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苦しさとプロの入り口としての部活の先に #さかろぐ#2020mar19

 さかろぐラジオは早くも第3回を終え、ツイキャスもnoteでの書き起こしも多くの方々に見ていただいき、ただただ感謝です。今後ともよろしくお願いします!
 さて第3回は新型コロナ関連(特に欧州)と部活動、そして最後ちょこっと書籍紹介でお送りしました。新型コロナパートではクロップの言葉から考えるサッカーやクラブの存在意義、また部活動パートではサッカーを続けるコミュニティや生涯スポーツとしての可能性について喋りました。
 興味のあるところだけつまみ食いしてください。ではどうぞ!

↑取り上げた記事はこちら。

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六:(最近の記事の中で)僕が面白そうだなと思ったところとして部活の話を。:中野さんね。
:クラブに所属する選手は全員出すべきだ、と主張する方です。個人的には面白いと思って見ているのですが。
:なんか部活やってた?
:ずっとサッカーですよ。
:え、サッカーやってたん?(笑)そうなんや、いつまでやってた?
:高校までやってた。典型的なタイプで、日韓ワールドカップの影響受けて始めました。大学はガチそうだからやめたっていう。
:全然知らんかったそれ。じゃあ、これを読んで自分の環境的にはどうやった?
:引退はしちゃったなって思う。高校離れてから、大学でちょっとやったけど、フルコートではほとんどやってないかな。ちゃんと11人対11人でのサッカーっていうのはやってない。
:たとえば小中高の時にずっと試合に出てたとか、でられなかったとか、どういう状況だった?これを読んでたしかにって思うことはあった?
:ずっとベンチに入れなかったとか、公式戦に出られなかったとかはなかった。そんなに強豪校でもなかったから、特に小中は強豪校じゃなかったから出てた。一応中学はキャプテンやってたよ(ドヤ)。
:あーなるほどね(笑)。俺も中学でキャプテンやってたよ(ドヤ返し)。
:邨田くんいつから?
:小中高。日韓ワールドカップの前に始めた。
:前に始めた人すごいと思う、全然知らんかった。
:ポジションは左利きやからCB、SB、ボランチ。CBが多かったかな。
:ラポルテじゃないですか。
:そんなええもんちゃうわ(笑)。
:僕はボランチとSBかな。わりと後ろの方でした。後ろの方が努力でなんとかなる気がして、ゴール前とかセンスじゃない?とずっと思ってた。最近はね、理論化されてますけど。
:どうやら違うらしいと。
:早い段階で知っておきたかったわ(笑)。
:自分の経験の話で言うと、振り返って見たら小学生の時も中学生の時も女子選手がいて、普通に一緒にサッカーしてた。俺よりうまかったし。
:いるよね、普通にうまいよね。
:けっこう多様やったんやな。これだけで多様っていうのもあれやけど、そんなに男男してなかったな。
 中学の時は普通に、小学の時も何十周も走らされた。ドッヂボールみたいに投げられたボールヘディングするとか。
:痛そう…。
:顧問の先生に思いっきり殴られたりしたし。
:うちはさすがに無かったな。
(後日談:そういえば色々あって蹴られたやつはいた)
:ボコボコにされたりとかあったし、高校とか足遅かったから試合全然出られんかった。ここに書いてあるあらゆる苦痛を経験してきた気がする。
 なんて言っていいかわからんけど今もサッカーやってるからさ、フットサルやけど、大学の時も週に一回水曜日に、昼休みにゼミでサッカーしてて。すげえ下手くそやし、プレーすんのは高校生の時は好きやなかったんやけど、辞めてから大学の時も、社会人の時もフットサルチーム作ってるし、ずっとそれなりに続いてるから、なんかここで言うような引退という感じとはちょっと違うかも知れん。
:たしかにフットサルっていう関わり方はしてるから、俺も引退っていう気持ちはないかな。サッカーって大学入って、やるの大変だなというのは思うね。22人揃わないのと、コートの確保が難しい。中野さんがプレーする権利って言ってるのはその通りだと思うんだけど、その権利を行使するのがすげー大変。
:たしかにね(笑)。
:だからなんかそれをもって引退してるとか、やめちゃってるって思わない方がいいよな。
:ここに書いてあるのはやってた時の苦痛、不平等とか理不尽な経験でやめちゃうのはいけないよねって話よね。だいぶグラデーションがあるのかなっていう。ただ一回(でもサッカー)やった人は、体動かすならサッカーっていう人は多そうだな。
:フットサルやったら、実はやってたみたいな人もいるしね。大学でやろうと思った?
:部活でやろうとは思わなかった。サークルに入って、一年ちょっとくらいで行かなくなった。それはゼミでフットサルできるからええや、と思って行かんくなったんやけど。部活はもう無理やなって、時間的にも実力的にも。
:俺も一緒。
:けっこう極端やん、環境として。
六:あんまりグラデーションないよね。
邨:学生時代の部活ってだいぶ極端。サークルとかが間を補ってるのかもしれないけど。
:その意味で高校の部活が極端に勝利至上主義に振り切った高校に行っちゃったけど、ただただ楽しみたいって子は、そこでサッカー部に入りたくないっていう状況が生まれちゃうよね。入ったけど、使ってもらえなくて嫌いになっちゃったていう場合もあるし、逆にガチすぎてやれないっていう場合も多そう。
:その辺も含めて、日本の部活の特殊な部分でもあり、各学校にけっこう広範囲の学校にあるのは良いことでもある。教員の労働時間が延びてとか、いろんな問題を含みつつもギリギリ場所としては成立してる。
:そう、けっこうギリギリ。
:中野さんの話で言うと、別の記事ではドイツもU13から、どんどん子供がやめていく人数が増えてるって書いてあって。

