話食のすゝめ
目指せスーパースター。蕎麦宗です。
少し前に久しぶりに外食をしてきた。いつもは混み合っている店内が、緊急事態宣言の影響のためかガラガラだった。壁には
『黙食の勧め』
と、国や行政が推奨している流行り病への対策とおぼしきポスターが目立つように貼ってある。メニューにも『会話はお控え下さい』とある。狭い店内がアクリル板でさらに狭ぜましくなり、店主の気にする素振りと相まって逼迫した物騒な気配が店中を包んでいた。
僕は完全にこれはバツだ、と思った。正直言って来たくない。わざわざお金を使って外食をして暗い気分になるのはゴメンだ。
ただでさえ人の動きが鈍って飲食店が苦しい状況なのを、そんな風に自ら首を締めてどうするのか。これではみんなが外食から離れていってしまうのではないかという危惧。
それぞれの店にスタイルがあるので、正し悪しは知らない。しかし、飲食店はただ空腹を満たすために『食べればいい』という場所ではない、と僕は思っている。食事というひとときを、笑顔で過ごしたいからこそ、わざわざ出向きお金を払うのだ。
けれど、世の中の大半は素直で真面目な善良な人達だ。TVと国家の言う通りに、戦時中みたいな抑圧された雰囲気の中で外食している。蕎麦宗も例外ではなく、もちろん配慮は必要とはいえ、お通夜みたいな異様な静けさに包まれることがままある。もう20ヶ月(2021年9月現在)。そりゃそうだ、この習慣が定着しても無理はない。
せめて自分の店だけでもなんとかしたい。そこで僕は思いついた。
《話食のすゝめ》
加えて『楽しいお食事を!』と、店内のお知らせ黒板に、そしてブログに書いている。
《黙食の禁止》と書くのも、お上に喧嘩売っているようでそれはそれでロックンロールだけど、出来るなら明るくポジティブにありたい。で、普通に会話をしながら楽しいお食事の時間をお過ごし下さいね!という提案をこの標語に託した。
飲食店のクラスターなんて実際にはほとんどないし、肩組んで頬を寄せて大騒ぎして蕎麦をすするわけではないので、とてもハイリスクとは思えない。
それでもどうしても心配だと言う方は、真空パックのテイクアウトも用意しているので、ご自宅で召し上がってはいかがだろう。少しでもご自身が安心できて、そしてみんなが笑顔で過ごせる形を望みます。
それにしても、本当にこれほどまでに大事なのか?。亡くなった方々や病状に苦しんでいる方には、心から「お悔やみ」と「お大事に」という心を届けたい。
でも、僕は一年以上首を傾げ続けている。何が緊急事態なのだろう。印象ではなく、根拠をもとに考えたい。
『一人を騙すよりも100人を騙す方が簡単だ』
フランスの心理学者*ギュスターヴ・ル・ボンの指す《群集心理》の話を添えておく。
では、ガンバラナシませう。
*ギュスターヴ・ル・ボン…《群集心理》というこの考えを、国家や指導者が悪用する危険性を説いている。ヒットラーがそれをしたのは知ったる通り
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