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歴史のアーカイブ、どう残す? #さかろぐ #2020Apr16



4月16日の「さかろぐ」第5回より、「アーカイブをどう残すか」についてサッカーの事例から考えました。配信アーカイブはこちら↓


六:今回テーマとしてもってきたひとつがアーカイブってところですね。専門用語ではあるんですが、簡単に説明すると記録を残していくこと、それを未来につなげていくことがアーカイブのもつ意味だと思うんですけど、なんでこの話をしようと思ったのかのきっかけが2つあって、ひとつは竹内さんが書かれた、新型コロナに対するJリーグの対応をまとめた記事ですね。読まれた方も多いと思うんですけど。もうひとつがSoccerD.B.ってサイトで、全国のサッカーの試合に関するデータを暑かったサイトがあるんですけど。その管理人の方が「SoccerD.B.を作った理由」ってブログを書かれてて、めったにブログを書く方ではないんですけど。その2つを読んで、記録を未来に向けて残すことが大事だなと思って、その話をしようと思いました。

邨:はい。

六:具体的にどういうことかというと、今回新型コロナのいろいろがあったときに、参考にするべきはSARSのときだと思ったんですけど。今回は影響は世界に広がっちゃったけど、あの時に日本のサッカー界がどう対応したのかっていうのはすごく参考になると思ったんですけど。調べてたんですけど、全然出てこないんですよね。本や新聞を探したらあるかもしれないですけど、少なくともネットには全然なかった。

邨:うんうんうん。

六:SARSの時の経験が、少なくとも自分が追う限りは全然生かされてないなと思っていて、その理由の一つが記録が残っていないこと。そういうときの反省とかをする材料がそもそもないから、それができないのはすごくもったいないし非効率だなと思いました。やっぱりアーカイブが必要だなってときに竹内さんが記事を書いてくださって、サッカー界って一面だけど、すごくありがたいと思って、課金しました。

邨:(笑)

六:アーカイブだから無料であるべきとは思うんだけどこの労力を考えるとすごく尊いなと思って。これを無料はやばいなと思って。

邨:課金システムがあるのね、noteは。あの記事は助かる。

六:あれは記者目線でも助かるよね?

邨:そうやな。個人的にはあの会見を最初からずっと出てたわけじゃなくて、東京の記者に任せていた回もあったんやけど。ただいよいよ再開が白紙になるってときに、これまでの発言をまとめなあかんなとは思ってたんやけど。そういうときにこういう時系列で追ってくれていると、確認がぐっと楽になったというか。

六:途中から入るってなると難しさもあるもんね。

邨:そう、全部入るのが俺は難しかったから。

六:今みれば、一番最初の感染者が1月でしょ。もう3ヶ月だから。

邨:結構経ってるよな。

六:うん。それを最初から振り返るのは大変だから、こういうのはいいよね。政府のタイムラインは注目度も高い分まとめる人もいますよね。文字起こしや議論まで書いてくれるからすでにまとめやすい下地はそろってるけど。サッカーだとそういうのに乏しい中で竹内さんがやってくれました。

邨:「これいつ言ってたっけ」みたいなことをまとめ直す時に使わせていただきました。

六:これは前提になるので、ぜひみなさん読んでください。で、こういうものが重宝されるなと思った一方で、思ったのが竹内さんがnoteでやらざるをえなかった理由を考えたいなと思って。新聞社やメディアがこういうものを出せないとか出すつもりがなかったのか。個人で出さざるをえなかったのはなんでだろうってところで、ちょうどSoccerD.B.の方のブログがあって、ざっと要約するとはじめたきっかけと作る上で大変だったこととかが書いてあったんですけど、最後に「サイトが終わる時」って書いてあって。個人サイトだから、やめたくなったらしめられちゃうわけですよ。個人の意思というか思いにアーカイブは支えられていて、ビジネスになりにくいのもわかるけど、頼っちゃうと持続性がないよな、でも解決策は見つかってないからやばいよなってことしか言えないんだけど。
で、ここからは聞きたいことがあって、答えられなかったらノーコメントでいいんですけど。

