人に薦められた本 (階段島シリーズ)
読書ノートNo.2・5・11・12
『汚れた赤を恋と呼ぶんだ』
『凶器は壊れた黒の叫び』
『夜空の呪いに色はない』
『きみの世界に、青が鳴る』
著者:河野裕
出版社:新潮文庫
読了日:2022年末〜2023年6月の間のいろいろ
大放出。シリーズものなので一気にというわけで。
通称「階段島」シリーズと呼ばれているシリーズで、一作目はかなり有名なタイトル『いなくなれ、群青』。
読書ノートに記録したのはシリーズの3〜6冊目で、1、2冊目は記録を始めるより前に読了していた。
人に薦められたことをきっかけに読み始め、なんだかんだ最後に読めたわけだからそれなりに肌に合う作品だったのだと思う。特に、ふとした文章に混ぜてくる言い回しの工夫なんかはかなり好みだった。
シリーズ通して考えると、ピークは1作目だったかもなという感覚が正直否めない。でも目くじらを立てるほど尻すぼみだったわけでもない、極端につまらない巻があったわけでもない、1冊に最低1個は「おっ」というフレーズがあるといったわけで、飽きずに最後まで読むことができた(時間はかかったけど)。
「捨てること」がこの物語の大きなテーマである。
今まで生きてきた中で、「捨てること」については随分考えてきた気がする。おそらくこの先も人生の要所の要所で考えることになるテーマだと思う。自分の中にある「捨てること」についての観念とこの物語が描く「捨てること」とが、ときに共鳴したり、ときに相反したり。そういうのが面白かった。
(余談)「捨てる」ことについて考えてるときは大体これを聴く。
人に薦められた本を読むことについて。もしくは人に薦めることについて。
友達は少なく、深くがいい派だけど、本を薦め、薦められるような関係の友達がもうちょっとできると嬉しいなと思ったりする。でも薦められた場合は大抵、その本を読まなきゃいけない、という義務が発生しうる。それは避けたい。薦めてくれたものを私が読まなくても許して欲しい。逆も然りで、私が薦めたことが相手の義務になってほしくもない。
この文章は、今これを読んでるあなたへ、義務を伴わず本を薦めているものだと言えなくもない。あなたがその本を読んだかを確認する術などないのだから、義務の伴いようがない。じゃあこの記事の目的は本の推薦なのかといえばそれも違う。そんなことはいちいち考えず、ただ思ったことを書いているだけ。
この記事に限らず、一連の記事(初めてマガジンなるものにまとめている)で挙げた本を手に取ってくれたら、もしかしたら少し嬉しいかもしれない。でも別に読みましたなんて言ってくれなくてもいい。あなたが読んで面白かった本を教えてくれたら少し嬉しい。気が向かないとかその程度の理由で読まない可能性がある私を、許してくれるならの話だけど。
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