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人生につきまとう悩みや苦しみと、僕たちはどう向き合うか

2020年、漢字1字で表すと「苦」だった

2020年は、きっと多くの人にとって「苦しい1年」だったのではないでしょうか。

僕の肌感覚ですが、新型コロナウイルスの影響はもちろん、なぜだかその他にも様々なことが原因で悩んだり、苦しんでいた人が多かった気がしています。

僕自身も例外ではなく、2020年末のあるイベントで『今年1年を漢字1字で表すとしたら?』という質問をされて、とっさに出た答えが「苦」でした。

会いたい人に会えない、行きたいところへ行けない、やりたい仕事もできない。1年前の今頃、思い描いていたことのほとんどのことが、新型コロナウイルスというヤツの一撃でぶち壊されていきました。

また、その他にも、自分自身の生き方や、在り方、また「教育」と言われる仕事と向き合い方にも、迷い、戸惑い、なんだかずっと中途半端に、ずっとブレーキを踏みながら、アクセルを踏んでいるみたいに、なんとか、ギリギリ進んでいるような、そんな1年でした。

今思い返すと、特に、9月から11月は、アタマも、カラダも、ココロまでしんどくなってしまって、けっこうピンチな時期だったな〜!と思います。

しかし、これまでにないほど、迷い、苦しみ、悩み、葛藤した1年を、多くの人に支えられながらも、なんとかやり過ごしたおかげで、大きな気づきを得ることができ、ほんの少しだけ内面的な成長を勝ち得たのではないか、と思うことができています。

このnoteには、その自分にとって貴重な体験からから得た、悩みや苦しみに対する僕の考えを書き残します。

何によって、苦しんでいたのか

去年の1番しんどかった時、僕に何が起きていたかというと、こんな感じでした。

◻︎これまでの人生史上もっとも忙しい仕事のスケジュール
◻︎これまでとは桁違いの大きなクライアントとのプロジェクトを進めるプレッシャー
◻︎「教育」に向き合う自分に対する自信の喪失
◻︎出張が続いて7週間、家に帰ることができない

慣れない仕事をやり、新しいことを常に考え続け、試行錯誤する毎日。
常に全国各地を移動し、なかなか家に帰ることができないような毎日。

そんな毎日の中で、僕の「アタマ」も「カラダ」も、そして「ココロ」まで苦しくなっていました。毎日「ぶっ倒れそう」と思っていました。

その結果、周囲の人に対する思いやりもかけたりしちゃったり、深く反省することも多くありました。 

アタマ・カラダ・ココロを分けて苦しみを考えてみる

ある時、ある人と話をしていて気がついたことがありました。
それは、自分の「アタマ」と、「カラダ」は確かに疲れているし、苦しいけど、「ココロ」は元気だということです。

それに気がつくまでは、なんとなくしんどいと、ココロまで元気ない気がしていました。

僕にとってすごく重要な気づきでした。

最悪人間は「ココロ」だけでも、守ることができれば、なんとかなるのではないか、と思いました。また、「アタマ」と「カラダ」の調子も、「ココロ」次第で変わるのではないか、と思ったんです。

で、僕は「ココロ」を変えてみようと思いました。
「どうせぶっ倒れるなら、楽しみながらぶっ倒れてやろう」と。

そこから、いろんな悩みや、苦しみを、軽く、楽しく捉えられるようになった感じがしています。

(もちろん、「アタマ」と「カラダ」のケアも重要で、朝の散歩を習慣にしてみたり、お湯に浸かるようにしたり、お酒を減らしたりしたことで、そっちも改善していきました。)


きっと僕たちは、生きる限り、迷いや悩み、苦しみから解放されることはない

これは僕の人生でもっとも幸せなことの1つなのですが、僕は、本当に多くの友人に恵まれました。それは、年齢も、立場も、生まれた場所も、住む場所も全然違う人たちで、そんな友人たちと、よく話をします。

