七月記~後編~
先週、風邪をひいちゃって
それと全く同じタイミングで
家のインターネットも体調悪くなったようで全く繋がらず
前回の七月記を書いてから後半をすぐに書くつもりが時間が空いてしまった。
ようやく週が明けて
僕もインターネットも活動を再開。
七月を振り返るのに八月の貴重な一週間を費やしてしまった。
早すぎるって・・・
七月の後半
まずは15日㈯にシュープロモーションの事務所ライブ
「ジャングルパンチ」
事務所ライブの名前が「ジャングルパンチ」に変わってから
今まではネタだけだったライブに企画コーナーが加わり
出演者それぞれのキャラクターがわかりやすくなったように思う。
ネタだけではわからない
その人の持ち味が企画によって炙り出されてなかなか盛り上がってきてるように感じている・・・僕は。。
今回の企画はイケイケな音楽に合わせて踊りながらジェスチャー伝言ゲームをするというもので
写真の通り、普段踊らないような人が慣れないダンスを踊って
その奇怪さがとってもよかった。
ライブ終わり、打ち上げに遅れてやってきた大北さんは
ビールを頼むと早々に僕をにらみつけて
おそらく、
「俺の分のからあげには箸1本触れるなよ」
と無言のメッセージを送ってきていたのだが
僕はそのメッセージをうまく受信できずに
大北さん周りにある食べ物、飲み物(大北さんが頼んだビールも)
食べ飲み尽くしてしまった。
悔しくも悲しくもあり、その中にほんの少し羨望も込められた
大北さんの眼差しを目の前に
僕はその勢いのまま
皿も箸もジョッキも吸い殻も
目の前にあるものすべてを口の中に放り込んで
その視線をはねのけた。
はねのけられた大北さんの眼球は
隣のテーブルにいた
不良漫才師こと「激突」の柴田総長のリーゼントの中に飛んで行って
姿をくらました。
17日㈪
キングオブコントの1回戦予選があった。
コントばっかりやってるくせに
一度もキングオブコントの予選に勝ち進んだことのない僕は
今年こそはいいとこまで進めれるだろうと
たかをくくっていたのだけども
それが自分の首を絞めていた。
1回戦くらい通らないと恥ずかしいよって思うようになってきて
失敗しないように、失敗しないようにって
決めたことを間違えないようにやろうとするモードにどんどん入り
真面目にネタを完遂してしまった。
とっても不完全燃焼だった。
こういう大会ってやっぱり苦手だねえ。
しかしやはり、終わってみれば
そこにいた審査員に引っかからなかったというだけで
落ち込むのもバカバカしく思えてきて
いつかは評価せざるを得ないときが来るだろうというのを
僕たちはただ着実に準備しとけばいいやと思ってきた。
それよりも、キングオブコントの前日
いつも通り夜は家で少し酒飲んで寝ただけなのに
(少し緊張していたのか多めに酒飲んで煙草吸ってたかも・・)
当日の朝、起きたらなんだか違和感があって
しっかり“おねしょ”していた。
体が無意識に騒いでたんだな。
思えば、その日のスタートダッシュからこけてたみたい・・・
結果はしっかり落選。。。
翌日19日㈫
先ほどの事務所ライブで一緒だった「激突」さん主催のライブ
「赤紙」が開催された。
定期的に開催されるこのライブの最近の構図としては
シュープロメンバーVS.激突選抜メンツ
となっている。
この日のシュープロメンバーは激突、十二番煎、スゴロクズ、大北準也、インザパーク
激突選抜メンバーは
ドッグ石橋、月光トランポリン、ミカミ、お玉子、ザ・ダッチライフ。
激しいライブだった。
一組一組が濃くてエネルギッシュなのでどうしてもそうなる。
僕たちインザパークも
前日のキングオブコントの鬱憤を晴らすかのように
それはそれはめちゃくちゃに
ネタなんか間違えたってどうでもいい、
ただただ全力を体から一滴も残さないように放出させるつもりでやりきった。
西早稲田の地下で激突し合った夜だった。
21日㈮
おくだまさはるさんと飲んだ。
5月にあった浜松漫才GPの優勝のお祝いと称して
一緒に飲んでくれることになった。
聞いたこともない駅に集合して
絶対に一人では入れないようなこじんまりとしたお店に入った。
頑固オヤジがいる居酒屋で
ビールの大きいのと頼むと
大きいのって何?瓶?ジョッキ?
