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ヨハンクライフの言葉から

バルセロナのフットボールの根を作ったヨハンクライフ。圧倒的なポゼッション原理主義者で様々な言葉を残している。

ボールを動かせ、ボールは疲れない。

ボールを奪われたら追うのは当然だ。でも60メートル走るなよ。6メートルでいいんだ。

ボールを持っているときはピッチをできるだけ広くしなさい。持っていないときはできるだけ狭くしなさい。

サッカーではボールを保持し続ければ守る必要はない。ボールは一つしかないんだから。

クライフの言葉で特徴的なのは攻撃だけでなく守備についても言及しているところだ。ただし守るための守備ではなくあくまで攻撃をし続けるための守備であって、局面で言えば攻撃、ネガティブトランジションの2つを徹底的に極めれば疲れないで済むし、ピッチを支配することができるということだろう。
では現代サッカーでクライフの強烈なポゼッション原理主義はどのように映るのだろうか。

クライフの理論は言ってしまえば究極論である。ボールを持ち続けることは基本的に不可能だし、ピッチを広く使って攻めて守る時は狭くはトランジションの際は難しい。奪われた瞬間に短い距離で奪い返すには良い失い方を常にしなければならない。でも、そんな究極論だからこそ誰もが圧倒的ポゼッションで押し込み続け取られた瞬間切り替えてすぐに奪い返し、またボールを動かしてゴールをとりに行くスタイルに憧れを抱くのだろう。フットボールはボールを扱ってなんぼのスポーツだ。そんなクライフのフットボールを高次元で再現しているのがペップシティであるし、そんなペップの教えを受けたアルテタのアーセナルやアロンソのレヴァークーゼンであろう。全ての圧倒的ポゼッション原理主義の出発点はクライフから始まっている。

一昔前の時代からプレースピードという観点で見ると、圧倒的に速くなった現代フットボールにおいてもクライフの思想は生き続けていると思うし、何よりボールを支配し続けることがサッカーにおける不確実性を限りになく排除し、美しく勝つ確率を上げるであろう。フットボールは競技スポーツである前に魅せるエンターテインメントであることは間違いないのだから。

フットボールの試合は、まず観客を楽しませなければならない。

クライフのこの言葉が全てである。ボールを支配し、相手をコントロールし、楽しませ、勝つ。ボールと共に生きよう。

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