その多くの友人と話す中で感じることが「どの年齢の人でも、どの立場の人でも、どこに生まれようと、皆、悩んでいる」ということです。

それぞれの中に、それぞれの地獄があるんです。

また、自分の人生を思い返してみても、悩みや苦しみががなかった時期なんて、ほぼありません。

僕は、早く悩みや苦しみから解放されたい!と願うけど、それを抜けたらまた、新しい悩みや苦しみが登場してきます。

「きっと僕たちは、生きる限り、迷いや、苦しみ、悩みから解放されることはない」のだと、思います。

それでもなお、人生を楽しもうとする態度でいること

しかし、僕の友人の中には、めちゃめちゃ人生を楽しんでいるように見える人たちがたくさんいます。みんな、同じように悩み、苦しんでいるのに、です。

『悩んだり苦しんだりする=人生がつまらなくなる』わけじゃなく、『悩んだり苦しんだりしてもなお、人生を楽しく生きる術はあるのかも』と思いました。

きっと、人生を楽しんでいるように見える人たちは、悩みや苦しみがないわけじゃなくて、悩みや苦しみとの向き合い方がうまいんだろうなと。

もっと言うと、いかなる状況においても、人生を楽しもうとする態度でいるんだろうなと思いました。

苦しみを”前向きに引き受ける”と決める

人生は、楽しいことが多い方がいいか、それとも苦しいことが多い方がいいかと聞かれれば、もちろん楽しことが多い方がいいと思うのですが、残念ながら、人生は苦しい出来事の方が多そうです。

どれだけ、苦しみを避けようとしても、逃げようとしても、ヤツらはずっとついてきそうです。

とすると、僕たちには、「もうやってやろうじゃねえか!」「意地でも幸せに死んでやるよ!」と、人生に対して大口を叩いて前向きにやっていく、という選択肢しか残ってなさそうなのかなと思います。

きっとこれからも、思いもよらない、想像もしていなかったような苦しみが僕の人生にあらわれると思います。

それでもなお、僕たちには苦しみとかいうヤツらを前向きに引き受け、人間としての成長のための肥料に変えていける力があると、僕は信じています。

ビクトール・フランクルの「夜と霧」の中にこんな一節があります。

人間の内面は、外的な運命より強靭なのだ

僕も、そう信じています。
運命とやらが引き起こす、どうしようもないことにさえも、打ち克つ力が、僕たちにはあるはずです。

人の心を動かす”ロックンロール”の秘密

昨年の12月の初旬、僕は恩師と久しぶりに近況報告を兼ねて、いつもの中華料理屋で、ご飯を食べました。

僕の恩師は、スギさんという方です。
スギさんは、高校時代のサッカー部の監督でありながら、ハードコアというジャンルでは、伝説的なロックバンドを率いていて、今も現役でロックンロールを叫び続けている、めちゃくちゃダサくて、超かっこよすぎる人です。

そんなスギさんに近況報告をしようと思ったら、

「宗一郎、今年はどうだった?苦しかったか?」


と聞かれました。(どうやら僕の心の内は丸見えらしいです。恐ろしいもんです。)

「はい。めっちゃくちゃ」と答えると、心なしか、スギさんの表情は嬉しそうでした。

そして、スギさんはこう言いました。

「その悩みや苦しみ、葛藤のことを、俺たちは”ロックンロール”と呼んでいる」

苦しみや葛藤から生み出される思いこそがロックンロールであり、だからこそ、ジャンルを問わず"ロック"なものは人の心を動かすのか、と思いました。

そして、ならば、とことん悩んで、挫折して、葛藤してやろうじゃねぇか。と苦しむことに対する覚悟が生まれた気がします。
そして、その一言で、去年、苦しんだ自分が救われたような気持ちになりました。

どうにもならないことなんて、どうにでもなっていいこと

アメリカの神学者、倫理学者ラインホールド・ニーバーという方の、こんな言葉があります。

神よ、変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。

自分の力でどうにかなりそうなことと、どうにもならないことをしっかりと、見分けること。

自分の力で、どうにかなりそうなことは、苦しみを楽しみながら引き受け、淡々とやっていく。
では、どうにもならないことはどうするか?

どうにもならないことなんて、どうにでもなっていいこと

これは、ブルーハーツの「少年の詩」の歌詞です。
今の自分にどうにもならないことは、いったんスルーして、できることからにしちゃってもいいんじゃないかと、思います。

そして、甲本ヒロトはあるインタビューで、悩み苦しんでいる若者に向けて、こう言いました。

『いろいろ不安だろう。イライラするしなぁ。それなぁ、おとなになっても不安だし、50過ぎてもイライラするから、そのまんまでいいんじゃないんですか。ものごと解決するよりもさ、イライラしたまんまさ、ロック聞きゃいいじゃん。』

これから、どうしようもできない苦しいことにぶつかった時、僕は、ブルーハーツを聴こうと思います。

喉が乾けば乾くほど、水が美味しくなるように、苦しめば苦しむほど、ブルーハーツは5億倍、心にしみるということも、昨年の大きな発見でした。

真っ暗闇の中だからこそ気がつける小さな光があるように、苦しみの中だから、気がつける本当に大切なものが、きっとあるはず。

人生につきまとう悩みや苦しみと、僕は、こんな感じで向き合っていきたいと思います。

2021年、人生を楽しむ勇気とユーモアを持ち、家族や友達を大切に、困難な道を乗り越えていきたいと思います。

そして、多くの人の力になれますように。

2021年1月3日 三浦宗一郎

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