児玉ゆう

もしくは、藤浜あおい。 元「クラインずルーム」主宰。

児玉ゆう

もしくは、藤浜あおい。 元「クラインずルーム」主宰。

マガジン

  • 短文

    アプリ「書いて」で修行中→再掲。

  • 【創作BL】螺旋をおりたら (全9話)

    2015年J庭で頒布した作。旧家御曹司と、その黒子候補のお話です。 乾いた風に包まれる山間の、過疎集落にある診療所。 今は一人で常駐する秋水覧獅のもとに、重症患者が担ぎ込まれた。真夜中の急患は珍しくないけれど、何やら訳ありの様相だ。 消えた道案内。帰らない師。片目だけに現れる遺伝とともに、螺旋の下をのぞきに行こう。

  • 【創作BL】インテグラル (全3話)

    秀才高校生→大学生の連作。JR高崎線への愛を込めました。全3話。 1話 インテグラル 2話 インテグラル・ネオ 3話 インテグラル・ネクスト ★インテグラル(integral) 全体。総体。不可欠な。完全な。数学用語の積分。 ★インテグラル思想 ケン・ウィルバー氏が提唱した、多観点からの総合的アプローチ。

  • 【創作BL】幸いを待つ (全4話)

    雨の社に関わる神様のお話。全4章。 1章 幸いを待つ 2章 征太郎を待つ 3章 paraphrase 4章 はじまりに

  • いろいろ

    創作以外の記事はこちら。 属性:ウサギ飼い、文鳥好き、スプラ中毒、ドール沼住み、ミシン初級。胃弱、ドライアイ、リウマチ陽性。

最近の記事

お題「香水」

映画『ラストマイル』見てきました。 『アンナチュラル』も『MIU404』も大好きドラマなので、また少し広がったこの世界に浸りつつ、最終的にモヤっとする部分も抱えて帰って来ましたね。 そして今回、初めて匂いを感じた。 イシハラちゃんやイブキって、ここまでずっと無臭な存在だったのが、あの物流倉庫や配送車を介して認識し直すことで、空気に色がついた感じ。 きっといい匂いの部類ではないんだろうけど、やっぱり好きなやつ。 (画像は、パンフレットの裏表紙)

    • お題「現実逃避」

      地獄の母子家庭で、唯一の安らぎが創作だった。 誰に言っても「地獄」は信じてもらえないけど、夫や娘は、なんとなく察してくれているっぽい。 学のない親から逃げる先に、わたしだけの世界を持つ。暴力も暴言もない。差別も搾取もない。 ああ、だから上手に年が取れないのか。 こっちの世界では、みんなまだ未成年でいるもの。

      • お題「溢れる気持ち」

        動物飼ってるとさ、画像フォルダにめっちゃ溜まるから、軽い気持ちでインスタに写真あげちゃうじゃない。 そうすると、「は、結構なご趣味で。他にこんな子もいますが、お好きですよね」って全然知らんヤツの投稿とか延々見せられんの。 もうね、片っ端からブロックだわ。 見たくねーっての。 ジャンルの機微も分からないようなマシーン汁、誰が浴びるか。 と、夫に怒ったことがあります。

        • お題「1000年先も」

          現金はやがて消える。 通信機器の中で電子信号として存在する価値が、そこに取って代わる時代になった。 そこそこ身軽で、まだまだ危うい環境で。 芸術も、やがて変わる。 計算機械が創作するものは、人の感情を真っ当に捕らえる。生物が独自に形成する胸中の凹凸にも、自在に数値で寄せてくる。 宗教は、変わった。 関わる金も心も、ひと世紀前とは違う。進む道は広がったが、大きな原理からは遠くなった。 人間が作り出した自由な価値は、変化し、やがて消える。相応だ。

