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「GAME START Ⅱ」を見に行ってみた

北海道大学。通称「北大」
地下鉄駅2~3駅分はあろう広大な敷地を有する北海道の中心的大学ですが、この中にある北海道大学総合博物館にて、「GAME START Ⅱ~これからのビデオゲーム展を考える~」という展示が行われているという情報をキャッチしまして、北海道では中々珍しいゲームを題材にした企画展示は一度見ておかなくては。というわけで、そこそこの雪が降りしきる中で行って参りました。
どんな展示だったのか、せっかくなので自分のゲーム体験談も交えながら紹介させていただければ。

テトリスを模したいかにもゲームものなデザイン。
ところで「Ⅱ」ってことは「Ⅰ」もあった…?

念のため。北海道大学の構内は一般の人でも入ることが出来て、クラーク像やポプラ並木といった定番観光スポットもあります。
この博物館は入場無料。大学所蔵の標本や資料を元にした各分野の展示が楽しめます。
今回のゲーム展示は博物館内の一部スペースで行われているもの。
美術館での「フェルメール展」のようなフロア目一杯を使って…というものではなく、期間限定で1ブースが使われているような形式。
せっかくなので他の常設展示の内容も一緒に見ていくのがベターでしょう。

ちなみに、写真や動画をSNS始めネット上で上げても大丈夫としっかり書いてあるのを確認しています。
とはいえ解説文も全部撮って貼っつけて…なんてことはしません。全貌は行ける人が是非ご自身の体験として触れていただければと。

この展示は「ゲームの展示」を考えようというコンセプトのようなので、ゲームの歴史を細かに紹介したり、某ゲームディレクターのチャンネルみたいにゲーム作りのノウハウを解説したりというようなものではありません。
僕個人が感じ取ったこととしては、実際の歴代ゲーム機を見て自身のゲーム体験の記憶を呼び起こし、その上でゲームというものを未来に伝えていくには…?ということを考えるきっかけにしてもらいたい。という狙いがあるのではないかと思いました。(あくまで個人の感想です)

このブースには9種類のゲームハードが展示されており、これらは全国のミュージアムでの所蔵率上位9種で選ばれているとか。
ミュージアムと言っても様々でしょうが、そこにゲーム機が所蔵されてるというのもゲームファンとしては感慨深いものがありますね。

当然ながらファミコンが強い!
恐らく「昭和後期の暮らし」的なコーナーで
使われてることが多いのかも。
少し見づらいTOP9に惜しくも入らなかった部分。
同率で「カセットビジョン」「たまごっち」
「ドリームキャスト」と並んでいます。

「カセットビジョン」を所蔵してるってどこのミュージアムなんだろう?と、これはこれで少し気になりますね。

それでは、展示されてる9機種を見ていきましょう。

ちょっとボロボロな箱がかえってリアル。
代表的な3つのゲームソフト。
3つともセーブ機能がないという共通点があったり。

発売から40年を迎えたファミコン。
今もSwitchなど現行機で一部のゲームが移植されて遊べるようになってます。
冷静に考えると40年近く前に作られたものが今もほぼそのまま遊べる環境があるって決して当たり前ではないんですよね。

自分自身が初めて触れたゲーム機もファミコンでした。
おぼろ気な記憶でスーパーマリオを遊んでた…というより触ってた程度のものだったと思います。
記憶の中で一番古いゲームとなると、先の「スーパーマリオ」ともう1本「クラックス」というゲームを遊んでた覚えがありますが、こちらを今後再び遊べる機会は果たしてやって来るのだろうか?

マリオカート。ストⅡ。スーパードンキーコング。
SFCを代表する3つのゲーム。

続いてはスーパーファミコン。
世代的にも僕はこの辺りからということになります。
先ほどのファミコンは触る程度でしたが、最初に明確にゲームにハマったのは正に「スーパーマリオカート」からだったと思います。
まだ小学生にギリギリ入る前くらいでしょうか。
ゲームの入り口がマリオだったので、以降CM等でマリオのゲームが出てきたら内容がどうかは一切気にせず遊びたいと思ってました。小さい頃は誰しもそんな感じかな?


