。
問題は、「どの位の価値があるのかわからない」という部分にあります。
では、SNSアカウントを伸ばすことの価値とは、どれくらいあるのでしょうか?
2.広告媒体との比較
一つの基準値として、SNSアカウントで商品のPRを投稿した際に、どれくらいの価値が生まれるのか、広告媒体(自社のSNSアカウント以外)を活用した際の広告費と比較して調査してみます。
通常、商品やサービスの認知を獲得したい場合には企業側は広告費を払って宣伝をするので、その際の金額と比較してみることで間接的に価値を測ってみます。
調査内容は以下の通りです。
<SNSアカウント VS その他の広告媒体>
【6万人のフォロワーがいるSNSアカウント】が商品のPRを10投稿した場合の*インプレッション数を、その他の広告媒体と比較して調査。
[SNS以外の広告媒体]
①TVCM
②Web広告
③インフルエンサーマーケティング(SNS内で拡散をお願いした場合)
④雑誌広告
*インプレッション数 = その広告(投稿)が表示された回数
因みに、上記の通りここではフォロワー数が6万人のアカウントを基準にしてあります。
フォロワー数6万人と聞くと少しハードルが高いように聞こえるかもしれませんが、弊社含めSNSに力を入れる覚悟のある企業であれば、広告費を使わずともオーガニック投稿だけで、約1年半〜2年程あれば到達できる範囲です。
弊社の経験上、TwitterやInstagramでフォロワーの伸び方にはあまり大きな違いはありませんので、敢えて媒体を指定せず、話を進めていきます。
ではまず、【6万人のフォロワーがいるSNSアカウントが10投稿】すると、どれくらいのユーザーに表示されたことになるのでしょうか?
通常であれば、SNSの平均インプレッション数はフォロワー数の2~3倍位になると言われています。
例えば、フォロワーが100人いれば、300回ほどのインプレッションです。
なので、6万人のフォロワー数で10投稿すると、約180万インプレッションした、と考えられます。
大きい数字ではありますが、大きすぎてなかなかイメージし辛いですね。
では、比較対象として設定した【その他の広告媒体】では、180万インプレッションするのに、どれくらいの広告費を費やす必要があるのでしょうか?
驚きの結果は以下の通りです!
<180万インプレッション獲得する場合の媒体別広告費用>
①TVCM:約75.8万円
-約1回分の放映
-東京キー局 75万円/回 で計算
②WEB広告:45.9万円
-CPM平均値 255円で計算(相場 10円~500円)
③インフルエンサーマーケティング:180万円
-フォロワー10万人:3円/人で計算
-インプレッション数:フォロワー数×3で計算
④雑誌広告:3,420万円
-CPM平均値1.9万円で計算(相場 8千円~3万円)
媒体によっても差はありますが、なんと180万インプレッション獲得する為
にはこれだけの広告費が必要になります。
つまり言い換えると、SNSアカウントを伸ばしさえすれば、これらの恩恵を実質アカウントの運用費のみで賄える、ということです。
まさに、企業がアカウントを伸ばすことに投資すべき理由はここにあります!!
その他にも、SNSのPRは、その他の広告媒体と比較して
・コストがかからず、時期に応じて何度でも色々な商品のPRができる
・アカウントを育成していけば、その効果は更に向上する
・他の広告媒体と併用すると、相乗効果を見込める
などといった数多くのメリットもあります。
これらの結果から、将来的には(少なくともフォロワーが6万人いれば)コストの部分でかなり有益であることがわかりました。
では次の段階としてSNSアカウントで商品をPRした際に、最終的にどれくらいの売上に繋がるのかも、気になる所ではないでしょうか?
業界や業種、商品においても違いはありますが、大体どれくらいの売上が期待できるのか更に深掘りして調査していきます!
3.SNSアカウントの費用対効果
引き続き、6万人フォロワーがいるアカウントの場合で調査していきます。
企業によって、実店舗への集客や顧客のロイヤル化、企業のブランディングなどSNS運用には様々な目的が想定されますが、
今回は分かりやすい例として、SNSからECサイトへ流入した場合について、どれだけの売上が見込めるかをシミュレーションしていきたいと思います。
ではまず、SNSアカウントでPRしてから売上に繋がるまでの流れを見ていきたいと思います。
<SNSアカウントの運用が売上に繋がるまで>
6万人のフォロワーがいるアカウントが10投稿する
➜180万インプレッションを獲得する
➜インプレッション数の約1%(平均値)がECサイトへ流入
➜ECサイト流入の約1%が商品を購入
➜売上
※CTRやCV率は平均の数値とし、商品や業界によって差はあります。
という流れになります。
ではこの流れで、単価5,000円の商品をPRした場合の売上を計算してみます。
<単価5,000円の商品をPRした場合の売上> *シミュレーション
ECサイトへの流入 1,800,000×0.01=18,000人
購入率 18,000人×0.01=180人
売上 180人×5,000円=900,000円
なんと、たった10投稿でこれだけの売上が見込めます!
今回は10投稿を想定して算出しましたが、フォロワー数が減らない限り何度でも自由に広告を配信でき、その分売上に直結するため、将来的には数千、数億円の財産になる可能性は十分にありそうです。
つまり、SNSで商品やサービスをPRすることは、売上の向上や広告費の削減に繋がるため、その点に価値を見出した企業がSNSの運用に投資をしているのです。
将来的な価値や効果が見出せたら、あとはアカウントを伸ばすだけです。
では、仮に6万人までフォロワーを獲得するためにどれくらいのコストが必要になるのでしょうか?
