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兵書『孫子』ー君は戦争を知っているか⑩

 『孫子』第三「謀攻編」で用兵のまとめの部分です。この次に、将軍とは、勝ち方とは、と続きますが、その前提となる内容です。

【本文書き下し】
 故に用兵の法は、十なれば則ち之を圍み、五なれば則ち之を攻め、倍なれば則ち之を分ち、敵すれば則ち能く之と戦い、少なければ則ち之を逃れ、しからざれば則ち能く之を避く。
 故に小敵の堅なやりは、大敵の擒(とりこ)なり。

【現代語訳】
 このため軍隊を動かす方法は、(敵の)十倍ならば敵を囲み、(敵の)五倍ならば敵を攻め、(敵の)倍であれば敵を分断し、(敵と人数が)匹敵すれば出来る限り敵と戦い、(敵よりも)少なければ敵から上手く逃れ、(敵に)及ばないのであれば上手く敵を避ける。つまり、人数が少なく固守する軍は、大きな軍隊の捕虜になるのである。

☆評釈☆
 一見、当たり前のことが述べられているが、実際となると、どうだろうか。
 アニメなどでよく見るが、「やってみなけりゃ分からないよ!」とか何とか言って、危機に瀕したり、多勢に無勢で全滅したりする。
 物語としては、見せ場になるが、実際の戦いではあってはならないことなのだろう。

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