近代サッカー戦術用語【ポジショナルプレー】【5レーン理論】とは?

サッカー戦術に欠かせないキーワードとなった

   ”ポジショナルプレー”   ”5レーン理論”

色々な記事を見てるけど、結構複雑に書かれていることが多い印象なので、
僕なりに要点をまとめて簡潔に伝えられたらと思う。
また”5レーン理論”を理解するためにはその前提となる”ポジショナルプレー”についても言及が必要で、合わせて説明する。


◾️”5レーン理論”の目的
ペップ・グアルディオラがバイエルンの練習場に4本のラインを引くことでピッチを5分割する”5レーン理論”の定着を図ったというのは有名なエピソード。でもそもそも何故ピッチを5分割したのだろう。



それはペップが大好きな”3角形をつくり続ける為”。

ペップというのは”最適配置が攻守において優位性を発揮できる”という
考え方を持っていて、試合中では選手の位置取りとして三角形を非常に重視する。
理由としては
”三角形は多くのパスコースを生み、
  ボールを奪われた時に相手を取り囲みやすい”
                         という面があるから。

つまり、”5レーン理論”というのは
この三角形=最適配置を実現するために用いた理論のことなんだ。

三角形と”5レーン理論”
そして三角形を実現するために5レーン理論では原則
「1列前の選手が同じレーンに並ぶのは禁止」(条件①)
「2列前の選手は同じレーンでなくてはならない」(条件②)
「1列前の選手は適切な距離感を保つために隣のレーンに位置することが望ましい」(条件③)
というシンプルなセオリーがある。

ペップはこの誰でもわかる基準を使って、ピッチ上で選手が適切なポジションを取ることを可能にした。

かつてペップがバイエルンを率いたときには
ボランチのラームがDFラインに降りてくるのに合わせて、SBアラバがSBダンテとレーンを交換するような動きを導入。
(SMFの外側を通るオーバーラップに対し内側を通るアンダーラップと呼ばれた)
また、就任して以降のマンCでもボランチが降りるのをきっかけに両CBが開き、
両SBが中へと絞る「偽サイドバック(インテリオール)」を導入して一躍注目を浴びた。

だけど、これらは一見複雑に見えるものの
実は5レーン理論の基本的なセオリーに基づいていたんだ。


◾️”ポジショナルプレー”
こうして、”5レーンとは最適なポジション(三角形)を生み出す理論"だと言うことが分かったところで、やっともう一つの用語が登場。
そう、近代サッカーでは”最適なポジションを取る”
と言う考えをポジショナルプレーと呼んでいる。
もっときちんと言うと、
ボールの場所に合わせて攻守にかかわらず
選手が最適なポジションをとり優位性を確保する概念
”     
とされている。

これは先に述べた”最適配置が攻守において優位性を発揮できる”と言うペップの思想そのものだ。

◾️「いて欲しいところにいる」
よく試合を見ていると”いて欲しいところにいる”という表現をする。
これはポジショニングの良い選手への褒め言葉ではあるけれど、

それを選手11人に90分間常に求めた形=”ポジショナルプレー”
それを体現するための理論=”5レーン理論”

とまとめておく。笑
よかったら友達への説明で使ってください。

では。

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