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MONOGATARI

私の学校では毎年発表会をやっている。いつもは5月か6月だったが、今年はコロナでできなかった。8月29日にようやくズームでやった。カリフォルニアと日本とブラジルのサンパウロを結んでやった。初めてのリモートの発表会でちょっと心配した。でも大盛況だった。自分でいうのも何だが、皆さん一生懸命やって下さって、皆さんの心を結ぶすばらしい出来ばえだった。

正直、パンデミックがこんなに続くとは思っていなかった。カリフォルニアは今3回目のロックダウン状態である。いつもは年末日本へ帰るのだが、今年はそれもできない。私の生徒さんも、Stay-at-home状態だ。というわけで、来年2月27日にまた発表会をやることにした。

次の発表会のトピックは「物語ーものがたりーMONOGATARIーSTORY」だ。MONOGATARIはに人と人を結ぶ力があるから。これは河合隼雄先生(なかなか呼び捨ては恐れ多い)から学んだことである。「物語というのは、いろいろな意味で結ぶ力を持っているんですね。身体と精神とか、内界と外界とか、男と女とか、ものすごく結びつける力を持っている。」とおっしゃっている。この閉鎖社会の中で、確かにインターネットでの繋がる力はすごいけど、昔から人々はMONOGATARIで繋がって来たんだ。神話しかり、聖書しかり、伝承文学しかり。自分を語ってもMONOGATARIだし、日本の文化について語ってもMONOGATARIだし、私たちの世界はMONOGATARIばかりなんだ。

キリスト教の世界では人々は聖書の巨大な物語のもとに結ばれて来たから、ルネッサンスまで物語ができなかったそうだ。神の力が弱まった時はじめてMONOGATARIが生まれたんだそうだ。それが「デカメロン」。ギリシャ語で「10日間」っていう意味だそうだ。14世紀ペストが大流行したイタリアでボカッチョが書いたMONOGATARIだ。フィレンツェでたくさんの人がペストでなくなる中、10人(女7人と男3人)の若い男女がフィレンツェ郊外に逃れて、10日間毎日10個のMONOGATARIを話したという話だ。

状況もお話しも全く違うけど、コロナのパンデミック中に私の生徒さんたちがリモートで自分の好きなお話をするっていうのもすてきだなぁって思う。今から楽しみです!ノートの皆さんも興味がある人は是非参加して下さい。

カリフォルニアー日本のインターナショナル・ミートアップも土曜日の午前10時半からやっています。カリフォルニアは金曜日の午後5時半なんですけど。詳細はMeetup.com 「日本+カリフォルニア」インターナショナルグループまで。よろしくね!

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