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④Him Down Parkaと僕

バルトロライトのブームのおかげで、
ダウンジャケットも冬のアウターの主力として
後ろ指をさされることも減りました。
ありがたい。

その昔はそれこそミシュランマンに揶揄されたり
ファッションとしてダサいと言われたり、
ダウン好きとしては悲しい思いもしたものです。


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今までいろんなダウンジャケットを買ってきた僕ですが、
現在の僕のパートナーはこちら、
ノースフェイスのHim Down Parkaです。

嵩!とにかくこの嵩!
ダウン量!
力こそパワー!ダウンこそフェザー!

すみません、取り乱しました。



去年このダウンが発売されることを知り、
ちょうど昔のノースフェイスをディグっていた僕は興奮しました。
古き良きノースフェイスの良さ(初期バルトロっぽさ)と
いまどきのバランスも相まってまさに満点のデザイン。
リサーチにリサーチを重ね、発売週に速攻でゲットしました。

バルトロライトの大ブームの中ということもあってか、発売前から
・店頭発売日はシークレット
・直前まで絵型のみの展開
・その情報量の少ない中でも予約を受け付ける店も出てくる・・
などなど結構なハードルの高さでした。

ところがいざ発売されてみると、
どうやらあまり売れなかったらしく結局完売せず、
それどころかセール対象になる始末。
(バルトロは相変わらず完売なのに)

自分は着ていて大変に満足しているのですが、
確かに売れ残る理由もわからなくはない。

「手こずる」のです。このダウンは。

そして、その「手こずる」ダウンが売れ残っているということで、
少し今の服の売れ方がわかったような気がしました。

そんなわけで今日は、
ヒムダウンパーカについて。



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■Him Down Parkaの特徴 その①「着丈が長い」

着丈の長さ=上着の裾のライン、は
コーディネートの中でも一番主要な「横の線」です。
そこが上めになるのか下めになるのかで
全体の印象は凄まじく変わります。

着丈が短ければコンパクトに見えてシュッとした印象、
長ければ重く見えて野暮ったい、ルーズな印象になりがちです。
(ストリートブランドは大体着丈が長い)

女性だと「お尻が隠れた方がいい」とか
別の意味のニーズがあるかもしれませんが、
ともかくヒムダウンは着丈が長めです。
着用した時に袖口よりも身幅の裾の方が長い。

対策として、
”サイズを適正以上にして肩幅余りを増やして袖丈をより長くする”
というテクもなくはないですが、
もともとヒムダウンは全体的に大きめなので
あまり向いていないように感じます。

また、着丈の長いぶんだけ、
全身のなかで占める上着の面積が大きくなる。
そのためパンツ選びが難しい。
少なくとも「シンプルにスキニー合わせとけばいい」
みたいなことがない。

これも着丈が短ければまだなんとかなったと思いますが、
パンツとの相性で言うと合わせるものを選ぶダウンだと思います。
※これが新宿の飲み屋のキャッチに流行ってない理由だと思う

個人的には、合わせるパンツにはある程度の太さが必要で、
裾口がぐっと絞られているパンツがバランスいいです。

着丈長いゆえの印象パンツ選びの難しさ
まずこれがみんなが手こずる理由の一つではないかと思います。


⬇️ぼくはこんな感じで着ています。

(着丈対策として裾をちょっと開けておくのもあり)


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■Him Down Parkaの特徴 その②「フードがでかい」

男の器とフードは大きい方がいい、なんてことを申しますが、
(CV:博多華丸)

ヒムダウンの一番の売り、強みはここだと思っています。
首回りに大きなポイントを作ることで
コーディネートの支点を上にあげることができます。

真面目な機能面で言うと
画像で見てわかるように開口部を調整するストラップ付き。
できる限り顔を隠して寒さをしのぐことができます。

おそらく全体的なところでは
街着として作っている一着であろうと想定していますが、
こういうところにガチの物の(便利な)ディテールを入れてくる、
やっぱりゴールドウィンはうまいなあと思います。

