見出し画像

「情報」の思い出④

 「情報」の授業で、Wordは教えるのに大して困らなかった。むしろそんなファンクション・キーがあるの?という発見があった。
 しかし、Excelは本当に苦労した。数式を入れなければならないが、見てもすぐ忘れてしまう。
 でも、Excelのグラフは全種類作って、後に保健部長になったとき、アンケート処理に役立った。
 マクロは教えなかったので、私も勉強しなかった。後に教務部で住所録を作る時に、先輩の養護教諭から教えてもらったが、その仕事が終わると、あっという間に忘れてしまった。生徒たちもできたほうが良かったのだろうが、そこまで求められてはいなかった。

 パワーポイントは、仕組みがホームページ作成ソフトに似ていて、もう少し自由度がないが、発表資料を作るのに便利だと思った。
 生徒たちも思い思いにネットから画像を拾ってきて貼り付けて、楽しんでいた。
 アニメーションを使って、スパイダーマンの物語を再現してプロモーションビデオもどきを作った生徒や、どこから探してきたのか、プロの濃厚な油絵の童話を絵本仕立てで見せてくれた生徒もいた。
 著作権はまだ云々されていなかったこともあって、こちらが制限をかけなかったので、そんなふうにやりたい放題していたが、一つ困ったことがあった。

 直リンだ。「直リンはやめましょう!」とあちこちのサイトで見たが、自分のサイトでも、急に動作が重くなるまでピンときていなかったが、一度そうなると、ああそうかと気がついて、画像データの名前を書き換えたら、すぐに軽快に動いた。

 つまり、コピーペーストして、その貼り付けまでは同じだけれど、その画像をこちらのパソコンかサーバに保存しておかないと、コピーペーストだけ(これがいわゆる直リン)だと、リンクが繋がったままで、引用元のサーバと教育委員会サーバ経由で学校サーバに24時間繋がりっぱなしになり、両方のサーバにとんでもなく負荷がかかる。当該ページは動作が重くなり、動かなくなる。
 だから、画像をコピーするなら、自分の作品と一緒にコピーした画像データを保存して、作品にはその保存した画像を表示しなければならないが、それを知らない教諭がいて、コピーペーストだけを教えた。
 結果、ある生徒が、素敵な宇宙の画像、太陽系の水星、金星、木星、土星、海王星、冥王星の写真をコピーペーストしていたが、次の週、作品を開くと、写真は全て消えていた。
 直リンでサーバが重くなったサイト管理者が、画像データの名前を変えたか、画像を削除したのだ。
 画像が消えてしまった生徒を慰めて、作品を作り直させるのはなかなか大変だった。

 もちろん、コピーペーストをした時、画像保存をしないといけないと助言したのだが、件の教諭は聞き入れなかった。
 そもそも各パソコンにデータを置いておけなかった。他のクラスも同じパソコンを使うから、8クラスだと8人が日替わりで同じパソコンを使っている。そして当時はパソコンのハードディスクが小さかった。
 教員が各パソコンのハードディスクをオンラインで確認できるにも関わらず、教師卓のサーバに作品を保存することになっていた。それは、他の生徒による改竄を防ぐ意味もあったが、8クラス分となるとかなりのボリュームになるからでもあった。だから、なおさら、あまり大きな画像データを学校に置きたくなかったのだと思う。
 今は、そんなことはない。画像をコピーペーストしたら、クラウドに保存していると思う。
 ……たぶん。大丈夫?、だろう。……知らない。

サポートよろしくお願いします。また本を出します〜📚