邨:そんな鋭い質問するつもりなん(笑)

六:いやいや、単純にこういうものを新聞社では書こうとはならないものなのかなって。

邨:うーん、まず紙面には乗らないんじゃないかな。あそこまで細かいものは。扱う範囲と情報によると思うけど。結構年表みたいな、何日に何が起こったって経緯や表はついてることが多いんじゃないかな。ただ溜めていたデータを公開する時に、それを媒体名のついた記事として公開するのかってなると、あんまりそういう発想はないかな。やらないといけないなとも思わなかった。

六:確かに新聞記事として出す意味はあんまりないよね。それはわかる。

邨:今すぐに確認できるデータベースは、これまでに紙面で扱った記事のデータベースで、例えば単語で検索したらその言葉が使われている記事がヒットするとか。それも何年のものまではデータで、それ以前は紙なので確認しに来てくださいとか。そういう感じやけど。こういうタイムライン的なデータとか、記事を書くためのデータの蓄積は、個人でやってるか、サッカー担当として全体でもってるかやと思うから。自分は記録とかは個人でためて、試合の前までに準備してって感じかな。

六:あ、たくわえてるんだ。

邨:マニアックな記録がどうかとか、クラブに確認したりとか。例えば去年遠藤選手が公式戦1000試合出場を達成した時に、何年にどの試合に何試合出場しているかとか。それはSoccerD.B.でも確認したし、クラブにも確認したし、自分でも計算して表にしたりとかはしたかな。

六:記事のデータベースっていうのは「日経テレコン」とか「ヨミダス」的な?

邨:そうそう、一緒。大学で使うよな。

六:やっぱそうだよね。データベースってああいう形になっちゃうよね。

邨:記事単位でも、ネットに上がる記事が何年残るかみたいな。5年前の記事やったらもう見られへんとか、そういうのも気になるしすごい困るよな。

六:新聞記事だとウェブに置かなくなっちゃうからな。確かに。竹内さんのコメントで「僕は歴史年表を作る責任は個人で負った方が早いなと。媒体の歴史認識と僕の歴史認識は違うので」って。

邨:それはそうやな(笑)

六:そうですけど、個人的には歴史認識ってところまでいかなくても、単純に事実として並べたもの、もちろん並べ方に意図があると言われたらそうですけど。「事実の編集って相当恣意的じゃないですか?(笑)」。編集というより取捨選択ですよね。個人的にはそこを疑っちゃうとあらゆるものが恣意的に見えるので、その辺のフィルターはガバガバなんですけど(笑)

邨:媒体の名前、サンスポだったらサンスポでって言えるかっていうのは、仮にじゃあこれを作って出しますってなっても、それが世にでるまでにはもまれるんやろなって感じはすごいある(笑)

六:そっかじゃあ個人かー、でもそれだと残んないんだよな・・・(笑)

邨:単純に労力もすごいしな。

六:そうだよね、15時間はすごい。かかりますよね。

邨:あとものによっては、用意してたものをなんで公開せなあかんねんっていうのはあると思うかな。

六:仕事でやってる人はそうだよね。そうなると最適解は、竹内さんみたいな人が個人で書いて、それをnoteみたいなある程度持続的なプラットフォームに載せておくのが暫定解ではあるのかなあ。

邨:ちょっと難しいよな。

六:きっと多分10年後20年後にこういうことがあるかもしれないって時に、その記事が残っていればいいなって、僕はもうPCに取り込んだんで・・・

邨:じゃあ消すか(笑)

六:消されたら僕が公開するから。「noteが媒体よりSEO強いから」か。確かに。強いですよね。僕のPUB REPORTまとめた記事も検索4番目だったからなあ。公式の次だった。

まあアーカイブの話をしたかったので、しましたって感じです。とりあえず個人で残していきましょう。現時点では。

邨:現時点ではね。


次回の配信は4月30日21時から!

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