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ガリガリくんとブラックサンダーに学ぶエフェクチュエーション

9月6日(金)の日経MJに掲載されていた、「ガリガリ君」の赤城乳業・井上創太社長と、「ブラックサンダー」の有楽製菓・河合辰信社長の対談記事があまりにもエフェっていたので、紹介したくなっちゃいました。

まずは、AIでまとめた記事の内容です。


この記事は、赤城乳業の「ガリガリ君」と有楽製菓の「ブラックサンダー」という2つの人気菓子の誕生と成功のプロセスを、両社の社長が語るインタビューを元にした内容です。司会は日本経済新聞の中村直文編集委員が務め、3つのテーマに沿って進行されました。

1本目:「開発の着眼点」

ブラックサンダーは、もともと軽い食感のチョコ菓子が多い中で、しっかりとした食感を目指して開発されました。ココアクッキーにチョコをコーティングするシンプルなアイデアが結びつき、偶然にも誕生した商品です。しかし、1994年の発売当初はアルファベット表記が子どもに馴染まず、30円という価格が駄菓子としては高額だったため売れ行きは芳しくなく、1995年には一時生産が終了しました。その後、九州の営業マンが再販を依頼し、限られた量で復活。そこから10年ほどは細々と売れ続けました。

一方、ガリガリ君は1981年に、子どもが両手を使わず片手で簡単に食べられるアイスとして開発されました。最初はパッケージデザインも洗練されておらず、売れ行きも緩やかでしたが、次第に改良が加えられ、2000年には累計1億本を突破しました。

2本目:「ブレークのきっかけ」

ブラックサンダーが最初にヒットの兆しを見せたのは、大学生協でした。30円という価格は子どもには高価でしたが、大学生にとってはリーズナブルで、大学生協での人気を足がかりに、コンビニ展開へとつながりました。さらに、2008年には体操選手の内村航平がブラックサンダー好きを公言したことで、瞬く間に注目を集め、出荷された商品が一気に売り切れるという事態が発生しました。偶然にもインフルエンサーの影響で人気が急拡大した例です。

ガリガリ君は、パッケージのキャラクターを改良し、2000年にヒットを果たしました。また、「ガリガリ君の歌」が『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』で使われたことで知名度が一気に上がり、そこから人気が定着しました。

3本目:「ヒット企画の歴史」

ブラックサンダーでは、自虐的なコピー「一目で義理とわかるチョコ」をバレンタインに使い、義理チョコの配布に焦点を当てたキャンペーンを展開しました。これにより、ブラックサンダーが義理チョコとして人気を集めました。また、2023年には「#社長の奢り」キャンペーンで、コメダ珈琲店とのコラボ企画を行い、応募者1名に3200個のブラックサンダーをプレゼントする企画を成功させました。

ガリガリ君は2012年、コーンポタージュ味を発売し大ヒットしましたが、ナポリタン味は失敗例となりました。また、2016年には価格を60円から70円に引き上げましたが、その際に「値上げをお詫びする」広告を打ち、話題を呼びました。このユニークな対応がメディアに取り上げられ、さらなる注目を集めました。

ブランドの成功要因と今後の展望

インタビューの後半では、両社の社長がブランド成功の背景や今後について語ります。ブラックサンダーの河合社長は、過去に九州の営業マンが「売らせてほしい」と申し出たことで再販が実現した恩人探しイベントを開催しました。このイベントで恩人が見つかり、感謝を込めて表彰とお菓子を贈ったといいます。

ガリガリ君の井上社長は、中高生がガリガリ君のテーマ曲を演奏するイベントを通じて若い世代とつながり、ファン作りに取り組んでいます。今後50周年を迎えるガリガリ君は、引き続き様々な挑戦を続け、ブランドを発展させていく意欲を示しています。

結論

インタビューの最後では、中村編集委員が「結論として『うまい棒』には勝てない」と冗談交じりに締めくくり、両社のブランドが偶然と工夫を組み合わせた「一緒に悪ふざけする」精神を大事にしている点が強調されました。