はっきり言ってよ。
そのやり取りで
この店はこのオヤジさんのルールに全て従わなければいけない
オヤジ独裁テリトリーに入ってしまったのだと確信した。
目の前に座るおくださんも
よくこの店に来るということで
あのオヤジはいつもこんな感じなんだと言っていたので
悪い店ではないというのはわかった。
オヤジがクセモノなのだ。
しかしクセモノのオヤジがいる店はアタリが多い。
経験上、味もさることながら
その雰囲気もなんだかんだいいんだよな。
案の定メシはうまいし
オヤジの行動はおもしろいしで最高の店だった。
そのあと近くにあるというおくださんの家に行って
少し飲ませてもらったんだけども
やっぱりこの人もおかしい。
ずっと喋ってるんだよ。
聞けば、漫才の大会「M-1」が一時期終わったタイミングで芸人を辞めていて
「Mー1」が再開したらまた芸人を再開したという
M-1狂いなのだ。
たしかにそうだ。
喋っているときに
ずっと日常でも漫才を磨いてるんじゃないかというぐらい
気を張って言葉をつむいでいるように見えた。
面白いものを
目をかっぴらいて少しでもすくい取ろうとする
お笑い金魚すくい狂いМー1中毒だということが改めてわかった。
22日㈯
クラッシャーマサキさん率いる東京芸能主催ライブ
「暗黒伏魔寄席NATURAL」がありました。
このライブではピンネタで出場しました。
今年や昨年、何度も
お笑いピンの大会「Rー1」への出場を逃してしまっていた僕は
(意識の低さから毎回エントリーしようとしたら期限過ぎてた)
今年は機会があれば
ピンネタも試していこうと思っていて
今回は相方が出れなくなったのでピンで出場したのだった。
このライブも濃いやつらばっかり出ているので
すごくしびれる。
一組も普遍的なネタじゃなくて
それぞれの個性を前面に出したネタで
目が離せなかった。
馬鹿よ貴方はの新道さんとか
元ローズヒップファニーファニーのナゲット村井さんとかは
東京でお笑いを始めてからずっと名前聞いてたし
同じライブシーンにはいるんだけどその中のかなり上のステージで
やってた人たちというイメージがあったので
こうして何年も経って
同じライブに出ているということは何だか嬉しかった。
ちなみにこの日もごめんな齋藤と一緒で
公園での打ち上げでいつの間にかリタイアしていた。
この日も僕はしっかり、こいつを家まで送った。
ごめんな齋藤を家に帰すまでがこのライブなのだ。
齋藤を家に帰したあと、
月光トランポリンの佐野と齋藤帰宅打ち上げをするべく
深めの深夜だというのにラーメンを食べに行ってしまった。
その翌日23日㈰
早朝にバイクを走らせて茨城の牛久大仏へ行ってきた。
一年越しについに開催されたツーリング。
僕は数年前に
近所のお花屋の女の子に恋をして連絡先を奇跡的に交換してもらい
そこから紆余曲折を経て
その女の子の友達たちがバイクに乗るということで
(たまたま僕もバイクを先輩から奇跡的に入手して)
僕もそのツーリングに参加させてもらうことになったのだ。
去年その話が出てから
天候とかのタイミングもあってなかなか行けず、もうこの話は流れてしまうのではないかと思えてきたところ
ようやく今年の七月にこのツーリングが果たされたのだった。
お願いして
4人の最後尾を走らせてもらったのだけど
やっぱりバイクに乗ってるのを後ろから見るとみんなかっこよかった。
うっとりした。
見とれてあやうく事故を起こすんじゃないかとひやひやした。
28日㈮
「KK制作お笑いライブ」があった。
このライブにはいつもマスオチョップさんがいる。
芸人をやって数年したとき
当時の僕の相方の同級生だという松本さんが組んでいた
マスオチョップさんがNHKの「笑けずり」という
若手がベテランに指導してもらいながら
ネタを練り上げていく番組に出ていて
なんとその番組の中で優勝したのだった。
その前からも名前は聞いていたし
実際にライブで見かけたときはすごく面白くて
僕の中では手の届かない存在だった。
このKKライブに出るようになってマスオチョップさんに定期的に会えるようになって