4.SNSアカウントの運用に必要なコスト
まず、SNSアカウントを運用するに当たって、月に必要なリソースから見ていきます。
ビジネス用のアカウントを伸ばす為の業務には、実は最低でも月に85~90時間は必要とされています。
そのため、「とりあえず定期的に投稿する」、「他業務との掛け持ちで、空き時間に投稿する」などの中途半端な運用を続けてしまうことは、企業にとって一番の損失です。
これではアカウントは伸びず、ただ人件費のみを浪費する結果となってしまうケースが殆どですので、もしSNSの運用を決めたのであればしっかりとそれなりの体制を整えることが大切です。
ただし、時間はただ費やせば良いという訳でもなくその配分も重要で、投稿内容の作成にばかり集中してしまうことも失敗の原因となります。
弊社調べではありますが、以下のように「投稿内容の作成」と「分析業務」の両方を、バランスよく行うことが重要です。
<SNSアカウント運用に要する時間(最低ライン)>
この様に時間を割いて運用する事で、今後の【フォロワーの伸び方・フォロワーの質・成長スピード】が大きく変わります。
「時間をかけていてもアカウントが伸びない」という場合は、「分析」に時間を割いていないケースが殆どです。
感覚のみの運用になってしまうと、余程天性の才能に恵まれていない限り遠回りになってしまいます。
同じ時間をかけるのであれば、分析をすることで方向性の確認を行うフェーズを設けつつ進めることも非常に重要です。
しかしながら、どのように分析すれば良いかわからない、と言われる担当者様も多く、また分析はしていても十分とはいえず、SNSのインサイトや他社の投稿内容を見ているだけのケースも存在します。
アカウントを育てる為に必要な分析とは、自社のアカウントを過去と比較したり、競合他社をベンチマークに設定して調査をするなど、SNSを伸ばすための糸口を見つけることが重要になります。
そのため、それらにお金をかけずに行うことは難しく、それなりの分析をするには有料のツールが必要になってきます。
もし自社だけで運用するとなると「ツール代+人件費」で検討した方が、成長スピードが早く、結果的にコストが抑えられるケースが多いようです。
またリソース不足や知識不足などでなかなか手が回らない場合は、分析部分をアウトソーシングすることも、有効な手段の一つと言えます。
自社運用もアウトソースの活用も、少なからずコストはかかります。
それなら、より効果的でコストパフォーマンスの高い方を選ぶべきなので、自社の特性に沿った選択をしていただければと思います。
最後に参考例として、【自社運用した場合】と【アウトソーシングを活用した場合】のコストを比較してみます。
5.自社運用とアウトソーシングを活用した場合(弊社例)
現在多くのSNS代行業社があるため、弊社へアウトソーシングした場合で比較を行います。
*PRになってしまい恐縮ですが、弊社では主に「分析」の業務をメインで担当しております。
あくまでも参考例ですが、なるべく現実に沿った内容を想定し、以下の内容について比較します。
<比較対象>
・フォロワー数を0人から6万人に増やすまでに必要な期間
・月額でかかる費用
・トータルでかかる費用
自社で運用するのであれば
「ツール代+人件費」
アウトソーシングを活用した場合は
「委託費+企業で投稿作成などに必要な人件費」
という形で算出しています。
<フォロワーを0人から6万人まで伸ばすまで>
①自社運用
-【期間】約30か月
-【月額】約245,000円 (分析ツール費+人件費)
-【トータル費用】約7,350,000円
②アウトソース利用(弊社サービスの場合)
-【期間】約24か月
-【月額】約250,800円
(内訳)委託費 150,000円
企業で投稿作成などの人件費 100,800円
-【トータル費用】約6,019,200円
以下のようなシミュレーションが想定されます!
企業の中に分析が得意な担当さん、SNSの運用経験が豊富な担当さんがいる場合などは例外となりますが、
あまり知見のないところからスタートするのであれば、アカウントを育てるためにアウトソースを活用することは、質の良いフォロワーを獲得できるだけでなく、コストパフォーマンスも良い場合が多いです。
今回は弊社の例で紹介しましたが、もちろん他の代行業者で活用した際にも同じ事は言えますので、ぜひ今後の参考にして下さい!
まとめ
◆今回のポイント◆
・ブランドや商品が認知されることが売上に影響する場合は、SNS運用における費用対効果が高い
・SNSアカウントを活用すれば、広告費やPR費が削減できる
・中途半端にSNSを運用することは、企業にとって最も損失に繋がるケースが多い
・運用には分析が重要で、そこに上手く投資することが必要
企業や商品、サービスの認知度を上げるためには、企業のSNSアカウントを育て、発信していくことが今や最も有効な手段の一つとされています。
ただそこに重要性を感じながらも、
・SNSの運用を始めるに当たって、どれくらいリソースを割けば良いかわからない
・SNSアカウントを運用しているが、フォロワーがなかなか伸びない
・企業としての価値(売上)に転換できていない
などといった悩みを持ちながら、SNSアカウントをそのままにしてしまうのは非常に勿体ないです!
もし、現在そのようなお悩みがある場合は、本記事をきっかけにして頂けると幸いです。
また弊社では、そのような企業様に向け、
・アカウント分析(自社・競合他社の分析)
・市場分析(投稿内容作成の手助けとなる分析)
・フォロワーのペルソナ分析(獲得したいフォロワーが獲得できているかの分析)
などの業務を請負い、レポートとミーティングでアカウント運用のお手伝いを行っています。
ご興味がありましたら、
是非お気軽にお問い合わせください!
最後に
本記事を最後まで見てくださり、ありがとうございます。
弊社では、マーケットリサーチツールを活用し、様々なソーシャルリスニング分析サービスを行っております。
>SNSアカウント運用について詳しく知りたい方はこちらまで
>ソーシャルリスニング分析サービスはこちらまで
その他、質問事項ございましたら、下記にてご連絡をお待ちしております。
Tel:042-732-3735
mail:c.shimizu@on-pla.com
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?