赤を買うか。緑を買うか。
ちょっと違うよ。

続いてはゲームボーイ。
今見ると本体の厚さや色も相まってか重量感あります。
僕は家にゲームボーイこそありましたが、買ってもらえるゲームの本数が限られている中でスーファミやロクヨンに的を絞っていたので、結果として初代ポケモンのブームに乗り切れない少年時代を過ごすことになってしまいました…。
解説文でも軽く触れられていましたが、通信ケーブルを持ってる子は英雄扱いまでは言い過ぎとしても、欠かせない存在となっていましたね。
今やNintendo Switchが発売7年経過でそろそろ次世代機が囁かれていますが、ゲームボーイで考えると7年目は1996年。あの初代ポケモンが発売した年だったりします。1998年のゲームボーイカラーを挟んで、2001年のゲームボーイアドバンスまで走り続けたゲームボーイはやはり圧巻。


本体起動時のデモがちょっと怖かった人もいたとか。
どこでもいっしょ。といえばポケステこと
ポケットステーション。

続いてプレイステーション。
CD-ROMを扱うゲーム機はこれ以前にもあるにはありましたが、初代プレステが初CDゲーム機という人も多いはず。
展示の中にはなかったですが、やはりFF7の衝撃があまりに大きいですね。
僕は任天堂機メインで通っていたためプレステシリーズはあんまり遊んでないこともあり深くは語れませんが、シアトリズム等でFF7.8.9の頃のムービーシーンなんかを見たりすると、あの頃にこのクオリティの映像がゲームで見れたらそりゃみんな遊ぶよなと納得します。


ニンテンドー64ではありません。
ニンテンドウ64です。
目指せスター120枚。
目指せマリオサーキット1:20切り!

続いてニンテンドウ64。
先ほどのプレイステーションに押されてしまいシェアの面では後塵を拝してしまいましたが、アナログスティックや振動といった今に繋がる機能も多数取り入れていました。
今見るとまず箱がデカイですね。…いや、今もPS5やXbox Series Xなんかも結構な大きさですが。
また、展示されてる「スーパーマリオ64」と「マリオカート64」ですが、実は両方ともちょっとレアかもしれない品なんです。
マリオ64は、発売から1年ほど経った頃に『振動パック対応版』という新たなパッケージが出ており(Switchオンラインや3Dコレクションで遊べるのはこの振動対応版)、この時ひっそりとバグなんかも修正が入っているのですが、写真にあるのはそれ以前のいわゆる『初期版』です。一部界隈で有名な、あのワープが出来るやつですね。
マリオカートの方は、実は発売当初はソフトと一緒にコントローラーが1つ同梱されていました。何年か経ってソフト単品の廉価版のようなものがこれまたひっそり発売したのですが、写真にあるのはそのソフト単品版。

…余談ですが、当時僕はどっちのソフトも遊んでいたのですけど、マリオ64とマリオカート64とでカセットの重さがちょっと違っていた(マリオカートの方が重い)記憶があります。実際どーなんでしょうね。


いわゆる白サターンと呼ばれるもの。
セガサターン・シロ!
ソフトはどちらもクロスオーバーものですね。

続いてセガサターン。
先のプレステとほぼ同時期に発売され、実は当初セガサターンの方が売れていたという歴史があります。
スーパーファミコンでストⅡが大ヒットしたように、この頃はまだアーケードの人気ゲームが家庭用で遊べることに大きな魅力があった時代です。
セガサターン唯一の国内ミリオンヒットタイトルが「バーチャファイター2」というのもその表れでしょう。
任天堂機の十字キーや、プレステの独立した上下左右ボタンに比べると、セガサターンの方向キーは格闘ゲームのコマンド入力がやりやすかったですね。
なお、プレイステーションが3D表現に長けている一方、セガサターンは2D表現を得意とする設計になってるとか。
その割に最大のヒットが3D格闘ゲームというのは何とも皮肉というもの。(同時期にプレステで出た鉄拳2や3もミリオンヒット)