DFBタレント育成チーム主任マルクス・ヒルテは警鐘を鳴らしていた。「DFB登録選手のうち50%以上が4~12歳の子どもだ。だがそこからU-13、U-15と上の学年に上がっていくにつれて、どんどん辞めていく子どもが増えていく。これを自然の減少とだけとらえてはいけない。U-13までの子どもたちの指導をしているコーチのうち実に90%以上がライセンス講習会などで指導者育成を受けていない人たちだ。ここへのアプローチをいつでも考えなければならない」
(引用元:中野吉之伴「子どもを“追い込まない”環境を!
ドイツサッカー界で進む育成改革。」『NumberWeb』,20190818,<https://number.bunshun.jp/articles/-/840395>)

:ちょっと離れるかもしれんけど、いまでもたまにあることとしてブラジル人はストリートで育ってきた、みたいな話あるやん。
:あるね。
:ジダンとかもそうかな。最近やったらガブリエルジェズスとかも。幼少期貧乏でそこからのサクセスストーリーみたいなのがあるけど、あれってもうだいぶ神話やん、超物語。
 ブラジルだって才能の選別、ピックアップがあって、ユース、ジュニアユースに入るっていうのがどんどん若くなってる。ストリートから成り上がったぜ、って言ってるガブリエルジェズスも、たしか13歳くらいからかな、ブラジルの有名なユースに入ってたはず。
 ここの中野さんの記事では、ドイツではサッカーが生涯スポーツというか、生涯楽しめるスポーツと言っているけど、やっぱり辞める人がいて。ドイツなんか特に育成の改革に力入れてて、アカデミーの部分でも選別早まってる。どんどん環境が整備されて生涯スポーツになっているとはいえ、プロとの距離感が早い段階で分かったりとか、けっこう簡単に夢を諦めるじゃないけど、そういう環境になってる。
:サッカー始めた時にみんなサッカー選手の夢を背負わされてるというか(笑)。そこから勝手に選別されていく。
:勝手に選別されて、「あ、俺無理なんや」っていうのが早い段階でわかるようになってる。
 日本もそう(選別有り)なんやけど、日本はクラブユースルートと部活ルートと2パターンあるから、ある程度夢を引っ張れるというか。
 そんな中で強豪国は代表に入るような選手とか1部リーグに所属する選手とかは、早い段階で古い落とされるわけやから、そういう意味でプロとの距離が広がっているというのは、続けなくてもいいよねっていう理由の一つにはなるかな。
 子供が純粋に夢っていう感じじゃなかったとしても、自分たちが子供たちのときロナウジーニョってすごかったやん。
:すごかった。
:デルピエロの真似とかしたやん。デルピエロゾーンとか。ジダンのマルセイユルーレット、そういう技を真似したやん。そういうのって減ってんのかなって。
 想像力でも夢でもなんでもええんやけど、そういうところから入って、ある程度続けていくための真似をしてプロになるとか。そういう夢をあんまり見られへんっていうか。サッカー自体がシビアになってる。
 ロナウジーニョとかデルピエロの居場所がいまあるのか?っていうサッカーになってるし、そういう意味でも続ける理由がどこにあるのかわからない。
:だいぶ整備されてるもんね、サッカーを上手くなるルート。それがプロに繋がってるんだけど。
:そういう時に、ドイツみたいに生涯スポーツですよって受け皿があって、じゃあ健康のために、運動不足解消のために続けようとって間口が広ければOKやと思うし。そういう想像力とかと、環境整備とかの構造的な話って感じなんかなって気がします。

続きます。

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