土蔵のこと

土蔵への思い

 2011年3月11日14時46分18.1秒に発生した東北地方太平洋沖地震、即ち東日本大震災で被害を受けたその年に、小さい頃の思い出もある蔵を壊すのには惜しいと考えて、曳家を行うある建設会社に連絡を取った。
 その時いただいた見積もりは、曳家工事だけで160万でした。壊れた土蔵の修理代などは入っておりません。


 その時は、蔵を何とかしようと考えただけなので、その魅力と利用の仕方を深く考えたものではありませんでした。今までのような倉庫としての役目だけで費用をかけて直しても意味がないと思うようになり、断念しました。
 それから、11年が過ぎました。その間に、壊すか、何かに利用するか悩んできました。家族の考えは、私と違って壊す方向でした。
 私は、先祖からの預かり物、そして、自分の思い出がいっぱい詰まっている蔵です。壊すのには忍びないのです。

土蔵の魅力とその利用

土蔵は、壁が分厚く構造がしっかりしている。そもそも、蔵は火災に強く耐震性もある。外部の気候の温度差に対しても、蔵の中は夏は涼しく、冬はあ高い。そのため、従来は、蔵を穀物の貯蔵庫として、また、大切な品物を守る場所として利用していた。

その藏をこの度は蕎麦工房にリノベーションしようと考えている。
現在、当店で蕎麦きりとしてお客様に提供して、高い評価を得て得る発芽玄そばをよりよい環境で作れるようにと、蔵全体を発芽のための恒温室に改造して、蕎麦工房にしようとする試みである。
さらに、手打ちだけでは、お客様の要望に応えきれないので。麺打ち機などを導入し、店頭でも、蕎麦切りを提供したいと思い、の機械化製法を確立するつもりです。