全体を通じて、両社のヒット商品は偶然と必然が織り交ざった結果であり、自然体で消費者に愛され続けるブランドを維持する姿勢が成功の鍵となっていることが浮き彫りにされました。


続いて、記事の内容からの学びを、エフェクチュエーションの5大原則に沿ってまとめてもらいました。


エフェクチュエーションの5つの原則に基づいて、このインタビュー記事から読み取れる学びを整理します。

1. 手中の鳥の原則(Bird in Hand Principle)

企業家は、持っている資源やスキルをもとに行動を起こすべきだという考え方です。

  • ブラックサンダーの場合、もともと社内で取り扱っていたココアクッキーにチョコレートをつけるというシンプルなアイデアが商品化につながりました。すでに社内にあるものを活用して、新たな価値を生み出すプロセスが見られます。

  • ガリガリ君では、元々あったカップかき氷が「子どもが遊びながら食べにくい」という課題を発見し、その解決策としてスティックアイスを作りました。すでにあった商品や技術を基に新しいアイデアを導入しています。

2. 許容可能な損失の原則(Affordable Loss Principle)

起業家は大きな利益を追求するのではなく、損失を最小限に抑える範囲で行動することを優先するべきという考え方です。

  • ブラックサンダーは、初期の販売が不調だった際、一度生産を終了しましたが、九州の営業マンからの依頼を受けて、在庫分だけ再販を許可するという形でリスクを抑えた対応をしました。この小さな再スタートが、後の大ヒットにつながります。

  • ガリガリ君も、当初は売上が安定しない中で、キャラクターの改良や歌のプロモーションなど、少しずつ手を加えていくことで、19年後にヒットを実現しています。大きなリスクを取らず、少しずつ改善していく姿勢が見られます。

3. クレイジーキルトの原則(Crazy Quilt Principle)

他者と協力し、ネットワークを活用して事業を展開するという考え方です。

  • ブラックサンダーは、大学生協とのパートナーシップを活用して、大学生向けに人気を広げました。また、九州の営業マンの働きかけによって再販のチャンスを得たことも、他者との協力の重要性を示しています。

  • ガリガリ君は、番組『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』でテーマソングが使われたことが大きなプロモーション効果を生み、結果的にブランドの認知度を大幅に向上させました。外部との連携がヒットのきっかけになっています。

4. レモネードの原則(Lemonade Principle)

予期しない出来事や不確実性を受け入れ、チャンスに変えることが重要だという考え方です。

  • ブラックサンダーの人気が急上昇したのは、内村航平選手が好きだと公言した偶然の出来事でした。これにより、在庫が一気に売り切れるという事態が起こり、企業はこの予期せぬ出来事をうまく活用しました。

  • ガリガリ君の「コーンポタージュ味」の大ヒットも、元々は社内の若いスタッフがこっそりと作ったものが経営会議で賛否を呼び、当時の社長(井上社長の父親)が「やれ」と指示したことで実現しました。この一見奇妙な商品が大成功を収めたのは、不確実な挑戦を受け入れた結果です。

5.飛行機のパイロットの原則(Pilot in the Plane Principle)

未来は予測するものではなく、自らの行動で創り出すものであるという考え方です。

  • ブラックサンダーの河合社長は、売れたものがいつか売れなくなるという感覚を持ちながらも、次に進むことを社内で共有しています。常に変化を受け入れ、試行錯誤し続ける姿勢がブランドの成長を支えています。

  • ガリガリ君も、井上社長が「50周年に向けていろいろやってみよう」と語っており、失敗を恐れず、挑戦を続ける姿勢が強調されています。未来を自分たちの手で切り開いていくという信念が見られます。

まとめ

両社の取り組みは、エフェクチュエーションの原則に沿っており、既存のリソースや予測不能な出来事をうまく活用し、他者との協力を大事にしながら進んでいます。失敗や予期しない出来事を恐れずに挑戦し続け、リスクを最小限に抑えながらも、自分たちの行動で未来を創り出している点が学びとなります。


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