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Paris,13th District

映画って本当にいいよな。

瞬間的な娯楽じゃなくて

体感した後もじわじわと染みわたってくる余韻。


これは
昨今の短時間のコンテンツとは対照的で

見る方も覚悟を持って集中して臨むからこそ

その作品の本質、魅力を

最大限味わえるのがいいのでしょうね。


映画館で観るというのは

(お笑いもそうですが

会場で生で見るとなれば

ましてや
金を払っているのであれば、なおさら

臨戦態勢で

そのネタに向き合うことになるでしょう)

他のお客さんがいたり

高い料金払ったり

大きなスクリーンで観たりして

緊張感を持ちながら

素晴らしい環境で体感するからこそ

その作品を

全身で
浴びることが出来るのでしょうね。


そんなこんなで今回は

映画館で「パリ13区」観てきました。

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この作品を観たきっかけは

他の映画を観た時の予告でした。


本編が始まる前に

近日上映予定の映画の

予告動画が流れるのですが

そこで僕は「パリ、13区」に出会いました。



なんと言っても

一番惹かれたのは

音楽でした。



普段、音楽をたしなんでいない僕でも

この予告を観たときに

一番ぶち抜かれたのが

その音楽でした。


それは

臨場感、緊張感、魂の叫びを

脳天に響かせるものでした。



そして

モノクロだからこそ

余計な情報が削ぎ落とされているのか

(モノクロの映画って

何だか今の時代

あえてレトロに見せて

雰囲気出してますみたいな

いやらしい見せ方だなって思ってたのですが・・・)


観終わった後で

モノクロのいやらしさが

鼻につかなかったというか


色のないことで

自分の脳内で色をつけていって

こちらからも

自分の中でその作品の歩み寄っていって

その作品を作っていく感覚が自然にできた気がしました。



音と画でまんまと魅せられてしまいました。




予告だけではどんな内容かわからず

それでも

登場人物が本気で

真剣に生きているというのが伝わってきました。

この登場人物たちは

何を求めているのだろうと。



これもまた心をつかまれたのですが


予告で知らされる

「大人になれない大人たちの恋愛物語」


というフレーズ。



これは痛感する。



僕はもう30歳になるが

まだ子供の頃は

30歳だったら

もうしっかり大人だったろうと思っていたが

実際に30歳になってみると

本当に自分は大人と言えるのだろうかと。


やりたいことを優先するために

やりたくもないアルバイトをしながら

それでも

面白いことってなんだろうって考えながら


けっこう自由な時間を持て余している。



なんか思っていた大人とは違うけど

これがリアルな30歳で

世間一般的には大人と言えるのだから

これがリアルな大人なのでしょうか。



この映画に出てくる人物は20~30代の大人たち。


この「大人になれない大人たちの恋愛物語」は

大人になっても

子供の頃と変わらない「人を好きなになるということ」に

愚直に向き合いながら

苦しみ、楽しみ、もがいている若者の生き様を見せてくれました。



そして

こういう洋画を観る度に思うのですが

自分とはすごく離れたところに住む人たちも

文化の違いはあるにしろ、

結局は本質は同じなんだなと。



人を好きになる感覚や

人に対する気持ちの変化とか。

”人”はやっぱり絶対に共感できる部分があるんだよなって。


絶対に人生で会うことがないだろう離れた地域の人たちと

こうして映画という作品を媒体にして

繋がっていると思うと不思議な気持ちです。

なんか嬉しい。



国なんかなければ

境なんかなくなれば

人どうしの壁とか感覚の違いってなくなったりへらないのかな。


仕切りを作る意味って何なのだろうか?



パリ13区というのは

フランスのパリにあるアジア系移民の人たちが多く住む地域らしい。

フランスにそんなところがあったのも初めて知ったし

経緯はわからないが

異国の地に

別の異国のからきた人たちが暮らしているっていうのは

境がなくなってきてる感じがしていい。

新しい文化とか価値観がそこで生まれていくんじゃないかと。


日本も

近年は外国からきている人が前よりは増えてるはずで、

僕のバイト先にもたくさんいる。

彼らと話すと気が付くのは

いかに自分が日本という閉鎖された中の価値観で生きようとしていたかということです。

日本では当たり前の感覚や知識が通用しないということは

決して向こう側に落ち度があるんじゃなくて

こちらの凝り固まった固定観念のせいじゃないかと。

そんな凝り固まってる自分に出会うとへきえきとしてしまう。


そいういこともあって

この「パリ13区」という地域柄も

僕には惹かれる一因でした。



「Paris,13th District」








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