特に西園さんに打ち上げで飲みにつれてってもらうようになって
お前はそのありがたみをしっかりわかってんのかって
自分自身に問いただしたくなるくらいに
なんだかそのことに関して自分が鈍くなってるな。
もう一回笑けずり見直したいな。
そして今月は
街裏ぴんくさんと太陽の小町さんも出ていた。
街裏さんはライブで一緒になるのは初めてで
というかそのくらい出るステージが格段に違うので
生で見てその異様なたたずまいにやはりビビってしまった。
太陽の小町さんは
僕が東京でお笑い始めてずーっと目の前のライブで
面白いことをやり続けている
かっこいい存在で
やってる内容もおかしいんだよな。常人の思考じゃなくて。
久しぶりにライブで会えて、会えてというよりは一方的に見れて
テンション上がった。
そんな人たちに囲まれてやるライブは格別だった。贅沢。
身が引き締まるというか、絶対に全力を出さざるを得ない
すごくいい緊張感をまとえる。
きっとこの状態の僕をお刺身で食べたら相当うまいだろうね。
そのくらいいい状態にあった。
さらに贅沢なことに
そのライブの打ち上げの後に
その日、別の場所でライブを行っていたニコニコモンスターさんが
高円寺で飲んでるということで少し参加してきた。
深夜だというのにひとけが絶えない高円寺のロータリーで
ニコニコモンスターのおかちゃんさんと寺尾さんと
緑茶ハイを飲み明かした。
この二人もバケモンなんだよな。
毎月自分たちのライブやってるし新ネタもたくさん作ってるし
なにより
口からずっとふざけたことを乱射してるバケモノだ。
おかちゃんさんが
翌日、銀座で用事があるからって言って先に帰っていったけど
あれは本当だったのだろうか。
銀座にクワガタを獲りに行くって言ってたかな。。
寺尾さんとはそのあと
イケイケのラッパーがいるというバーに連れて行ってもらったのだが
そこもどうかしていた。
そこには3人のお兄さんがカウンター越しに立っていたのだけど
イエーイお兄さんナンチャラカンチャラナンチャラでイエ~いって
もう最初と最後くらいしか聞き取れないんだけど
ずっと盛り上げようとしてくれている言葉が詰め込まれていたのは確かだった。
言葉はだいぶ吐き出していただろうけどそれは音にしかならず
結果、何一つそのお店ではしゃべっていなかった。
刺激的な店を寺尾さんに教えてもらって
この日は幕を閉じる予定だったのだが
あんまりにも楽しかったので帰りに一人で打ち上げしようと
この日も深い深夜にも関わらずラーメン食べてしまった。
翌日29日㈯
自分たちが主催している企画ライブ「アンチネタライブ」があった。
ネタは一切やらず
企画コーナーだけをやるライブで
自分たちの平場における能力の向上を目的としていて
毎回おもしろそうなゲストも呼んで、
勉強の意味も込めて彼らに助けてもらいながらやっている。
今回のゲストは
承子クラーケンさん、杉並スラッシャーズ寺田、ツイタチ、虹色LOVEの近江
でございました。
終わったあと
この日もそう高円寺のロータリーで打ち上げた。
家の近いやつらで残って
高円寺のロータリーに座り込み
近くのコンビニで酒を買い少しずつ飲んだ。
いつの間にか
月光トランポリンの佐野が
ゴミとか落ちてるロータリーの隅で寝始めた。
相方である「ごめんな齋藤」の亡霊が体に乗り移ったのだろうか。
ごめんな齋藤を彷彿とさせる寝姿だった。
このライブでは月光トランポリンはコンビでは出ていなくて
佐野の方だけ参加している。
きっと参加したかった「ごめんな齋藤の思念」が
佐野の体に宿り
汚い路上にその体を沈めたのだろう。
その一方、
しゅうへいと近江君は「明け方の若者たち」みたいになって何かを語っていた。
こうして七月はあっという間に去っていった。
心を揺さぶる出来事が
それを噛みしめる暇もなく次から次へと勃発していくので
僕は無意識に
ただただそしゃくせずに飲み込むだけの日々になっていたように思えてならない。
八月は1つ1つその場で咀嚼しよう。
まずは歯をみがくかな。