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【ゼネラルパートナーズ×soar】「知る」ことが困難を解決する鍵になる

soarでは、ウェブメディアの運営やイベントの開催だけでなく、企業での社内講演など法人向けにも活動の幅を広げています。9月3日(月)には、株式会社ゼネラルパートナーズにて社内講演を実施しました。

ゼネラルパートナーズは「誰もが自分らしくワクワクする人生」を目指し、「社会問題の解決」を起点に事業を行なっている会社です。具体的には、障がいや病気のある方達の採用に特化した人材紹介・求人情報サービスを提供する転職サイトの運営や、就労移行支援などに取り組んでいます。

以前soarのトークイベントにゼネラルパートナーズの社員の方が参加したことをきっかけに、soarサポーターとなってくださいました。そして現在はさらに、法人サポーターとしてsoarの活動を支えてくださっています。今回はご一緒する最初の機会として社内講演を実施する運びとなりました!

当日は、ゼネラルパートナーズの社員25名が参加。soar代表の工藤瑞穂とゼネラルパートナーズ代表取締役社長の進藤均さんによる対談も行われました。今回は、その内容の一部をご紹介します!

困難のある人たちと素晴らしいサービスを結びつける媒介者としてのsoar


まずはじめに、soar代表の工藤からsoarの活動についてお伝えしました。  工藤がsoarをはじめたきっかけのひとつに、身内が統合失調症になってしまったことがあります。異動先の部署が合わずにうつ病を発症し、現在まで約10年もの間精神病棟に入院しているのだそう。

どうして病気がひどくなる前に助けてあげられなかったんだろう。

工藤は当時、すごく後悔をし、統合失調症についてをインターネットや文献、講演に出向いて調べるようになりました。

そこで出会ったのが、北海道浦河町にある統合失調症などの精神疾患のある人が暮らし働く場所「べてるの家」です。べてるの家の人たちを見て、「人は弱さで繋がることができる。病気が治らなくても幸せになれる」ということがわかったのだとか。

それと同時に「もっと早くにこの場所を知っていたら」という思いにかられます。

工藤:困難があるときに情報を知っているかどうかということが、人生の明暗を分けるのだと実感しました。そこで、困難のある当事者の人たちと素晴らしいサービスやプロダクトなどを結びつける媒介者のような存在になれないだろうかと考えsoarを設立しました。

soarスタッフとして働く中で芽生えた熱い想い

当日はsoarスタッフもsoarとの出会いや活動する上での思いについても、お話しました。

soarに出会ったのは、うつ病でベッドの中で毎日泣いているときだったと話すのは、soarスタッフの野田菜々。

野田:soarの記事はどれもキラキラと輝くような笑顔の方ばかりで、「私もいつかこんな風に笑えるようになるんだ!」と思って毎日soarを読んでいました。そうやって、自分の心に栄養をあげていたんです。

野田はうつから回復しつつあったときに、soarのインターン採用へ思い切って応募をしました。活動を続け、メンバーや読者の方々と一緒に過ごすことで、心から笑えるようになってきたと心境を語ります。

野田:一番大事なのは『ありつづけること』だと思っています。お守りのように感じている存在が、突然なくなってしまうのは本当に寂しいし、心の拠り所を失ってしまったように感じると思います。だから、私はsoarが永くあり続けられるよう、団体を運営していきたいと思っています。

一方、スタッフの松本綾香は、知人に発達障害や身体障害があったこと、がんを経験した身内が多かったことなどから、病気や障害が身近であり、soarの活動に興味をもつきっかけにもなったのだそう。

松本:大学では経営学部を選考して、その後ITエンジニアとして働いていたので、周囲にも福祉職や支援職の人はほとんどいませんでした。でもsoarというメディアを通して色々な取り組みに出会って、福祉業界には素晴らしい先進的な取り組みや、刺激的な人がたくさんいることを知りました。

soarで活動していく中で、なにより自分自身が励まされていると日々感じているといいます。だからこそ、多くの人に「soarを通して様々な取り組みに出会ってほしい」という思いが強まっているのだと語りました。

松本:きっと誰にとっても、soarのテーマは遠いものではないはず。実際に友人からうつの症状についての相談を受けることもあります。だから、今は支援などとは無縁だと感じている人に、何かあったときにsoarがあるように。soarを通して希望を届けたいと考えています。その架け橋としての役割を全うしたいです。

