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その人だけの言葉を残す

仕事で、久しぶりにインタビューをして記事を書いた。

わたしのやっている書く仕事は、たいてい取材→テープ起こし→執筆、という順序を辿る。

自分のしたインタビューを文字に起こしていると、自分の取材の下手さにうんざりしつつ、やっぱり人の話を聞くのは楽しいなぁと思う。

というか、久しぶりにしてみて改めて、好きだなーと思った。

知らない誰かが何を見て、何を感じ、何を考えて、暮らしているのか。ときには、そこでそんなふうに考えたの?とか、すごい行動力!とか、驚いたりもしつつ、そういう暮らしもありかも、とか、そういう考え方もありなんだ、とか、自分自身の学びにもなる。

どんな人にもその人にしか語れないことがあって、その言葉を聞けたときは、ときめく。書く仕事をしていて、いちばんうれしいのは、たぶんその瞬間だ。

そして実はいちばん好きなのが、テープ起こし。自分のしたインタビューじゃなくてもいい。インタビューの緊張感抜きで、純粋にその人の言葉をざぶざぶ浴びるような時間がけっこう好き。

あとは、この人の軽やかさだったり、明るさだったり、柔らかさだったり、人となりをどうやったら伝えられるだろう…と考えながら記事にまとめていく。

どんなに小さな記事でも、その人だけの言葉を残したいと思いながら書いている。

フリーになっても、たぶんそこはぶれない。

人に見えない面があるように、施設や場所にも誰かの見えない想いがつまっていて、それは聞いてみないとわからない。そういうのが、おもしろいなと思う。  

まだまだフリーで何か書く立場にはなれていないけど、今の仕事で書く機会は大事にしたいし、仕事以外でも、勝手に聞いて書くことをやってみればいいのかもしれない。

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毒にも薬にもならない文章ですが、漢方薬くらいにはなればと思っています。少しでも心に響いたら。