そして、この開口部のストラップが、
ヒムダウン最大の弱点をカバーしてくれるキモなのです。


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■Him Down Parkaの特徴 その③「フードが一体型じゃない」

これです。
これがヒムダウンの攻略度を格段にあげています。

フードを取り外すとやや高めの襟があります。
本来であればヌプシっぽく着ることもできて一石二鳥、のはずなのですが、
ヌプシは着丈が短めだからこそフードがなくてもアリなのです。

ダウンジャケットの代表作の一つ、
ヌプシに酷似しているからこそ逆に既視感が邪魔をして
「着丈が長い野暮ったいヌプシらしきもの」にしかなりません。
正直フードを外して着る、は現実的でないとさえ思います。

※あくまで自分が着るとしたら、という前提で書いています、
 ボディバランスが異なる誰かなら克服できる可能性もあると思います。

そして、一体型でない大きなフード、ということは、
前をとめずに着た時にフードが寝ます。

元々の襟もあるので二重に襟があるような印象で、
しかもどっちもダウンで厚みがあるので大変です。
首回りの情報量が渋滞を起こします。

購入後もしばらくいろんな人の着方を探しては
参考にしているのですが、少なくとも見つけた中では
この違和感を解消しているスタイリングはありませんでした。
(着てる人の問題じゃなくて物としてのアクなわけですが)


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そこで働いてくれるのが先ほどのフード開口部のストラップ。
こちらの画像はそこをギューーっと締めた状態。

実際の着用画像ではないのでちょっとわかりづらいですが、
ひとつ前の画像よりは気持ちコンパクトになっています。
フードを閉じない時は必ずこうしています。

これだけでフードが寝きることがなくなるので
見た目の印象も結構変わります。

あとは、フードはマジックテープ開閉なので
見頃は開けたまま着るとしても、
フードだけ甘くとめておいて立たせる、もいいです。


○:できるだけ全部とめる(せめて半分でもとめる)
△:開けるならストラップできつめにしてなるべく立てる
✖️:だらーんと寝かしたままにしとく
という感じです。

これだけでもかなり顔周りの印象違います。



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なんだか長くなってしまいましたが、
ヒムダウンの攻略に関わる大きな特徴を
ざっと3つ挙げてみました。
(ここいらでまとめないときりがないと感じた)

ひとまずここに書いた方法と視点だけでも、
かなりヒムダウン攻略はしやすくなると思います。

もうちょっとうまいこと文章をまとめられたような気もしますが
そんなこと言い出したらいつまでたっても公開できないし、
まあそこは許してください。



そして同時に、これらのヒムダウンの問題をすべて、
バルトロライトジャケットはクリアしているわけです。
(長すぎない着丈、寝ない高い襟、羽織るだけでいい)

そりゃ売れるわなバルトロ。
工夫しなくてもいいし、悩まなくてもいい。

今はもうトレンドっぽさもコーディネートの模範解答も
なにもかもが片手でサクっと簡単に手に入るので、
「手こずる」服をわざわざ買う必要はないのかもしれません。

ヒムダウンに「○%OFF!」というタグをみるにつけ、
なんだかそんなことを考えさせられるのです。

「悩まずに」「おしゃれする」。

それがフツーになってきているのかと思うと、
なんだか寂しい気持ちになるのは
僕が老害の入り口に立っているからなのでしょうか。



(まあ正直「そんなもんテクり散らかしてなんぼでも攻略したるわ、
 服好き舐めんな」、と思っているんですが)



そして、だからこそ、
天の邪鬼な僕は余計にヒムダウンが
愛しかったりもするのです。

今年の冬も大活躍してもらうつもりです。




・・マアでも、それとは別で今年もダウン買ったし、
まだ2、3着狙ってるダウンがあるんですけどね・・




というのはまた別のお話。

結局ヒムダウン攻略の全貌は書ききれませんでしたが、
今日はここまで。

メリークリスマス🎅。

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