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ソーシャルビジネスをデザインする   第1回「リビングラボの採点表」

株式会社ニューロマジック、イノベーション担当執行役員の藤本です。
ニューロマジックでは、生産性向上のためのプロセス・イノベーション、ソーシャルビジネスデザインを担当。まちづくり中間支援組織のたまプラ・コネクト、猫と人間の共生社会を目指すコードフォーキャットとしても活動しています。

ところで、リビングラボ、ご存知ですか?リビングラボとは、行政、大学、企業、NPOなどが住民と一緒になって、地域の課題を解決していく取り組みです。10〜15年前から、北欧を中心に、展開されてきた共創活動です。

2012年頃から活発に行われるようになってきたアイデアソン、ハッカソンに参加するうちに、藤本は、こんなことを思い始めました。「単発のイベントとしては面白いんだけど、アイデアが実現するところまで、なかなか辿り着かない」「継続できるようなプラットフォームはつくれないものか」そんなとき、リビングラボのことを知ったのです、2014年のことでした。

当時はまだ大阪市職員だった角さん(現フィラメント社CEO)に相談、コクヨさんと一緒に、大阪で、子育てママリビングラボを立ち上げました。子育てママを集めたワークショップは大阪で行ったのに、事情があって、拠点を東京に移すことになりました。京都工芸繊維大学の鈴木先生やコンセントのサービスデザインチーム、シャープの佐藤さん(現在フィラメントCXO)の協力もあって、子育てママ支援の具体的なアイデアをまとめることはできましたが、アイデアの実現までは行き着きませんでした。

そのときの経験を8つの項目で、自己採点してみました。

1)洞察力は、誰のインサイトをもとに考えるのか、課題を出してくれた人と一緒に考えることが重要だということです。
2)資金力は、お金を出す人を明確にすること、行政なのか、企業なのか、手弁当ではいずれ行き詰まってしまいます。
3)ゴール力は、何をゴールにするのか、プロダクト?サービス?アプリ?サービス開発を当面のゴールにしておくのがいいでしょう。
4)遠隔力は、リモートの難しさ、補完するためにリモートは有効なのですが、ワークショップ、スプリントなどで、一同に介して、集中的に行うことが具体的な成果につながります。
5)方法力は、いろんなカタチでのワークショップをやってみましたが、カスタマージャーニーマップが有効だったことです。
6)共創力は、オープンイノベーションは手段でしかないのに、それが目的化してしまうと迷走が始まります。
7)対象力は、当事者意識をもったユーザーコミュニティの重要性です。洞察力のところでも言いましたが、調査対象ではダメなのです。一緒に考えてくれる人でないと。
8)スペース力はコミュニティスペースの重要性です。リビングラボは、企業の会議室や大学の研究室ではうまくいきません。

このときに得られた知見は、その後の、リビングラボの組み立てに、とても有効なものとなりました。それは、下記の5つのポイントに集約することができます。

POINT-1:シンプルな構造(ステークホルダーを増やしすぎない)
POINT-2:お金を出す人は誰なのか(行政?企業?会員制?)
POINT-3:サービスデザイン(新しいサービス開発をゴールにしましょう)
POINT-4:デザインスプリント(が有効です)
POINT-5:ユーザーコミュニティ(があるといろいろ便利です)

住民中心の共創構造がつくれるかどうかが生命線です。         我々と一緒に、リビングラボ始めてみませんか?

ニューロマジックには、

・まず、リビングラボの経験があります。
・そして、ソーシャルビジネスのことがよくわかっています。
・サービスデザイングループがスプリントからデザインまで担当します。

2019年6月から、たまプラーザでリビングラボの実証実験が始まっています。ここでも、書ける範囲でご紹介できればと思っています。

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