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レディースKIMURA

目指せスーパースター。蕎麦宗です。

 蕎麦宗のある三島の街はかつて東海道の宿場として栄えた町で、人口わずか10万人ほどの小さな地方都市にしては珍しく、いまだに商店街が成立している。

 商店街と言う名の密集した商業地区の成立はさほど古くなく昭和の始めだといわれているが、その役目は家電量販店にホームセンターやショッピングモール、そしてインターネットなどに譲りつつあるので、現在のように専門店が集まった形のこの姿が残るのは大都市のごく一部で、ほとんどはシャッター通りになるかと思われる。

 そしてやはりそれは三島の街も例外ではなく、空き店舗も増えており、少し前に80年を超える老舗《やぎ呉服店》が、近々《アプローズ》さんが、そして表題の《レディースKIMURA》さんが閉店した。
 少々寂しい話ではあるが、三島の街を代表するアパレルショップが軒を畳む事が象徴している通り、問屋を含む業界を取り巻く環境の変化の流れは速く、ファストファッションが主流となった今となっては渋谷や原宿のような場所でもない限り生き残りは難しいだろう。

 過日、その《レディースKIMURA》さんの御一家が来て下さった。全国にファンがいるお店なので、遠方からいらしたお客様の昼食にと《蕎麦宗》を勧めて頂いて、多くの方々立ち寄って下さっている。ありがたい限りです。
 奥様、お姉さんは度々来て下さっていたが、旦那さんは初めてのご来店。聞くところに接客のために「昼は店から出ない」と決めてらしたとのことで、合間に弁当など掻き込む生活を51年してきたそうだ。

 そういった商売上の姿勢も、そして近く傘寿を迎えるお歳とは思えないピンと伸びた背筋(そしてもちろんオシャレだ)で立ち歩く姿勢も、『カッコいいな〜』ってそれに憧れていた身としては、閉店は残念ではある。長い間おつかれさまでした。

 時の移ろいは致し方なく、一つの時代が終焉を迎える頃なのだろうと思う。KIMURAさんに来ていたお客様たちがそうであったように、これまで僕はどんな買い物(飲食も含め)も、ただ商品を買うのみではなく、その店主や店員の生き方や考え方も付随して購入してきたと思っている。そんなアパレル店での想い出を一つ思い出したので紹介しよう。それは次回。

では、ガンバラナシませう。

#生き延びる商店街 #東海道の宿場を歩く #付加価値と商品 #アパレル業界の現状


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山川宗一郎
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