        お題「香水」

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        • 短文
          17本
        • 【創作BL】螺旋をおりたら (全9話)
          9本
        • 【創作BL】インテグラル (全3話)
          3本
        • 【創作BL】幸いを待つ (全4話)
          4本
        • いろいろ
          16本
        • 【創作】電車の王様
          2本

        記事

          お題「良いお年を」

          もうすぐ年神様がおいでです。 特別な供えなどお求めではありません。これはいつも言っていますね。 わたしたちは、新しい暦をいただく。そして、日々を丁寧に過ごす。崇高な目標を立てる前に、実直に生きる。清く、しなやかに進み続けることこそ、 「先生、あちらに…」 「ん、あ、あれ」 白いバニーガールのお姿ですが、年神様です。国政を憂いていらっしゃると聞いてはおりましたが、 「アルターエゴじゃねえ!! バーサーカー育ててるヤツいねーのか!?」

          お題「良いお年を」

          お題「1年間を振り返る」

          今年、新しい仕事に就いた。 受注データを右から左へ流す業務に飽きて、在宅WEBデザイン系に乗り換えた。 クリエイティブなことって、絶えず勉強。 トレンドも社会情勢も留まらない。加えて、制作ツールもどんどんアップデートされていく。 そんで、どこの会社もだいたい当てはまるのが、異動ありで仕事している「正社員」は、この業務のスペシャリストになる必要はなく、場当たり的に舵取りするばかり。わたしたち「派遣社員」は、たいして説明されない全体像を探りながら、「正社員」の素人意見を具現化し

          お題「1年間を振り返る」

          お題「はなればなれ」

          母親に末期がんが見つかった。 いろいろな治療法を調べたが、本人の希望はただひとつ、「痛みを遠ざけながら穏やかに終わりたい」というものだった。 しかし同時期、妹にも脳腫瘍が見つかる。彼女には生まれたばかりの子供がいた。 母親は、自身の治療法を改め、抗がん剤を選んだ。妹が無事手術を終えて、子供のもとに戻るのを見届けたいと願ったからだ。 妹はほどなく快復した。 母親は安堵したものの、その後、抗がん剤の副作用に苦しみながら逝去した。 脳に、他人の手が入ると、感情の発露が変わるという

          お題「はなればなれ」

          お題「また会いましょう」

          ここしばらく派遣社員をやっています。長くて3年、短期で半年、いろんな企業を転々として、いろんな仕事をちまちま片付けてきました。 契約満了で去るわたしに、送り出す人たちは「またどこかで会えるといいね」と言ってくれた。おそらく、会うことなんてないけどね。でも、テレビなんかで、かつての通勤路の辺りを見たりすると、懐かしさと共に、ふと思います。 やっぱ会いたくねーな。 たいした仕事しない●●とか、ハラキャラの●●とか、(以下略)

          お題「また会いましょう」

          お題「飛べない翼」

          閉じてはダメだ。 今は、飛ばなくていい。 でも、とにかく、開いておけ。 いいな? 黄色い口たちがかすかに頷くのを見て、両親はまた飛び立つ。 もう巣立ちは近い。この温まった家を出たら、強者だけの世界なのだ。 柔らかなその羽が、空を統べる日が来る。 さあ、開け。 「腹へったー」 「腹へったー」 ※ツバメをイメージしてます。

          お題「飛べない翼」

          お題「夫婦」

          休日の朝食時、夫が「しなもそ」と口走った。 わたしは、「ああ、つなもそ」と返す。 娘が小学生のころ、怒涛の商品展開を繰り広げていたサンリオキャラクターの、シナモロール。ふんわりとした水色の背景に、綿あめみたいな白い小犬がニコニコしている、あれだ。 女の子向けには赤やピンクの文具が大半だった時代に、パステルブルー系の小物は広く受け入れられ、学校の掲示物にも頻繁に登場していた。 覚えたてのカタカナで。 「シはツと似ているよねー」 「ソとンも似てるんだよー」 シナモン味のチュロ