「知らない」ために起こる困難を減らす

差別・偏見の背後には「知らない」という問題がある。

soarの活動紹介のあとのトークセッションは、そんな進藤さんの言葉から始まりました。

「障害者は大変」「仕事も難しいよね」などといったことばを聞くこともあるけれど、実際には相手のことを“知らない”だけ。まずは「知る」ことでお互いを活かし合えるような関係性を築けることも多くあるのだと、進藤さんはいいます。

ゼネラルパートナーズでは、その状況を伝えていきたいと、障害のある方やうつ病、難病の方のなどに向けた就職支援や、メディアでの情報発信などを事業としているのです。

「全ての人の可能性が開く瞬間を捉える」というsoarのコンセプトにも繋がりがあるように感じていると話してくれました。

“生きていくヒント”を伝えていくメディア「soar」

進藤さん:soarはユーザーのために記事をつくって、社会のために発信をしていると感じています。soarの読者はどんな思いで記事を読んでいるのでしょうか?
工藤:インターネットで検索してsoarの記事にたどり着いた方は、切実に情報がほしいと感じている方です。soarの記事をみて情報を受け取っているけれど、soarだと認識していない方もいると思います。

工藤は、情報を必要としている人に届けたいと思って活動をしているため、soarと認識されていなくてもそれはそれで良いのだと続けます。

一方でTwitterやFacebookなどのSNSを通じてsoarを知り、継続的に応援してくれている方も多くいます。中にはsoarの思いに共感しsoarの運営を寄付で支えるsoarサポーターになってくださる方も。

価値観に共感しているので、soarがあり続けてほしい」「同じ病気ではなくても、記事から共通点を感じられた。

サポーターのみなさんからはこんな声も届いています。

工藤:NPOへ寄付するというと「困っている人への支援」というイメージが強いかもしれません。でも、soarサポーターの方たちの中には、soarを読むことで「生きていくヒントをもらえる」と考え、サポートをしてくれている人もいるのだと感じています。

ポジティブな感情を原動力に

進藤さん:工藤さんが活動していく上でのモチベーションの源泉はどんなことですか?
工藤:なにか行動を起こす人の中には「怒り」が原動力の方もいるかもしれません。確かに過去の自分が感じた「悲しみ」は私にもありますが、それよりも自分の気持ちが高揚するような瞬間に注目して活動するようにしています。

「楽しい」「素晴らしい」というポジティブな感情がsoarの活動を継続する上で原動力になっているのだといいます。人が前を向く瞬間や、できなかったことができるようになる瞬間を詰め込んだsoarを、多くの人に届けていきたいのだと熱い思いを語りました。

同じ思いをもった仲間とともに多様な価値観を届ける

社員の方からは「多様な価値観の人に届けるための工夫はありますか?」という質問も挙がりました。

工藤:記事を作るときは、困難を困難として伝えるのではなく、そこから誰にでも学びになるような“生きる知恵”を見出せるようなつくりにしています。

soarの記事は当事者の方はもちろん、当事者以外の方が読んでも学びになると言ってもらえることが多いのは、こういった工夫から生まれるものなのかもしれません。

その他にも、取材先との関係性の築き方についてや、記事企画の情報集めの方法など様々な質問をいただきました。

参加した社員のみなさんからは、「自分の活動や興味の範囲が広がっていくような気持ちになった」「関心あるテーマをもっと調べてみようと思った」など、前向きな感想がたくさん寄せられました。

イベント終了後は、soarの活動に刺激を受け、今後は自分たちが目指す未来のために、よりいっそう主体的に活動をしていきたいと伝えてくださった方もいらっしゃいました。今後ゼネラルパートナーズとsoarと一緒に何ができるかについてや、他団体を巻き込んで社会をよりよくするための取り組みを考えたりと、それぞれが新しい学びが得られる機会になったのではないかと思います。

今後もsoarでは、法人向けの社内講演や研修プログラムの企画などを積極的に行なっていきたいと考えています。ダイバーシティ推進や新規事業創出など、様々なテーマで対応できますので、ぜひご相談ください。

詳細はこちら

Written by 田中みずほ/soar編集部

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