こう見ると周辺機器というより単独のゲーム機っぽい。
正面から。ファミコンが乗ってない姿は案外レア?
「ぷよぷよ」実は初出が
ディスクシステム(とMSX2)と知る人は少ない?

続いてはファミコンディスクシステム。
「ゼルダの伝説」や「メトロイド」「悪魔城ドラキュラ」など多くの人気シリーズが生まれたハードではありますが、実は海外で発売されてない機種だったりします。
ファミコンと一体型になったツインファミコンというものも当時リリースされてました。
本体に接続する周辺機器というよりも新ハードという様式は、この後PCエンジン+CD-ROM2とかメガドライブ+メガCD+スーパー32Xとか、スーパーファミコン+サテラビューとかニンテンドウ64+64DDというように割と脈々と?受け継がれていきました。今だとPS5+PS-VRが近いですかね。


伝説の始まり

続いてはゲーム&ウオッチ。
これ以前にもビデオゲーム機と呼べるものは結構存在していたらしいので、ゲーム&ウオッチをゲームの始祖扱いするのはちょっと正しくないですが、黎明期を代表するハードであることは間違いないです。
任天堂のゲーム機としては始祖…とも言いきれず、任天堂は更にこれ以前に「カラーテレビゲーム15」や「レーシング112」なんてのも出してたりします。近日完成するはずの任天堂ミュージアムで現物が見れると嬉しいですね。
ゲーム自体は後に「ゲームボーイギャラリー」シリーズ等で遊べるものもあります。
ハイスコアを狙うのに必要なのは操作テクニックよりも集中力かも。


薄型じゃない方。半分家電と言えるかも。
何故かFFシリーズが多い。

最後はプレイステーション2。
当時まだ普及していなかったDVDの再生機能も搭載していることで大きな話題となった。
ゲーム機以外の用途に使えるという点では、実はセガサターンや初代プレステにもCD再生機能があったりしましたが、DVD機能目当てでPS2を購入ひた人も割と多かったと思います。この頃だと「マトリックス」が出た頃ですかね。
つい先日Switchが日本国内で最も売れたゲーム機になったと話題になりましたが、それまでのトップはこのPS2でした。

このような展示になっていました。
加えてゲーム関連の文章のみ公開してる過去の展示会目録の一部や、よくある"思い出を書いて貼ってみよう!"のコーナーがあったりします。
どんなメッセージが貼られていたかは是非ご自身の目で。

このように歴代のゲーム機が並んでいるだけでも、色々と語れそうなくらい楽しい想いが湧いてきます。
レトロゲームショップで昔のゲームのパッケージを眺めてるだけで面白い。というのに近いかもしれません。
かつてのアーケードゲームが遊べるアーケードアーカイブスや、ガラケー向けゲームを遊べるG-MODEアーカイブス。更にクラシックPCゲームを遊べるEGGコンソールといった、今の環境でかつてのゲームを遊べる環境が増えつつある一方で、このような展示という形でゲームの歴史に触れる機会というのも、とても大事になってくると思います。
ファミコンというゲーム機があって、こんなソフトがあって当時の少年達はこう楽しんで…という情報が30年後50年後の未来でもしっかり伝えられている。ということになれば、単純にゲームファンとしては嬉しいものです。
こういったゲームを伝えるということを、自分も何らか貢献出来ればいいなという思いもありますが、今は今まで通り新旧色んなゲームを楽しんでいく。これに尽きるのではないかと思います。
そして、ゲームを題材にした展示。これからも増えることに期待したいと思います。

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