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火花、飛んでねんだわ。

これはスパークプラグの話ではない。

noteを始めたという日記だ。

年明け早々いろんな意味で揺れまくっている世界だが、自分はといえば相変わらず夢も希望も枯れ果てて地面に突っ転がり星を見上げては酒を飲み濁った目でネットの無料コンテンツを食む毎日である。

端的に言って、終わってる。

まあさすがに家はあるし、暖房のある部屋で過ごし、ちゃんと布団で寝ている。地面云々はたんなる比喩表現だ。
そう、比喩である。
つまり、嘘ではない。
自分がロクでもない人間であることには慣れたし、諦めてもいる。――がしかし、長いこと抱え込んできた夢や希望が立ち枯れていくさまを諦観して受け入れるには、振り払うべき未練が多すぎる。荷を解こうにもこんがらがりすぎて下ろせない。

小説家になりたいと思っていた。

思っているだけで、何もしてこなかった。
実際は長編を何本か書いて新人賞に送ってみたりはしたものの、箸にも棒にも爪楊枝にも引っかからなかった。
そうこうしているうちに、なにも成せぬまま十年近くが過ぎた。

それでもまだ小説家になりたいと思っている。

思っているので、書いている。
……書いてはいるのだけれど、これがまあすこぶる進捗が悪い。
構想に着手した日付が『2021/06/27』とあるので、かれこれ三年弱を経てなお書き終わっていないことになる。
当初は40ページ(文庫換算)ほどで終わる短編のつもりだったのだが、ガバガバな目算のまま見切り発車し、技術不足と手癖によって制御を失った計画は早々に破綻してしまった。

現在、140ページを超えている。
もはや短編と言い張るには無理がある。
そのうえまだ終わりが見えない。

――さて、この小説を終わらせるにしろ、諦めて別のモノに手を付けるにしろ、とにかく書かなければならないわけだが、問題なのがその速度だ。

三年でたった140ページ。

ここまでくるといくらなんでも筆が遅すぎる。
捗らない要因や言い訳はいくらでもあるが、いちばん大きな点は

「書くことが億劫になりすぎている」ということだ。

腰が重い。布団がぬくい。デイリー消化。ショート動画。映画とアニメ。気が晴れない。何もしてないのに腹は減るし眠いしだるい――
とにもかくにも、ファイルを開いて真っ白なモニタに向き合いキーボードを叩くという行為に、泥のような抵抗を感じてしまうのだ。

思うにこれは、あまりにも書かなすぎたせいである。
元々”こう”だったわけではない、昔は1日1万字とか書いていた。
無論、連日のことではないし、内容の良し悪しは横に置いて布を被せて見なかったことにしたいが、それでも執筆に没頭することはできていた。

あのとき頭の中では、火花が飛んでいたと思う。

だがしかし、いつのまにか書くという営み自体の摩擦抵抗が大きくなり、今はエンジンをかけることすら苦労するようになってしまった。

だからもう一度、冷めきった情熱への点火を試みるために、煤まみれのプラグをブラシでごしごし磨こうと思った。書き始めるための暖気。習慣づけ。そういうエクササイズ。そのための日記だ。
ただ書くだけならカクヨムやなろうがあるのだけれど、それらは成果物を投げる場所だという感覚があり、いまいちピンとこない。
年も変わったことだし、これを機に新しいプラットフォームに手を出してみるのもアリかなと思った次第である。

――というのが前置き。

なげえ。
今の時代どんなコンテンツでもイントロが長いというだけで見限られるぞ。
まあ、どうせ俺しか見ない日記だからこれでええか。
とにもかくにも、noteでは日記というか、なんでもいいから書くという行為を目指したい。

正直、続けられるか分からない。
ソッコーで飽きて蓋して放置する可能性のほうが高い。
Xだって全然ポストしてないし……。

とりあえず、今年の目標は一つ増やして

:小説を書き上げる
:死なない
:noteやる
*new

の3つになった。
これはそういう日記である。

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