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入院日誌|病と。ふたたび

n度目の、ネフローゼ再発。再び一か月ほど、入院することになった。

この2年ほど調子がよかったので、油断していた。結婚記念日の5月15日、ちょっと贅沢な食事をした後、どうもお腹が張るなぁと思っていたら、翌週末、尿に泡立ちあり。ネフローゼの兆候だった。次の日、あわてて病院へ。数日間は投薬で様子を見たけれど、良くはならなかった。

家族に知らせ、職場に連絡し、入院の手続きを進める。またしばらく、この世とお別れの準備。いつもと同じ。

いつもと違うのは、テレワークが中心なので、入院中もある程度仕事ができることと、夫という家族がいること、そして、感染対策で外の人に会えないことだ。

あなたのことが大切です

今回のことが一番こたえているのは、私より夫の方かもしれない。付き合っていた頃だって何度も再発・入院はしたけれど、彼がこんなにすべての過程を見ることはなかったし、私から期待されることも違う。

私も、いまは親より、夫を一番に頼りたいという気持ちがあって、つい期待してしまったところがある。病院の送り迎えよりも、仕事を優先しようとする彼を見て、ついイライラしてしまった。妻の具合が悪ければ、何もかも投げ捨ててでも助けよう、くらいの気持ちを期待していた。いま思えばけっこう傲慢…。いつのまにか、他人じゃなくなっていたんだなぁと思う。

大人になると、大事なものが増える。仕事も、家族も、自分の身体も。いつも全部優先することはできないけど、大事にしたいんだよね。彼も私も、相手の期待にいつも応えられるわけじゃない。だからこうやって、ぶつかりながら、探り探り、成長していくしかないのかな。「あなたのことが大切」って伝えるのも受け取るのも、たまに難しいけど、あきらめず。

入院の前日から夫は「やばい、おれ、帰ってきて愛子いなかったら泣いちゃう…」と言いながらすでに泣きそうで、ちょっとかわいかった。ごめんね、でも、私がいなくてもちゃんと生きてね。

生きる速度

いままでの入院では、何もできない(しなくていい)状況にいやおうなく置かれた。でも今回は、コロナ禍でテレワークメインになったこともあり、ある程度できる仕事もある。スイッチを半押ししている感じで、力加減が難しそう。

いまの仕事は正直、向いてないなー、全然役に立ててないなーと思うことも多いけど、もう少し踏ん張ってみたい気持ちはある。

この仕事を続けている理由ややりがいを、色々考えてはみたけれど、どれもピンとこなかった。文章を書く仕事がしたいとか、社会の隅に追いやられている人に目を向けたいとか、読者の声がうれしいとか、どれも言えるけど、表面的な気がする。ただ、いまここで頑張ってみると決めたから。いまはこれをやっておいていいんじゃないかなーと、なんとなく思うから。

とはいいつつ、最近気づいてしまった。自分がそこまで、人生の中で仕事を重視していないことに(笑)。家族に愛情を注ぐことや、毎日工夫して料理をつくること、美しいものや生き物を愛でているときの方が、生きている実感がわく。

そんな自分に折り合いをつけながら、目の前のことをやる。それが大人ってことなのでしょうか。ぴたっと立ち止まるのでもなく、無理に走り続けるのでもなく、ちょうどいいペースを見つけたい。

入院中は時間だけはあるので、また書くかも。

入院日誌、ふたたびはじめます。











毒にも薬にもならない文章ですが、漢方薬くらいにはなればと思っています。少しでも心に響いたら。