遠くへ行きたい
遠くへ行きたい
andymoriの曲である。
小山田さんの曲が旅への憧れを掻き立てる。
変わり映えのない日常をさらにつまらなくする。
日々を浪費している感覚だけが募る。
別にやることがないわけじゃない。
今日だって帰って絵を描かないといけないし、締め切りの近いコンクールがあるし、最近顔を出していない習い事にも行かなくてはいけない。
でもそれは限りなく日常に過ぎない。
特別でない。
それは、ただの毎日なのだ。
時々寝るときに考える。
これでいいのかと。当たり前のように終わった1日に不安と疑問を感じる。
そんな気持ちを10年以上抱えている。
小学生の時、母親に尋ねた。
土曜日の朝だった。まだお父さんは起きていなかった。
布団の中から枕元の時計を無意味に見つめていた。
「起きて寝てを繰り返して、一生このまま終わってくのかな。」
あいにく、母親の答えは覚えていない。
多分そんなに答えを欲していたわけじゃないのだと思う。
ただ、その心にむかむかとたまる不安を言語化して、まだ疑問にすらなっていなかった思考を疑問にする。それが目的だったのかもしれない。
なんせ小学生なので、不安を抱えたままではいられなかったのだろう。
ずっと続けている習いごとを、高校生になったら絶対に辞めてやると息巻いて言ったこともあった。
結局辞めずに続けている。長く続け過ぎても終わらせられなくなる。
それは日常を終わらせることだから。
あと少しだから、と思いながら続けた習い事も学校も、辞めてしまえば寂しくなるのかもしれない。
遠くへ行きたいと感じるのは日常があまりにも充実しているからなのかもしれない。
でもやっぱり、遠くへ行きたい。
誰も知らない土地に行くことも、ずっと続けていたことを辞めることも、どんな結果になるかわからない。
それでも、小学生の時から抱える不安のように、一生このままで終わるよりはよっぽど何も怖くない。
とりあえず夏休みどこかに旅行したい。
「男はつらいよ」に出てきた場所巡りがしたい。普通にディズニーに行って女子高生らしくはっちゃけたい。沖縄に行ってでかい魚見たい。広島の揚げもみじ食べたい。
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