          お題「夫婦」

          お題「一筋の光」

          鍋に鰹出汁を温めます。 ニンニクは2片を薄切りに。 キャベツはお好みの大きさでザク切り。 キノコ類は、エノキ、シメジなど、手に入りやすいものを用意。石付きを切り落とし、小房に分ける。エリンギやシイタケは薄切りに。舞茸は手で割きます。 「せ、先生、あれは…」 「今日はお魚ですね。すぐたらいを用意して。一番明るく照らされている辺りに置いてください」 「たらい…たらい…バケツじゃダメですか」 「バケツは却下です。では、あなたが受け止めて来てください」 「あ、あ、あの光の下に入れ、

          お題「一筋の光」

          お題「鏡の中の自分」

          髪を切るときって、だいたいヘアカタログなんかを見て、こんな感じにしてください、ってオーダーするでしょ。 でも、仕上がってみると、それは望んだイメージとは違ってたりする。 服もそう。お店で見てるときや、試着のときって、場の雰囲気に乗っかって、似合い度が割増ししてる。家に帰るとその効果が消えてて、どこかガッカリ感がある。 一番近いからこそ、客観視がうまくいかない。 なりたい姿を追うのもいい。 同時に、そうじゃない姿も、毎日ほめて仲良くしたい。 【鏡の中自分】

          お題「鏡の中の自分」

          お題「眠りにつく前に」

          今日、このアプリを開くのは、寝る前です。 ウサギのケージの隣に布団を敷いて、あとは電気を消すだけ、という体勢で書いています。 目的は文章の練習、特に、瞬発力を得たいと思っています。 若い頃はひょいひょい出来ていたことが、ちょっとサボっただけで、頭も手も動かなくなる。本当に、恐ろしい。 というわけで、スプラトゥーンの復習もやってから寝ます。最近は、バイトして、オープン参加して、ナワバトラーで2勝したら終わり。 では、行ってきます。 【眠りにつく前に】

          お題「眠りにつく前に」

          お題「理想郷」

          (注釈)現在、男児出生の際には、すみやかにインケイを切除、フグリは発育状況を見て、後に二分の一、もしくは全摘出が推奨されている。(人科法による) (注釈)現在、養育資格を保持する成人が、妊娠と出産を希望する場合、母性にのみ種子選定の権利が生じる。(保人法による) (注釈)現在、子供を養育する期間、資格更新を基準として、その環境への補助が行なわれる。(内国法による) 長い混乱の果て、科学が導き出した新しい風は、“男という病の排除”だった。 社会の中の性比率が整うと、犯罪は

          お題「理想郷」

          お題「懐かしく思うこと」

          先週、コミカルにさえずる小鳥の動画にハマった。 そのコキンチョウという小さな鳥は、同居仲間に、飼い主に、早口に訴える。かわいいし、けたたましい。鳥のコミュニケーションは、受取る側次第だ。 うちには、手乗りの桜文鳥がいた。 小学生だった娘がペットショップで見初め、大事に育てた。大きなケガもせず、11年生きた。 文鳥もまた、コミュ力の高い生き物だ。 人の行動に合わせて、よく鳴き、よく歌ってくれた。 今も、小鳥の歌声から耳が拾おうとするのは、聞き馴染んだあの声なんだ。 【懐かし

          お題「懐かしく思うこと」

          お題「もう一つの物語」

          宝くじを買い続けている。 一人娘が私立中学の受験を決め、それまでのパート収入だけじゃツラいと思い立った日、ロトの数字を選んだ。 億で当たれば、学費を超えて余裕を持てる。 広い家なんぞはいらぬから、単調な労働から離れて、自由に学びを得たいと望んでいた。 しかしまあ、当たらない。 娘は私立中学から私立高校へ。 夫は転職したものの、体調を崩して退職。 今当たってくれたらと涙する日々があった。 そして、娘は大学へ。 ここで当たったらなあと思いながら、奨学金の手続きをした。 もう13

          お題「もう一つの物語」