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【ライブメモ】tacica猪狩翔一『ROCK de ACO!! -新年会-』 at 2024.01.26 名古屋CLUB UPSET

『ROCK de ACO!! -新年会-』
猪狩翔一(tacica) / カナタタケヒロ(LEGO BIG MORL)
2024年1月26日(金)@名古屋CLUB UPSET
18時半開場/19時開演
※当日券あり

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セットリスト

01. 大陸(2013年AL『HOMELAND 11 blues』)
02. 象牙の塔(tacica 2020年Sg C/W)
03. ネバーランド ※僕が今日の日を忘れなくても〜
04. 人間賛歌(tacica 2022年AL『singularity』)
05. ぼくら(tacica 2023年miniAL『YUGE』)
06. ホワイトランド(tacica 2018年Sg)
07. ordinary day(tacica 2018年Sg)
08. ダンス(tacica 2022年AL『singularity』)
en. DAN(2013年AL『HOMELAND 11 blues』)

猪狩さんは二番手。20:00〜20:59、アンコール入れて終わったのが21:08。
いつぶりだろう?というくらい久しぶりの象牙の塔に歓喜。ホワイトランドDANは、昨年12月から弾き語りのラインナップに食い込んできていて最高。

会場のことなど

水曜日ぐらいまで雪の影響で、特に名古屋より西が新幹線に遅れなどが発生。前日までこまめにJR東海の運行状況を確認するなどかなり心配していたけど、ライブ当日の金曜は特に遅れもなく無事に移動できた。

東京も名古屋も気持ちいい快晴。とはいえ、風が冷たくて寒かった。しっかり冬の気候。

18時半になると整理番号が一人ずつ呼ばれ、5名ずつエレベーターで5階へ。会場は椅子が目一杯、敷き詰められていた。100席弱くらいあったのでは。そのせいか、物販コーナーがなかった。なるやんさんも不在だったっぽい。

ステージはいつもの裸電球が7個、演者を囲むように配置されていた。シンプルだけどおしゃれ。

感想など

猪狩さんの服装は、チャンピオンのグレーのフーディー、デニムロールアップ、ワラビー。メガネあり、スタンディング歌唱。水とコーヒーのペットボトル。

1曲目は大陸。圧倒的な声量。猪狩さんのボーカルを味わい尽くすためにあるような曲。そもそもtacicaの曲がすべてそうなのであるが。

続いて、象牙の塔。イントロを奏でた瞬間から、身体の奥のほうからふつふつと喜びがわき上がってきた!!!バンドでもしばらく歌ってないし、弾き語りでもめちゃくちゃ久しぶり。久々すぎたせいもあって、歌い方が違ったように聞こえた。特にAメロが、まっすぐ息を吐き出すように歌っていたようだった。〈いつからか根ざした大地の片隅の未来図も意外と素晴らしい〉が沁みた。

共演のカナタさんがMCで話していた『太陽と月』について、自身のバンドでアコースティック編成のライブを『月』として演った、というような話だったと思うのだけど、それを受けて猪狩さんが「今日のライブも太陽と月みたい」と。もちろん猪狩さんが月。「久々にあんな太陽(カナタさん)を見た。嫌いな人いないよね」と評していた。じぶんにとって、猪狩さんはいつでも安心感のある月。いくら周りが賑やかでも、いつものペースを崩さない。これまでアウェイなイベントへの出演もいくつかあったけど、そんなときでも猪狩さんはいつもどおり演ってくれて安心感があった。

そんな月の話から、「ニールヤングが満月のときしかレコーディングしないらしくて、だから月に4日間くらいだよね」なんて話して、へ〜と聞いていたのだけど、猪狩さんが想定していたよりも観客の反応が薄かったようで「え?興味ない!?」みたいになってて笑った。他にも、「月の裏側どうなってるかといった都市伝説にもハマっている」ようで(「笑いながら見てるんだよ?」とエクスキューズあり)、猪狩さんが饒舌になる話題。もっと話してほしい。

MCでたびたび挙がっていた「列伝」とは、どうやら2009年に開催されたスペースシャワーTV主催のライブイベントのことだったようで、記事によると人鳥哀歌のリリース直後。時の流れを感じざるを得ない……!

当時tacicaは顔出ししてなくて、「他のバンドはインタビューとか受けてるのに断ってて、周りに気を遣わせていて、今振り返って申し訳なかったなと反省」と猪狩さん。

昔話をしたのもあってなのか、人間賛歌〈あなたは今日のことを話すだろうか 数年先の未来で〉と投げかけられると、ふっと感覚が遠くなる。

年末の札幌での弾き語りに引き続いて演奏された、ホワイトランド!!!イントロではほんのりordinary dayっぽさを感じたのだけど、これはイントロないしな…と思っていたところ〈見て 来た道が〉と始まったので、雪降ったからかぁぁぁあああ!!と勝手に合点しながら聴いた。その感覚は間違っていなかったようで、「これから少しでも雪が降ったらこの曲歌います」という宣言をしてくれた!しっかり注視(監視)していきたい。期待。

そのままordinary day。ここ数年、世界でいろんなことが起きているし、2024年もまだ1月だというのに災害や事故などなど傷ましいことが続いていて、〈今日と変わらぬ明日〉がいかに尊いことか。どんなことがあっても、それでも〈生きていくだけ〉。“なんでもない日常“を生きていくことを改めて感じながら聴いた。弾き語りでもバンドでも歌われることが多いけれど、リリース当時よりも時間を経た今、普遍性がより増してきている曲のように思う。

ぼくらダンスを歌う前、猪狩さんが絵に描いたように口をへの字に結んで眉間に皺を寄せながらギターをチューニングしていた。その表情をめっちゃガン見しちゃった。弦が切れたときのトラウマがまだ続いているのだろう。

告知も忘れずに。不定期で弾き語りソロワンマンを開催。場所も思いついたところで。「広島はありがたいことにソールドアウト。岡山はあと2席!よろしくお願いします!」ということと、「4月から始まるバンドのツアーで名古屋にも来るので是非」と。

アンコールは、珍しく小走りで登場。年明けから心が痛むようなことが続いてて、みんなもそれぞれ個人的によいこともわるいこともあるだろうけれど、ライブに来ている時間は少しでも来てよかったなと思えるものを、歌や演奏で今年も届けていきたい、という話をしてくれた。

そしてアンコールで、DAN。一言一言、噛み締めるように歌っていて、その一言一言がザクザクと刺さった。弾き語りのDANも堪らない。

終演直後、会場のBGMでアースコードが流れ始めてグッときた。

猪狩さんの字は味がある。よい。

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