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幅広い年代が所属するサッカークラブがもつコミュニティ特性 #さかろぐ #2020mar19

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:サッカーをやるって時に、プロを頂点としたピラミッドを描くんだろうな。(だから)サッカーを途中で趣味に変えた人たちは諦めたと捉えられちゃう。ピラミッドじゃない見方とか価値観を作り出さないと、生涯スポーツにしにくそう。
:さっきの話ちゃう?サッカーが社会の中でって言う(※ラジオ前半で触れた社会におけるサッカークラブの話のこと。こちらの書き起こしは後日アップ予定)。
:どうなんだろ。ドイツだと幼稚園からおじいちゃんまで所属できるサッカークラブがあるっていう話で、それが社会に対してどういう価値を提供しているのかというと明確にしにくい。(生涯スポーツの文脈だと)プロのサッカークラブとは別で、個人が個人の欲求を満たすための場をどう作るか、どう自治していくのかっていう話じゃないかな。
(会場から「社交サロン」とコメント)社交サロンの場としてサッカーがあるのが自分としては不思議。その感覚は腑に落ちない。日本でいうと書道クラブとか?
(会場から「碁会所」とコメント)あー碁会所ね。
:碁会所って行く?俺が文化的じゃないのかな…。
:そんなことはない(笑)。でもそういう(碁会所とかの)イメージでサッカーを捉えられない。銭湯とかもそうかも。そういうイメージでサッカー見れる?
:銭湯的な感じか。そのイメージは湧きますね。でもどうかな、たとえばサッカークラブで幅広い年代の人が所属するってなったら、いろんな手続きとかさ、たとえばグラウンドを借ります、時間を決めます、どんなサッカーの練習をして試合をするのかとか。いつも権威的に決められてたら、そのクラブって成立しないと思う。運動能力もバラバラで、職業もバラバラで、そういう時にいろんな民主的な手続きが発生するっていうのは、コミュニティとしてはすごく、さっきのオーケストラの話で出てたような状況に近いのかなっていうイメージはある。
 嫌な言い方をすると、ちょっとめんどくさい。めんどくさい場所でもあるのかなって感じがする。いま自分がフットサルをチームでやってるけど、決まった場所で決まった時間にやってるわけじゃなくて、俺は土日仕事やからさ、その中でも行ける時間をあげてもらって、俺が行けなかったら断念するってかんじやねんけど。だから会場の選択肢提示する人がいて、それに意見出して、時間とか調整するわけやん。いまはLINEあるけど、それでも返事するのそれなりにめんどくさいやん。それがちゃんとしたスポーツクラブレベルで成り立ってて、しかも年代も違う人たちで成り立ってる。それがどれくらい普遍的かはわからんけど、当たり前の光景っていうのはすげー意味あんのかな。そういう民主的な手続きをする場所として(の意味)。
:幹事の能力とかね。幹事目線でいうとサッカーの11人ってすごいめんどくさいよね。だから碁会所とかは一人で気楽なんですよね。
:でもコミュニティを維持する人に負担がかかってるやん、碁会所って。
:そうね、だからまあ料金制だけど。
:(碁会所)場所を提供してるっていうか。役割としてはサッカークラブと違う。
:(ドイツで)コート場の数がどんくらいあるんだろな。
:そういうレベルでの、環境での違いでもあるんやろな。
:もちろんその国の人の性質もあると思うけど、それ以上に環境、すぐにやれる場所があるっていう(のは大きい)。そうなるとコートの数が気になってきた。
:最後にちょっとだけネタ提供すると、本で『ワールドカップサッカーの熱狂と遺産』というのがあるんですわ。2002年の日韓ワールドカップの時に出版されたんやけど(出版は2003年)、その中でなんと1個目のテーマと若干繋がるんやけど、田嶋幸三さんが一本論文みたいなものを書かれてるんですよ。
:へー、そうなんだ。
:2003年にね、筑波大学助教授という肩書で書いてるんですよ。
:そっか!なるほどなるほど
:筑波大学助教授という肩書で、「ワールドカップが日本のサッカーに残したもの」という文章を書いています。その最初のはじめにってところに2003年の段階で、「いま持っているこの大きな遺産を、10、20年後には何百倍も大きくすることができるかもしれない」ってことが書いてあって、まさにこの2020年に会長田嶋幸三さんも、まさかこうなるとは、。
 それでここの話がどういう話になっていくかっていうと、サッカーを取り巻く環境と子供の変化として挙げられているのが①外遊びが少なくなった②社会的刺激が少なくなった③コミュニティ、学校、家庭での教育、しつけの低下④競争のない自由なサッカー活動の場の減少。
:あー④はそうかもね。
:それでサッカープレイヤー育成における問題点には①低年齢の子供たちへの指針が示されていない②学校生活による弊害③勝利至上主義④個性が伸びる環境が少ない⑤受験による弊害。2003年現在に、こういうことが書かれてるわけですよ。
:あんまいまと変わらないね。
:とりあえずここでは紹介だけね。他の論文が素晴らしいのでぜひ読んでください。
(会場コメント「最高齢で62歳まで現役」を見て)あー、僕のとこのゼミの先生51歳くらいですね。
:そこまでできるんだね。
:可能性はだからあるんやろな。
:サッカーで年代を超えるっていうのが想像つかないんだよね。
:部活のOB会じゃない?
:でもそこも限界が無い?
:限界はあるけど、1番年代を超えるのはそこやろ。いまあるコミュニティで年代を超えてサッカーをしましょうってなった時、真先に思い浮かぶのはOB会じゃない?それこそおるで、60歳くらいの人。
:サッカー一緒にやるの?
:やるやる。そういう感覚。
:それでいうと、マスターズ甲子園って知ってる?
:マスターズ甲子園は元プロじゃないの?
:いや母校のOBチーム。あれはルール作りが面白くて、基本的に35歳以上で、34歳以下の人は3回までしかでちゃいけないとか。そういうルールを作って、ちゃんと年輩の方も楽しめて、かつ勝負として成立するようなルール作りをしてる。サッカーでもそういう身体的な差が埋まるようなルールづくりができたらもうちょっと長く楽しめるんだろなと思って。
 ウォーキングサッカーってあるよね。絶対走っちゃいけない中でサッカーする。「FOOT×BRAIN」でサトミキがやってた。あれは一回やってみたい。
:あるんやな色々。
:そういう長く続けられるような工夫がもっと増えていくといいね。
:いろんな面でね。
:ルールもそうだし、環境もそうだし。

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